きょうだいそれぞれ特性がある育児に悩んでいるお母さんたちの味方~きょうだいをまるっと発達サポートしているトレーナーへのインタビュー~

 

きょうだい育児って大変ですよね。もし、きょうだいそれぞれ特性を持っていると、子どもによって異なる個別の対応に悩む方もいると思います。今回は、特性のある繊細兄弟の育児をサポートする活動をしているトレーナーに話を伺いました。
 

【目次】

 

1.悩み事のないお母さんはいないのかも?

 
 
皆さんは子育てにお悩みがありますか?
 
 
「全くないです」と答える方の方が少ないのかもしれませんね。
 
 
一人っ子のお母さんも、きょうだいがいるお母さんも、一人ひとり違うように、お悩みの方も様々だと思います。
 
 
・じっとしていることがなく目が離せない
 
・こだわりが強くて思い通りにならないと癇癪を起こす
 
・不安が強くてお母さんから離れられない
 
・不器用で細かい作業が難しい
 
 
など、特に発達障害などの特性を持ったお子さんのお母さんは、自分の子と周りの子どもを比べて悩むこともあると思います。
 
 
 
 
そして、お母さん自身が、周りのお母さんと同じような対応をわが子にはできないことで悩むこともあるかもしれません。
 
 
今回お話を伺ったのは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)のトレーナーで、特性のあるきょうだい育児をサポートされている仲ひろ子さんです。
 
 
仲さん自身、現在、それぞれ特性を持っている男の子、男の子、女の子の兄弟を育てていらっしゃいます。
 
 
トレーナーとしての活動内容や育児、発コミュに出会ってからについてなどの話をたくさん伺いました。きょうだい子育てに悩んでいる方は仲さんのお話は必見ですよ。
 
 
こちらの記事は3回にわたるインタビュー記事の1回目の記事になります。
 
 
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2.“きょうだいDEI発達科学コミュニケーション”の専門家として

 

 

ーーーさっそくですが、簡単な自己紹介をお願いします。

 
 
「私は親子のコミュニケーションをスムーズにして凸凹繊細兄弟の喧嘩や癇癪がスッと収まる発達科学コミュニケーショントレーナーをしています、仲ひろ子といいます。
 
マルっと発達サポート 日本で唯一の発達凸凹繊細きょうだいの専門家として、ママが違いを認めるコミュニケーションで、発達凸凹繊細兄弟の喧嘩や癇癪がスッと収まる♪きょうだいDEI発達科学コミュニケーションというものを教えています。
 
きょうだいDEI発達科学コミュニケーションを習うと、衝動性やこだわりから頻繁に起きていた癇癪や兄弟喧嘩がママの声かけてスッと収まるようになります!
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
発達科学コミュニケーション(発コミュ)は、お母さんがお子さんとのコミュニケーションの仕方を変えて、お子さんがどんどん成長していけるコミュニケーションを学んで実践していくことです。
 
 
お子さんの特性によって対応の仕方もそれぞれになりますが、わが子のことを一番よく知っているお母さんが、わが子専用の対応していくことで、成長が加速されていきます。
 
 

ーーーきょうだいの数が多いほど育児って大変ですよね。「きょうだいDEI発達科学コミュニケーション」についてお伺いしたいです。 DEIとはどういう意味があるのでしょうか?

 
 
「はい。DEIとは、
 
Diversity 多様性
Equity 公平性
Inclusion 包括性
 
の頭文字です。
 
差別をなくし平等にするだけでは解決することが難しいような、不平等があると認識されてきたことを背景に、一人一人のバックグランドからくるニーズに合わせてツールを用意するという考え方です。
 
つまり、きょうだいDEI発達科学コミュニケーションを学んでいくことで、お母さんがそれぞれのお子さんを認めて、穏やかに会話しながら、喧嘩や癇癪にも適切に対応できるようになるんです。
 
 

ーーーなるほど!どのくらいの期間で効果を実感できるものなのでしょうか?

 
 
「私は発コミュを習って、たった1か月でイライラせずに子どもといる時間を楽しめるようになったんです。」
 
 

 

 

ーーーわずか1か月ですか!短期間で効果が表れるんですね!とはいえ、わが子の特性を理解することは、なかなか難しいと思います。何か気に掛けるポイントなどはありますか?

 
 
特性を理解することは大切ですね。
 
この子は何を思って、何が好きで何が嫌だとか、それを見て作戦を立てていくんです。
 
例えば、寝る順番。寝るときにだれがママと一緒に寝るのか、順番を巡って争うのであれば、それを曜日ごとにや順番ごとに変えていくんです。
 
その前に、『今日は一緒に寝れないけど、この遊びを一緒にするからこれでいいよね』っていう作戦を立ててやっていくことをします。
 
それぞれの子が満足できるようにしていくんです。
 
反対に、ママから離れなくなってくる子や『ママ、ママ』と言ってくる子が出たら、この子は何かが今の環境とかと合っていないのかな、と気づくことが大事ですね。」
 
 

ーーーなるほど。子どもを観察することが大事ということですね。忙しいお母さんが、「今日のあれは、子ども達あんまりうまくいかなかったな」と振り返るだけでも対応が違ってきますよね。他に具体的なサインなどありますか?

 
 
「はい。
 
・元気がない
・なんにでも否定的
・投げやりな態度
・イライラしている
 
などは分かりやすいかと思います!
 
他のきょうだいがママと話をしているときに割り込みをしたり、変なちょっかいを出し始めたりするときも要注意ですね。
 
自己主張をあまりしないタイプのお子さんなら、とにかくママとの時間を作りたがるのもサインの一つです。『ママだけに話したい』『ママじゃないと』というときは要注意です!」
 
 

◆ポイント解説

 
 
3人の特性のあるお子さんの子育てにおいて、それぞれの対応を変えられて、そのお子さんにあった対応をされたことで、効果が約1か月と早く表れたと思います。
 
 
3人お子さんのいろいろなエピソードや、それぞれの特性あるお子さんへの対応の仕方の経験も3倍あるということが、仲さんの強みになっている部分だなと思いました。
 
 
 
 
 
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3.発コミュを始めて約5か月後の現在のお子さんたちとの関係

 
 

ーーー発コミュ後1か月で効果を感じられてから、現在約5か月経ったと聞いています。最近のお子さん達の様子を伺えますか?

 
 
「はい。今は、それぞれが“自分がやりたいことはこれだ”というのがあります。
 
長男は野球をやりたいし、次男は学校に行っていないので、家でお手伝いをしたりゲームをしたりです。
 
次男は吸収力がすごいので、ネットでいろいろなものを調べてはそれを披露してくれたり、伝えてくれたりします。
 
生活力もついてきて、楽しく“僕はこうやって生きていく”があります。
 
長女は、私はそう思わない、私はこれがやりたい、など言えるようになって、お兄ちゃんたちと対等に言い合いえるようになりました。
 
それぞれが安定してきて、何か困ったことがあるときょうだいみんなで助け合ったりとかできるようになりました
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
発コミュは、発達凸凹のお子さんにだけでなく、定型発達のお子さんにでも対応できる、コミュニケーションです。
 
 
なので、お母さんがその子の現状をしっかりと把握して、どう対応したらいいのかを勉強していき、それを実践していくことで、お子さんが少しずつ変わっていきます
 
 
私たちがよくやりがちなのは、今現在のわが子を把握しようとするときに、学校のクラスメイトだったり、近所の子だったり、習い事に来ているほかの子と比べてしまい、
 
 
「うちの子は、▲年なのに、〇〇ができないから。」とか
 
 
「□□ちゃんより、長い間習っているのに、うちの子はうまくならない」など、
 
 
自分のお子さんのできていない所に目を向けてしまうことです。
 
 
そうすると、やはり親として、ほかの子と同じようにできてほしい、という気持ちも起こるので、わが子の出来ていない点に目が向きがちになります。
 
 
出来ていない部分がクローズアップされてしまい、わが子のことを思うがゆえに、“どうにかしたい”や“どうにかしなければ”の思いで、お母さんがわが子にいろいろと口出ししてしまうんです。
 
 
お子さんの苦手な部分は、他の出来ている部分より成長がゆっくりです。
 
 
お子さんが頑張って苦手な部分が少し成長していたとしても、お母さんが目標としているところまではまだまだなので、やはり口出ししてしまう、そんな状況が繰り返されることになります。
 
 
苦手なことを頑張っているのに、もっと頑張れと言われることほどしんどいことはありませんよね。大人もそうですが、子どもだって同じです。
 
 
わが子の現状を把握するのは、今のわが子の状態をいいところや得意なこと、悪いところや苦手なところも全てを理解していくということです。
 
 
そして発達することについて勉強することで、わが子に合った最適の対応ができるようになります。
 
 
特性のある3人のお子さん達が、それぞれに成長していったのは、誰よりも子どものことがわかる仲さん自身がお子さん達の現状を把握して対応されたからだ、と思いました。
 
 
 
 
さて、次回は、仲さんが発コミュに出会うまでのお話を伺っていきたいと思います。お楽しみに!
 
 
 
 
認めてあげることで自己肯定感も安定します

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執筆者:松尾 歩
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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