ただでさえ忙しい朝。子どもの登園しぶりが起きると、ママは心配だし、焦りますよね。なんで前日の寝る前は普通だったのに、朝だけこうなるの…と思い悩んでいませんか。今日からスグ使える行きしぶりを克服する対応をお伝えします。
【目次】
1.わが子の登園しぶりに悩んでいませんか?
忙しい朝を過ごす親御さんは多いですよね。
朝は朝食の準備に仕事へ出かける準備。
そんなときに始まる子どもの登園しぶり…。
前日の夜は、登園しぶりしていなかったのに、朝だけ行きしぶりを起こす…。
「幼稚園(保育園)行きたくない!」とその場から一向に動こうとしない。
着替えさせようとすると逃げまどう!
なんとかなだめたり説得しても、行く気になってくれなくて無理やり連れて行く。
さらには、園でなかなか離れようとしない。泣きつかれる…。
ママも朝からグッタリですよね。
以前パステル総研では、発達科学コミュニケーションのトレーナー・リサーチャー内で幼児を持つお母さん達に登園しぶりに関してどんな悩みがあるのかアンケート調査を行いました。
その際も、登園しぶりについて困りごとや悩みについて、
・泣かれるとつらいのが悩み
・登園直前や突然的に行きたくないと言われて困っている
・登園時に泣き叫ばれて引き渡すのがつらい
というママの意見が並びました。
たしかに大人だって「仕事に行きたくないな」と思うときだってあります。
だからこそ、子どもがしばらく経てば幼稚園(保育園)に慣れて、笑顔で登園するようになるだろうと思うかもしれません。
しかし、子どもの脳の特性の視点で見たとき、そのうち慣れるだろう…とそのままにしておくのではなく、きちんと対応する必要があるのです。
今回の記事では、登園しぶりについてまるっと解説します!
なぜ、朝だけぐずることが多いのか?
登園しぶり起きた際は、どう対応すればいいのか?
悩んでいるママ、ぜひ続きをお読みください。
2.なぜ、朝だけぐずるの?「行きしぶり」にも様々な理由あり!
子どもの登園しぶりといっても、その理由は様々なことが考えられます。どんな理由があるのでしょうか?
◆理由その① 特にASD(自閉)傾向の子どもに多い「記憶による特性」によるもの
過去にあった失敗したことや、イヤな思いをした記憶、叱られたことなどのネガティブな情報を鮮明に覚えていて、溜め込みやすいという特性があります。
幼稚園(保育園)で失敗したら嫌だなと不安を抱えてしまったり、イヤな記憶がよみがえってきて、行きたくない気持ちになってしまうことが考えられます。
さらに、毎日通っているうちに、「幼稚園(保育園)へ通う」=「イヤなことがある」というネガティブな記憶が繰り返し積み重なっていきます。
その結果、「行きしぶり」の行動が定着してしまい、繰り返してしまうのです。
◆理由その② 「見通しが立たずに不安」になって登園をしぶる
次に何をするのか予測が立たず、不安になってしまう子どももいます。
この場合は見通しが立てば安心するので、前もってわかっているイレギュラーな園の取り組みや、今日明日のスケジュールを伝えてあげましょう。
伝えてあげることで、子どもの気持ちに余裕ができ安心できるように促します。
朝の会話で「今日は、○時に迎えに行くからね」と一言添えるのもいいですね。
◆理由その③ 「感覚の過敏性」からくる登園しぶり
特に幼児期は過敏性が強く出る時期なので、発達に心配があるお子さんの場合は、日頃から様子をよく観察することが大事です。
例えば、ベタベタしたものに触るのが苦手だと、給食の際に苦手な食材がある、糊や粘土を使う工作が理由で登園をしぶっているかもしれません。
また、音に敏感だと、子ども達のガヤガヤ音が耐えきれなかったり、匂いに敏感、敏感性からくる偏食があると給食が嫌で行きたくないということも。
こういった理由だと、周りから甘えている・ワガママと捉えられてしまう可能性もあります。
日頃からお子さんの行動を観察して、何が苦手なのかを把握しておくと、早め早めに対策を講じることが必要となってきます。
◆理由その④ 大人との時間の感覚の違い
朝は起きてから、着替えや歯磨き、朝ごはんなどやらなくてはいけないことが多いですよね。
私たち大人は、時間の感覚が掴めているので、この時間までにこれをやる、何分後までに行動しようとダンドリが組み立てられます。
だからこそ、大人の生活時間に合わせて行動することを、つい、子ども達にも促してしまいますよね。
しかし、幼児の脳はまだ十分に時間の感覚が理解できません。
ママが「あと10分後に出発だよ」「8時までに着替えておいてね」などと声をかけたとします。
しかし、子どもにとっては、「あと10分」「8時まで」という時間の感覚が理解が難しい場合があるのです。
結果、ママとしては、「あと10分後に出発だよ」、「8時までに着替えてね」と声かけしても、子どもは10分後何も準備をしていなかったり、8時までに着替えていなかったりします。
ママとしては、「え〜なんで準備してないの〜!」「着替えておいてと言ったじゃん!」と、イライラしたり焦ったりしてしまいますよね。
でも実は子どもにママの言葉の意味は伝わっておらず、ママのイライラや焦りなどの感情だけが子どもに伝わってしまっている場合があるのです。
3.「幼稚園(保育園)行きたくない!」という子にオススメ!魔法のコミュニケーション
タイムリミットが迫る朝に登園しぶりが起きると、ママは本当に困りますよね。
今回は毎日忙しい日々を送っているママでもできる簡単なテクニックについてご紹介します。
◆①お子さんの話してくれる言葉に共感する
幼稚園や保育園に行きたくないとお子さんが訴えてきたときにすることは、まず共感しましょう。
自宅を出なければいけないタイムリミットが迫っている時、つい子どもに急かしてしまう言葉が出てしまいます。
しかし、そこはグッとこらえて、まず共感の言葉をかけましょう。
「そっか〜、行きたくないんだね」
「イヤなんだね~」
などと、アイコンタクトをとりながら穏やかな表情と声で伝えます。
その際に、子どもの頭をなでたり、ギュッと抱きしめたりといったスキンシップを取り入れることも有効です。
共感はお子さんの要求を受け入れることでもなく甘やかすことでもありません。
そして、「お話してくれてありがとう」、「気持ちを話してくれてありがとう」などと子どもに伝えてあげてください。
ママにこう言われると、子どもは自分のネガティブな気持ちを言ってもいいんだと安心できます。
忙しい朝でも、ママが共感する言葉を身につけておくと、いざ子どもが登園しぶりが発生した際に冷静に対応できます。
幼児の脳はじわじわと処理をするので、伝えたいことが頭の中でまとまらず、うまく伝えられないことや無言になることもあるでしょう。
ママは次に何を言おうとしているのがわかっても、穏やかにお子さんが話しやすい雰囲気をキープしつつ待っててあげてくださいね。
普段からお子さんの言葉を途中で遮らず耳を傾けて聞くことが大事です。
ママが笑顔で「うんうんそうだよね、お母さんもそう思うよ~」と聞いてあげてください。
手が離せなくて側に行けないときは、手をあげて大きくまるっとOKサインを出したり、うんと頷くジェスチャーでもOKです。
ジャスチャーでも、お子さんはお母さんから認めてもらっていると感じて気持ちが安定します。
◆②子どもも大人も嬉しいご褒美
発達障害・グレーゾーンのお子さん達は、毎日の集団生活の中で多くの子ども達がすんなりできることを立ち止まって考えたり、苦手なことをギリギリのところで取り組んでいたり、毎日が冒険のように感じているお子さんもいます。
大人に置き換えるとよくわかるのですが、例えば会社で苦手なミッションがあったとします。一生懸命やり遂げた後のビール(ご褒美)は格別になるのでないでしょうか?
それに加えて、上司から「良くやった!」と褒めてもらえれば気分も上々。「よし!もっとがんばるぞ!」という意欲が湧いてきますよね。
子どもも同じです。苦手なミッションである登園ができたら、お子さんの大好きなご褒美をお母さんの褒め付でプレゼントしてくださいね。
ご褒美は高価なものでなくても構いません。好きなお菓子やアイス、好きな公園に行くこともご褒美になります。
注意点は、「明日もがんばろうね!」とか「今日登園できたから明日もできるよね!」などのプレッシャーになるような声かけは絶対NGです。
お子さんの脳は登園しなさいと言われたと受け取り、結局お説教になってしまいます。会話は褒めっぱなしで終えるのがポイントです。
◆③就寝前の心の距離がグッと近づく、癒しのスキンシップ
ママからスキンシップをたくさん受けると、子どもは信頼と愛情が肌から脳にダイレクトに伝わり、心が安定します。
発達障害グレーゾーンにはスキンシップが苦手な子もいるので注意が必要ですが、イヤがらないようなら、朝ぐずりやすいお子さんは、前日の夜、たくさんのスキンシップをしてあげましょう!
・抱っこ
・ぎゅーっとハグ
・手をつなぐ
・一緒にお風呂に入る
・手遊びをする
・膝に乗せて絵本の読み聞かせ
のような穏やかなスキンシップでOK!
体重が軽い幼児であれば、一緒にできる相撲や「こちょこちょ」などくすぐったりなどして遊びの中にスキンシップを取り込んでもいいですね!
私たちの脳は、就寝中に日中の記憶や感情を整理しています。
登園しぶり予防のためにも夜寝る前の親子のスキンシップを特に大事にして、お子さんが安心感で寝付けるように心掛けることをオススメします。
スキンシップならしてるよ〜という方も、お子さんが甘えたり本音を言いやすくなるように子どもの気持ちに寄り添う意識で行うとより効果的です。
お子さんが、お母さんはぼく(わたし)のことをわかってくれるんだと感じ、登園をしぶっている理由も話してくれることも十分あり得ます。
話してくれたら「よく話してくれたね」と伝えるとお子さんがすぐに相談してくれる親子関係を育めます。
スキンシップは隣にお子さんがいらしたら今日から即実践できます。
◆④子どもでも分かるように時間の予告する
まだ時計が読めない子や、時間の感覚が希薄な子に対して、「●分後」「●時までに」と言っても指示が伝わりにくい場合があります。
その際は、指示が伝わりやすくなるように、回数で予告したり時間で予告する際も少し工夫して子どもに伝えてみましょう!
例えば、
【回数で予告する場合】
・あと3回やったら着替えようか
→あと2回だね。あと1回だよ。
→3回だね。じゃあ、着替えよう♪
【時間で予告する場合】
・長い針がお花のところにきたら片付けるよ!
→時間だね。片付けよう!
砂時計を使って視覚的に時間を示したり、タイマーを使って、「タイマー鳴ったら出発するよ」と言ったように聴覚的にアピールしてもいいでしょう。
子どもによって、次の行動にうつるまでの必要な時間は異なってくるので、今日は5分後、明日は10分後にしてみるなど実験気分で試してみましょう。
そして予告をした結果、着替えたり、片付けすることができたら、「着替えたんだね」「お片づけしたんだね」と、子どもを肯定してあげてくださいね。
会話、ご褒美、スキンシップなどを通してお子さんの気持ちが安定すると、新しいことや苦手なことをやってみよう!というやる気と勇気が湧いてきます。
幼稚園・保育園に行こうという気持ちが芽生えてきたら大成功です。今のお子さんの心の状態に寄り添って普段の生活に取り入れてみてくださいね。
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執筆者:なつき みき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)