わが子には自信を持って生きてほしい!けれど、発達に特性があると自然と自己肯定感が上がることが難しいと言われ、実際に自分の経験からもそう実感しています。自信アップの声掛けだけでなく、親の話の聴き方で自己肯定感を育む対応を意識してみませんか?
【目次】
1.声掛けだけじゃない!親の話の聴き方も自己肯定感につながる
子どもの自己肯定感は、親の接し方によって上がったり下がってしまうこともある、と聞くと、親としてはドキっとしますよね。
ですが、それは事実。
日々多くの時間を共有している親の存在や言動は、子どもにとって大きな影響を及ぼします。
特に発達障害の特性が見られる幼児〜小学校低学年の子どもは、親子のコミュニケーションの質により、子どもの自信の有無も左右されます。
子どもに自信を持ってほしいとき、「大丈夫!あなたならできる!」と励ましや応援の声掛けが一番先に思い浮かぶと思います。
声掛けで子どもを肯定することはとても大事ですよね。
ですが、もう一つ大事なことがあります。
それは、子どもの話を聴くこと。
コミュニケーションとは、相手に伝えるだけでなく、相手の思いを受け取ることで成立します。
子どもに自信をつけさせたくて、親が一方的に声を掛けてばかりだとしたら。子どもの声に耳を傾けていなかったら。聞いていても本当の意味で聴いていなかったら…。
良いコミュニケーションとは言えず、子どもの自己肯定感は育ちにくいのかもしれません。
なぜ私がそう感じたのか、次項でお話していきますね。
2.自己肯定感が低い、元・発達でこぼこっ子の私
私は自分の自己肯定感がかなり低い、と認識しています。そして、元・発達でこぼこっ子です。
初めてのことが極端に苦手で、先の見通しがつかないことに極度の不安を抱える子どもでした。
マイルールがあったり、感覚過敏も強かったり。
ですから、当然、自分の感覚や考えと周りの大人のそれと違うわけです。
「怖いからいやだ」と言っても、周りは「怖くないよ、大丈夫」
「へんな味だから食べられない」というと、「何でへんって言うの?作った人に失礼でしょ。食べなさい」と。
「お友達がきらい」と少し愚痴を言うと、「何かされたの?何かしたの?、説明してごらん」など。
ただ、気持ちを聞いてほしいときでも、解決策に向けてじゃぁこうしなさいああしなさい、これがだめだからできないんだよ、のオンパレードで、私の気持ちは置いてけぼり。
幼い頃の私は、自分の気持ちをきいてもらう、自分の感覚をきいてもらう経験が圧倒的に少なかったのです。
自分の感覚が受け入れられない、私がおかしい、やっぱり私ってダメな子なんだね…
無意識にそう思って過ごしてきたことが、今の自己肯定感の低さにつながっているのかもしれないと気がつきました。
親や先生にはたくさん褒めてもらったし、頑張ってできるようになったこともたくさんあるのに、悲しいことにどうしても「私ってダメだな」感が未だに拭えないのです。
3.子どもの自己肯定感を上げる、親の話の聴き方のコツ
では、どうしたら子どもに自信をもってもらうような関わりを、肯定の声掛け以外でできるのでしょうか?それは話の聴き方にヒントがあります。
もしお子さんがネガティブな発言や「え!?」と思うようなことを言ったとき、
①まずはその言葉を一旦、受け止めます。
②そして、少し間を置いてからこう返してみてください。
「…そっか、そう思うんだね」
「…なるほど、そう感じたんだね」
どうしても目の前の問題を解決したあげたく、ジャッジやアドバイスをしがちかもしれません。私も油断すると、わが子にそう対応してしまいます。
ですが、一番大好きな人が「分かってくれた」という安心感が子どもの自己肯定感を育てます。
発達障害の子どもの感覚や考えは独特なことがあり、心から共感できないこともあると思いますが、まずはお子さんの気持ちや感覚を否定しない態度をとってみてください。
もしお子さんがアドバイスや解決策が欲しいようであれば、「こうしたらもっと良くなるよ」と一緒に考えたり教えてあげてもいいと思います。
小さい頃の私は「そっか、怖かったんだね、そう感じたんだね」って言ってほしかったのかも…そうしたら自分のことを大事にする気持ちがもっと育っていたのかも、とタラレバですが思うことはあります。
ぜひ、お子さんの話を聴いて、お子さんの気持ちをまるごと認めてあげる態度をとってみてくださいね。
そうしたらきっと、「自分を愛する」しっかりとした生きる土台、自己肯定感を育んであげられますよ!
子どもに自信を持って生きて欲しいなら、親の接し方から学んでみませんか?
執筆者:ひきのなつき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)