発達障害の子は勉強は苦手なの?幼児期に家庭学習を始めるメリット

 

子どもの将来を考えると、できれば勉強はしてほしい。そんな風に考えてしまいますよね。発達障害があっても子どもは学ぶことが大好き。学習意欲があって自発的に勉強する子に育てるためには、幼児期からの『家庭学習習慣』を身に付けるのがおすすめです。
 

【目次】

 

1.小学校に入る前に勉強をさせておきたい

 
 
「うちの子は落ち着きがないので1分も椅子に座ってられません。」
 
 
実はうちの子がまさにそうでした。
 
 
年中になった頃、お家で勉強させようと思って机と椅子を購入。
 
 
勉強をやっておけば将来の可能性が広がるし!
 
小学校に入った時に先取りしていた分「わかる」が自信につながるし!
 
落ち着きがないから集中して座っていられる練習にもなるかな!
 
 
そんな思いで毎日「勉強しよう」と声をかけて半ば強引にドリルをやらせていました。
 
 
そんなやりたくもない勉強なので、ドリルをやり始めても1分と集中力は持たず。
 
 
始めは優しく声をかけていたけど一向に良くならないので、イライラして「ちゃんと座りなさい」「集中してやりなさい」と怒ってしまう日々。
 
 
その結果「ドリルやりたくない」と泣いていやがるように。
 
 
勉強を楽しく習慣化とは程遠い結果になってしまいました。
 
 
なんで怒っちゃうんだろう。
楽しく勉強してほしいだけなのに…
でもすぐ立ち歩いてどっか行くし
だってちゃんとやらないから…
 
 
 
 
子どもに対する罪悪感とどうすればいいかわからない悩みと、自分を正当化する言い訳とで、頭がぐちゃぐちゃでした。
 
 
小学校入ってやらなきゃいけなくなれば自分からやるかな…
 
もう勉強させるのは諦めた方がいいかな…
 
 
そう思っていた時に少しコミュニケーションを変えてみました。
 
 
そうしたら1ヶ月後には、年中さんで30分以上も机の前に座っていられるようになりました。
 
 
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2.発達障害がある子は勉強は苦手なの?

 
 
発達障害があるなしと、勉強ができるできないは全く別物です。
 
 
発達障害があっても知的好奇心が旺盛で学習意欲が高い子はいっぱいいます。
 
 
発達の凸凹や特性から怒られることが多い。学習以外のちゃんとしなきゃいけないこと』にエネルギーを消費してつかれちゃう。
 
 
そういうことで学習意欲がだんだんなくなってしまうのが原因です。
 
 
 
 
幼児期の子どもは実はもともと学習意欲があります。
 
 
なんでなんで攻撃もうやめて! つかれちゃう…って思うほど、子どもっていろんなこと知りたがりますよね。それって知りたい学びたいっていう気持ちです。
 
 
もともと子どもたちに備わっている力なんです。
 
 
学習って言うと勉強することをイメージしがちですが、
 
 
・ハサミで切りたい
・もっと早く走りたい
・ポケモンの名前を覚えたい
 
 
新しいことを学んで習得することは全て学習です。
 
 
好奇心をとやる気を育て挑戦する力をつける。それが『勉強』を楽しくできる力になります。
 
 
小学校に入ると宿題が出たり、予習復習をしたり家庭で学習する機会が何かと増えます。
 
 
子どもが宿題などをやっていないとお母さんは、 「宿題やったの?」 「勉強しなさい」と言いますよね。
 
 
そうしたら子どもは 「今からやろうと思ってた」 「勉強になんの意味があるの?」なんて言ってきます。
 
 
お母さん自身も子どもの頃、親に言ったことがあるんじゃないでしょうか?
 
 
この「勉強しなさい」、実は子どもの学習意欲を低下させる呪いの言葉です。
 
 
「勉強しなさい」とお母さんがガミガミ言わなくても家庭学習をしてもらうには、習慣化が必要です。
 
 
ごはんを食べたら歯を磨かなきゃ気持ち悪いように、勉強しなきゃなんかモヤモヤすると思わせることが大切です。
 
 
家庭学習習慣をつけるためには、幼児の時期がベストタイミングです。
 
 
小学校に入ると勉強が『しなきゃならないこと』になります。
 
 
そうすると、お母さんも子どもも『やらなきゃいけないのにうまくできない』と余裕がなくなってしまいます。
 
 
そのため、小学校入学前後の幼児期にお家で学習する習慣をつけておくとグッと楽になりますよ。
 
 

3.幼児期から家庭学習を習慣化させるコミュニケーション

 
 
私が変えたコミュニケーションはたった2つだけ。
 
 
・怒らないでほめる
・やる気スイッチの導入
 
 
たったこれだけです。そして、ドリルにこだわることをやめました。
 
 
まず机の前に座る習慣をつけるためにお絵描きや工作などの子どもがやりたいことをやることにしました。
 
 

♦『怒る』はやめて『ほめる』に変える

 
 
『怒る』0『ほめる』100を目指します。
 
 
 
 
「工作やる」と言い出したら「工作いいね!やろう」とのってあげましょう。
 
 
お母さんが忙しいのはわかります。ほんのちょっとだけ家事の手を止めてお子さんのやる気に付き合ってあげてください。
 
 
まず、道具や材料を一緒に準備して机に持っていきましょう。
 
 
「机でやるとかっこいいね」
「机でやると集中できるよ」
「自分で持ってこれたね」
 
 
机でやるといいじゃんと思えるような、ポジティブな声かけをします。
 
 
始めは工作などの好きなことでも一緒にお話ししながらやるのがおすすめです。
 
 
「ハサミで切れたね」
「ここ、工夫して貼れたね」
「カラフルですてきだね」
 
 
このように全部ポジティブな声かけにしてくださいね。
 
 
間違っても
 
 
「もっと細かく切ったら?」
「これじゃ剥がれちゃうよ」
「ぐちゃぐちゃって書いてるだけじゃん」
 
 
なんて否定的な声かけはやめましょう。
 
 
だんだんお子さんが集中してきたなと感じたら、お母さんは声かけをやめます。家事にもどってもOK。
 
 
これを繰り返していくと机で何かをやると、お母さん優しいうれしいという思考回路ができます。
 
 
さらに集中力も高まっていきます。
 
 
やっぱりドリルもやらせたいと思う方はお子さんの機嫌がいいときにちょっとやってみない?と誘ってみましょう。
 
 

♦やる気スイッチの導入

 
 
人間は誰でも行動を起こす前が一番エネルギーを使います。
 
 
自転車に乗るときこぎ始めが一番ぐっと力をいれますよね。そのあとはすいすいこげるはずです。
 
 
そんな感じでやろうと思っても重い腰が上がらない、やり始めちゃえばできるのに…っていうことは大人でもありますよね。
 
 
 
 
そこで、『やる気スイッチ』を導入しましょう。
 
 
子どもが
 
 
・うれしいこと
・楽しいこと
・手軽にできること
 
 
この3つを基準に行動を起こす原動力になること考えてください。
 
 
我が家では『肝油ドロップを食べる』にしました。
 
 
夕方の時間に肝油ドロップを食べてから机で何かしようという約束をしました。
 
 
子どもは肝油ドロップを食べたいので「肝油ちょうだい」と言ってきます。そしたら肝油をあげて「肝油食べたらドリルしよっか」と誘います。
 
 
ここで注意が必要なのは、「ドリルじゃなくて折り紙したい」など子どもが別のことをやりたがった場合は、ドリルを無理強いしないでください。
 
 
 
 
ドリルはやりたい気分の時だけやればいいくらいの気持ちでやるのがおすすめです。
 
 
何回か繰り返していると子どもが「肝油食べたらドリルだね」と言ってくるようになりますよ。
 
 
もちろんみんなが肝油ドロップがやる気スイッチになるわけではないので、お子さんに合ったやる気スイッチを見つけてくださいね。
 
 
お子さんが勉強嫌いにならないで、楽しく家庭学習ができるようにお母さんができることはあります。
 
 
それは、コミュニケーションを変えてお子さんのやる気を引き出してあげること。
 
 
・怒らないでほめる
・やる気スイッチの導入
 
 
ぜひ、この2つのことをやってみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:いぐち ゆか
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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