発達凸凹の子どもは得意なこともあるのに、苦手に注目されがち。うまく学校に馴染めないと悩むことはありませんか?今回は発コミュトレーナーの久保れいこさんに習い事を活用して得意を伸ばす子育てについてお話を伺いました。
【目次】
1.発達に凸凹がある子どもこそ、習い事で得意を伸ばすことに力を注ごう
子どもに発達に凸凹があると苦手なことやうまくいかないことがあって、周りの子どもとの差を感じることありませんか?
そうすると、お母さんは子どもの苦手を克服させて成長させたい!もっとできることを増やしてあげたいと学校だけの学びではなく、習い事に目を向ける方も多いですよね。
ただ、習い事をさせれば問題が解決することばかりではありません。
やり方を間違えると子どもの自信を失わせるばかりか、メンタル不調を引き起こすなど子どもの成長に大きく影響してしまうこともあるんです。
今回は、ご自身がお子さんの習い事での関わり方を失敗した経験から、他のお母さんに同じ思いをさせたくない!と発コミュトレーナーとして活躍中の久保れいこさんにお話を伺いました。
こちらの記事は3回にわたるインタビュー記事の1回目の記事になります。
2.子どもの得意なことを伸ばす習い事で自信を育てたい!
ーーーさっそくですが、自己紹介をお願いします。
「学校だけが学ぶ場所じゃない、学校に馴染めない子をおうちと習い事で伸ばせるママになる発達科学コミュニケーショントレーナーの久保れいこです。
学校だけが学ぶ場所じゃない!私が子どもの世界を広げるんだ、不可能を可能にするのがママなんだ、そんな思いでお家と習い事でわが子の脳を伸ばす親子のコミュニケーションを教えています。
子どもの世界を広げてあげることで、自信をつけることができる学びが習い事です。
学校が好きな子、馴染めない子、集団に入っていけない子、どんな子も自由に選んで学べるのが習い事です。
私も、わが子が小学1年生になった頃から本格的に習い事をスタートさせました。
しかし、この時の私は習い事のサポート方法を間違ったせいで息子に自信を失わせてしまったんです。
発達科学コミュニケーションを学び、子どもへの接し方を変えていくと自信を失ってやめていた習い事を再開することができました。
そして、今では『コンクールに出たい』と大きな夢を掲げるまでになりました。
習い事で世界を広げて脳に届く声かけでサポートしてあげれば、学校に馴染めない子でも自信をつけてあげることができるんです!」
ーーー学校に馴染めなくて困っていた子どもが、苦手ではなく、得意に目を向けることで、自信を積み上げていけるのは嬉しいですね。 発達に凸凹があって、苦手も多い子どもを習いごとに通わせる場合には、どのような点に注意してすすめていくといいのでしょうか?
「まず、学校になかなか馴染めない子どもが習い事をする時には、習い事の場でどれだけ成功体験を積めるか、ということが1番重要です。
けれども、凸凹キッズのお母さんは、子どもの苦手なことを早めに解消させたいと、習い事を早くスタートさせて苦手を補おうとしてしまいがち。
学校が苦手で集団に入れないで困っている、だったら習い事に通わせて解消しよう!としてしまうんですね。
だけどこれでは習い事を始めると子どもはうまくできずに、苦手がさらに苦手になってどんどん失敗体験を重ねてしまうんです。
ですから、習い事は苦手を克服するための場ではなく、得意を見つける場所、そしてその得意を引き出して子どもの自信を育てていける場所と認識してもらえたらと思います。
まずは、子どもに合う習い事をみつけ、その中で子どもが生き生きと活躍できる時間をもつことに注力して欲しいですね。
また、学校と違って少人数や1対1で子どもに合わせて教えてもらえる環境は自由度が高いのがメリットなので、その点も活かしてもらえればと思います」
◆ポイント解説
習い事の1番の目的は子どものできないこと、苦手を解消することではなく、子どもの好きなこと、興味のあることを伸ばして自信を育ててあげることなんですね。
発達凸凹があって学校になじめなくても、子どもが成長できる場所を確保できているということはお母さんにとっても安心できますね。
続いては、具体的に習い事を子どもの成長に活かすためにはどうしたらいいのか、伺ってみました。
3.集団が苦手、学校に馴染めない、そんな子どもを習い事で成長させる方法
ーーー発達凸凹キッズにとって、子どもにあった習い事を選ぶのは難しいと感じます。
苦手を克服するためではなく得意を伸ばすための習い事を選ぶときの注意点を教えてください。
「習い事の先生たちは、まさに得意を職業にされているわけですから、難しいことも頑張って乗り越えてきた経験をお持ちです。
すると、子どもたちにも自分の経験から『あなたもできるわよね』という考えで、子どもの今の発達段階を超えて教えようとする先生が結構多いんです。
たしかに、努力が大事だとか言われることは間違ってはいないのですが、子どもの発達がまだまだ成長途中の4歳5歳くらいの子どもには、努力ばかりを推し進めるには早すぎます。
これでは、習い事で子どもの得意を伸ばす、というよりもうまくできないことを指摘される居心地の悪い場所になってしまうので、脳を伸ばすどころか子どもの自信を失わせることになりかねませんね。
ですから、まずは子どもにとって好きなこと、興味があったり得意が発揮できる、習い事が楽しめるかたちですすめてもらえたらいいと思います」
ーーー得意を伸ばしてあげたいと子どもの好きな分野で習い事を始めたはずなのに、しばらくすると子どもが嫌がって行きたがらないこともあります。
月謝も払って習っているのだから、できれば頑張って欲しい!というママも多いと思うんですが、どのような対応をするべきでしょうか?
「そうですよね。行って欲しい気持ちは分かります!ですが、これは、無理には行かせないのが正解なんです。
実は、わたしも以前は無理に行かせていた時期がありました。
すると、我慢して通ううちに余計に行きたくなくなり、大きな疲れやストレスをかけて二次障害までに発展させてしまった経験があります。
一番大事なのは健康的な生活があってこそですから、習い事での大きな成長が見られていたとしても、子どもの気持ちを壊してまで習い事をさせないと決めておくといいですね。
休んだら、習ったことが元に戻るまで3日かかる!なんてスパルタなことを言う先生もいらっしゃいますが、無理に連れて行って子どもがつぶれてしまうくらいなら、しっかりと休ませる!
元気にリフレッシュしてから子どもが行くと言った時に再開されるといいと思います」
◆ポイント解説
発達凸凹があっても、子どもは好きなことや興味のあることにはやろうと頑張っています。
ただ、その子どもにとっての発達のタイミングでない段階で無理にすすめようとすると、うまくいかないこともあります。
子どもに無理をさせすぎない、ちょっと頑張れば乗り越えられる子どもにあったちょうどいい課題を提示できる習い事だと、力を発揮しやすいのかもしれませんね。
ーーー習い事を効果的に子どもの成長に結びつけるために、気をつけておくことがあれば教えてください。
「子どもが成長するためには、嫌な時間を我慢しながら努力させるよりも、楽しい時間を過ごしながら進めていくことが大切です。
お母さんが子どもにとって今の段階でこの練習は無理だと思うのであれば、言われた通りになんとかさせるのではなく、本人の集中が続いて楽しく練習できる範囲ですすめてもらえたらと思います。
できたことに対して、ほらできたね!という風に自信をつけていくと技術も自然と伸びていきます。
つまり、好きで楽しんでやるのが1番なんですね」
◆ポイント解説
子どもの発達の様子を見極めて何ができて何が苦手なのか、習い事の先生と情報共有ができているといいですね。
そして、苦手でできないことは無理をさせすぎない、できることにはできたね!と一緒に喜ぶことで、子どもの意欲もあがってきます。
好きこそものの上手なれとも言いますから、楽しいから継続して練習できて、自信をつけながら習い事ができると、子どもの成長もぐんと伸びていきますね。
貴重なお話をありがとうございました!
次回は、久保さんがお子さんとの習い事バトルで悩んでいた時に発コミュに出会い、お子さんとの関わり方を変化させたお話を伺っています。
子どもが自信をつけることで発達を伸ばすことができます!
執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)