発達障害ADHDの好奇心が牽引する!親子で遊びながら脳が発達する旅行のススメ

 

目的をもって旅をしていますか?息子の発達障害(ADHD・ASD)に気付いてから、私たち家族の旅行は、有効な発達支援の機会になりました。目的地の選定から、楽しい思い出として記憶に残すまでの過程をお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.旅は、発達障害の子どもの脳を楽しく伸ばすチャンス!

 
 
春休み、ゴールデンウィーク、みなさんご旅行はされましたか?
 
 
私たちは旅行が好きで、息子が幼稚園に入る前から、あちこち連れまわしています。
 
 
数年前までは、楽しくて美味しければそれで満足でしたが、息子の発達障害に気付いてからは、旅行を、有効な発達支援として認識するようになりました。
 
 
息子は、注意欠陥多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム(ASD)の診断を受けています。
 
 
 
 
小学2年生の夏休みは、思い切ってシュノーケルに挑戦することにしました。
 
 
理由はふたつ。
 
 
ひとつは、感覚過敏があり水に顔をつけられない息子に、泳げなくてもいいから、水の中で命を守る行動を取れるようになって欲しかったから。
 
 
ふたつめは、挑戦できた自信とともに、楽しい記憶を残してほしかったから。 息子には、ネガティブな記憶を強く残しやすいという特性もあります。
 
 
発達科学コミュニケーションに出逢う前の私は、就学前にスイミングスクールに入会させる、つまり強制という、間違ったアプローチをしてしまいました。
 
 
あまりに嫌がるので1年足らずで退会しましたが、息子への謝罪の気持ちも込めて、これを上書きするくらいの楽しい体験をプロデュースしなくてはと考えました。
 
 
息子も喜ぶ特別な体験にして、楽しく遊んでいるうち「いつの間にかできてた!」を目指しました。
 
 
どんな工夫をしたのか、細かくお伝えしていきますね。
 
 
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2.親子が夢中で遊ぶための、周到な準備

 
 

◆ 感動体験ができる行き先の選定

 
 
感情を伴う体験は、深く記憶に残ります。
 
 
第一印象がよろしくないと、海なんて大嫌い!にもなりかねません。リサーチには時間をかけました。
 
 
どうやら、高知の西の端にある柏島という海は、穏やかな湾で透明度・魚種の多さともに日本一を誇るらしい。水がきれいすぎて、船が浮いて見えるですって!?
 
 
シュノーケル未経験の私たち親子には、絶好のロケーションだと思われます。
 
 
想像しただけでワクワクするので、ここにしました。期待大です。
 
 
 

◆ 宿題の100倍脳が伸びる「はじめての挑戦」

 
 
本屋さんには、いわゆる「脳トレ本」が山積みです。
 
 
とても有効なトレーニングがたくさん紹介されていますが、もっと根幹から脳を伸ばす方法があります。
 
 
それが「はじめての挑戦」。大掛かりでなくたっていいんです。
 
 
初めて包丁を持って野菜を切ってみる。初めてひとりで電車に乗ってみる。
 
 
初めてのおつかいは名物番組になっていますが、たった1時間ほどの大冒険で、子どもたちがものすごい成長を遂げているということは、番組を見ればすぐに分かりますよね。
 
 
これからしようとしている挑戦についての情報をそろえてあげて、子ども自身でもイメージをふくらませてもらう。その上で、初めての体験をする。
 
 
身体を使いながら五感を刺激する活動であればなお良いでしょう。
 
 
太古の昔から言われてきた「子どもは自然の中で遊ばせるのが良い」というのは、間違いなさそうです。
 
 
机に向かって問題を解いている時に使う脳のエリアはごくわずか。比べ物になりません。
 
 
 
 
シュノーケルという大きな初挑戦を控えた私たちは、少しずつ且つ周到に準備を進めました。
 
 
玄関前のビニールプールで友人と遊ぶ際は、長袖のラッシュガードと足首までのレギンス、サファリハットを着用して、着用感に慣れてもらいました。
 
 
出発2週間前に、水深2.5mのプールでのシュノーケル講習会(2時間)に、母子で参加しました。
 
 
ADHDの特性を持つ息子の、旺盛な好奇心を刺激する作戦。実際に使うマスクやフィンを触って、とにかく興味をもってもらおうと考えたのです。
 
 
興味もちすぎの自由行動全開でハラハラしましたが、作戦は大成功でした。
 
 
海ってどのくらいしょっぱいのか、海水と同じ濃度の塩水を事前に味見してみる!
 
 
…つもりだったのに、これは実施するのを忘れてしまいました。我ながらいいアイディアだと思ったのに。
 
 
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3.美しい海の力を借りてミッション達成!

 
 
親もシロウトなので、当日も、先生をお願いしました。
 
 
限られた時間内に「楽しい」と心が動くところまで到達するには、得意な人に教えてもらうのがイチバンです。
 
 
柏島の海は、期待以上の美しさで、息子の脳を伸ばす目的なんてうっかり忘れ去るほど、両親も全力で楽しむことができました
 
 
途中、息子は背浮きを教えてもらい、ご機嫌でぷかぷか。ミッション達成!
 
 
息子の背浮き姿は、青い空と海に映えて神々しかったです。
 
 
あんなに水が嫌いだったのに。スクールではやってみようとすらしなかったのに。
 
 
図らずも、私にとって、この先も長く記憶される感動の瞬間となったのは間違いありません
 
 
 
 
まだまだ遊び足りない息子は、夢中で、疲労に気付けません。
 
 
ですがこれ以上遊ぶと、海水を飲んだり、岩場で怪我をしたりと、せっかくの楽しい思い出が台無しになってしまいます。
 
 
気持ちに寄り添いながらも3時間で切り上げたのは、良い判断でした。
 
 
 
 

4.旅の仕上げはビルディングメモリ

 
 
帰宅してからも、あー楽しかった!で終わらせないのが、発コミュ流。
 
 
夏休みの宿題がてら、72時間以内に絵日記を書きました。
 
 
この時間内なら、脳は感動を新鮮なまま保つことができます。
 
 
そしてアウトプットすることで、記憶は強化されます。
 
 
宿題の用紙は70文字でしたが、これでは収まらず、160文字の大作になりました。
 
 
この時は宿題に絡めたアウトプットの仕方でしたが、もちろんおしゃべりだって構いません。
 
 
親子で一緒に、旅のアルバムを作るのも良いかもしれませんね。
 
 
 
 
旅行後の息子は、見違えるほど素直になりました。
 
 
強かったこだわりも薄らぎ、ひとの提案を受け入れる余裕を見せるようになりました。
 
 
呼んでも10秒返事がなかったのが、3秒で返してくれるようになりました。
 
 
目的をもって旅行に行くと、息子が大きく成長するという手応えがあります。
 
 
ワクワクしながら旅の企画をする。
周到に準備する。
子どもに負けないくらい、親も夢中で遊ぶ。
「楽しかったね」って家族で振り返る時間を持つ。
 
 
これが、我が家の旅の必勝パターンです。
 
 
今年、息子は小学3年生。そろそろ企画会議にも本腰を入れて参加してもらおうと思っています。
 
 
楽しく遊びながら脳を伸ばすチャレンジ、夏休みの計画の一助となれば嬉しいです。
 
 
楽しいチャレンジのヒント満載です。

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執筆者:髙田 礼
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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