子育てに仕事に家事に、毎日忙しいママは、自分の好きなことをする時間を持てていますか?ママが好きなことを、発達障害・グレーゾーンのお子さまと一緒に楽しんで、同時に子どもの脳を育てることができる対応方法をご紹介します。
【目次】
1.ママになって好きな事できていますか?
2.発達障害・グレーゾーンの子どもと映画や観劇行くって難しい…
3.子どもが楽しめない原因は?
4.観劇や映画を楽しむための4つのポイント
◆スタートは子どもの好きな内容から
◆観たいものは子どもと相談
◆こまめな声かけでモチベーションや興味を継続
◆どうしても無理と感じたときの対応方法
1.ママになって好きな事できていますか?
子どもが生まれる前、ママが好きだったことはありますか?
そして、子育て中の今、好きだったことはできていますか?
子どもがいて時間がない
子どもと一緒だと楽しめない
と「ママが好きなことをするなんて無理だよ」と感じていらっしゃる方も多いと思います。
発達障害・グレーゾーンのお子さまをお持ちのママは、子どもとの生活に精一杯で自分の時間すら持てない状況の方もいらっしゃいますよね。
2.発達障害・グレーゾーンの子どもと映画や観劇行くって難しい…
私は、子どもが生まれる前、映画、観劇、コンサートなど、月に2回くらいは行っていました。
妊娠中に、子どもが大きくなったら一緒に楽しめたらいいな…とワクワクしたのを覚えていますが、その夢は、息子が1歳になる前に無理だなと思い知らされる出来事が起こりました。
我が家の長男は、注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンと繊細タイプです。
0歳のときに、「0歳から楽しめる赤ちゃんコンサート」に行きました。
始まる直前まで、「楽しんでくれるかな」「笑ってくれるかな」と期待していましたが、会場が暗くなると大号泣し、開始1分もしないうちに外に出たことがありました。
他のお子さんは楽しそうにしているのに…
なんであんなに号泣するんだろう?
チケット代がもったいない…
せっかく来たのに…
と理由が分からず、まだ0歳の息子にイライラしてしまいました。
また、幼稚園の年中のとき、幼稚園で「おさるのジョージ」のアニメを観た日から、幼稚園だけでなく、家のトイレも1人で行けなくなってしまいました。
「ハロウィンのシーンが怖かった」と理由は分かりましたが、「おさるのジョージ」って怖いというより面白いアニメ。何が怖いんだろう?と息子の気持ちを理解することができませんでした。
3.子どもが楽しめない原因は?
発達障害・グレーゾーンのお子さまが映画や観劇を楽しめない原因は様々です。
感覚が敏感な子の場合、
音が大きく聞こえる
暗くなるのが怖い
など、感じ方が独特で、なかなか理解されなくて困っていることがあります。
また、先の見通しが立たないと
怖いシーンがあるかもしれない
トイレに行きたくなったらどうしよう
と、不安や心配で一歩踏み出せないと感じる子もいます。
そして、ADHDタイプのお子さまは、興味がなくなってしまうと立ち歩いてしまったり、衝動的に思ったことを大きな声で話してしまったり、落ち着いて観ていられないこともあります。
では、どうしたら、発達障害・グレーゾーンのお子さまでも観劇や映画を楽しむことができるのでしょうか?
4.観劇や映画を楽しむための4つのポイント
発達障害・グレーゾーンのお子さんが映画や観劇を楽しめない原因はさまざま。
だからこそ、「どうしたらできるようになるのか?」という視点で子どもを観察したり、子どもと一緒に考えたりすることで、楽しめるようになるんです。
◆スタートは子どもの好きな内容で
子どもの好きなアニメ、好きなモノから始めることをオススメします。
我が家の子どもたちは、恐竜が大好きなので、博物館で上映されている恐竜のショート上映を第一ステップにしました。
館内に入ると、緊張や不安な様子もありましたが、恐竜が見られるワクワクした気持ちが勝っていました。
◆観たいものは子どもと相談
大まかな内容を伝えて観たいものを子どもと相談することもポイントです。
怖いと感じそうな登場人物がいるか?
怖そうなシーンがあるか?
YouTubeなどで映像がある場合は、一緒に見て大丈夫か確認します。先の見通しができることで、怖いという感覚を和らげることができます。
また、興味のあるものを自分で決めることで、飽きてしまう、つまらないと感じてしまうことを防ぐことができます。
◆こまめな声かけでモチベーションや興味を継続
上映後だけでなく、上映中も、1人で座って見られたことを
1人で座ってるね
真剣な顔で見てるね
この場面、面白いね
など、こまめに言葉にして伝えることで、「大丈夫」「できる」の自信につながり、その自信が、次、また次につながっていきます。
◆どうしても無理と感じたときはどうする?
もし、お子さんが映画の上映中や観劇中に「怖い」「もう観たくない」「つまらないから席を立ちたい」と思ったとき、どうしたらいいのかを相談して事前に決めておきます。
怖いシーンがあったら目を閉じて、上着を被って耳を塞ぐ
外に出たいときはママの服をひっぱって合図する
と決めておきましょう!
子どもは先の見通しができるので安心しますし、ママも心の準備ができているので対応しやすくなります。
我が家の子どもたちは、今では、映画や観劇を1人で座って見られるようになり、「今度は、●●を見に行きたい」と言ってくれるようになりました。
何より、ママは好きなことができて心が満たされます。
また、親子の会話も広がり、楽しい時間を共有することができるようになるだけでなく、内容を思い出して話したり、絵に描いたりすることで、脳の発達が促されていると感じます。
ぜひママの好きなことに子どもを巻き込んで、子どもたちに新しい楽しさを知る機会を創っていきましょう!
執筆者:中井優
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)