発達障害の子どもの困りごとは「好き」と「興味」で伸びる!ママの3つの対応

 

発達障害のある子どもの困りごとが、好きなこと・興味のあることで伸びるとしたら最高だと思いませんか?「好き」から苦手を伸ばす対応のコツを、ADHD傾向があり、忘れ物の多い息子が整理整頓をやりはじめた私の体験からお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.発達障害の子どもが苦手なことを「人並みにはできてほしい」と思っていませんか?

 
 
困りごとの目立つ発達障害の子どもに対して
 
 
苦手なこともそれなりにできないと将来困る
 
 
と悩んだり、
 
 
「好きなことばっかりじゃ自立できないから」
 
 
克服しようと頑張っておられるママはいませんか?
 
 
まさに私が、そんな母親でした!
 
 
当時小学2年生の息子は、注意欠陥多動性症候群(ADHD)の傾向があり、
 
 
・しょっちゅう忘れ物をする
 
整理整頓が苦手探し物に時間がかかる
 
・プリントがランドセルの中でしわくちゃ…でも本人は平気
 
・出したおもちゃが散らかりっぱなしで、声をかけないと片づけられない
 
 
こんな状態でしたので、「こんなことでは大人になって仕事ができるんだろうか」と心配とため息ばかりの毎日でした。
 
 
 
 
 
そして、何とか苦手を克服しようと、あの手この手を使いながら試行錯誤をしてきました。
 
 
が、劇的な変化は見られませんでした
 
 
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2.ADHDの息子に言い聞かせても片付けできず、忘れ物がなくならない理由

 
 
なぜ息子の困りごとは、言っても言っても効果がないのでしょう?
 
 
それは、不注意の特性があって、脳の働きが未熟だからです。
 
 

◆①見る力が弱く、探し物が苦手

 
 
見る力が弱い息子は、パッと見てものの特徴を掴むことは得意でも、じーっと見続けること(注意の集中)や、たくさんのものの中から必要なものを探すということ(注意の選択)が苦手です。
 
 
そのため、目の前にあるものを探し出せないことがあります。
 
 
 
 

◆②ワーキングメモリーが弱く、片づける場所が頭に入っていない

 
 
脳には、ワーキングメモリ―という記憶のメモ帳のような機能があります。
 
 
私たちは見聞きした出来事を一時的にワーキングメモリーに記録し、目的に合わせて使いながら考えたり行動したりしています。
 
 
ワーキングメモリーの働きが弱いとメモ帳が小さくて記録できる量が少ないため、忘れ物をしたり、話を聞き取れなかったり、見聞きしたことを分類して整理することが苦手になりやすいのです。
 
 
息子の場合、興味のない情報はインプットされにくいため、声をかけないとどこにどう片づけてよいのかを思い出せないことがよくありました。
 
 
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3.子どもの「好き」をサポートする対応法

 
 
このような息子ですが、自分の興味のあることに対しては集中して取り組めるという長所があります。
 
 
そして実は、この好き・興味を育てることが、苦手を乗り越えるカギだったのです。
 
 
具体的には、ミニ四駆に興味を示した息子を私がどんどんサポートするうちに、自分で整理整頓をやりはじめました
 
 
対応のコツは3つです。
 
 

◆①興味関心を逃さず応援する

 
 
ゲームにはまっていた息子が「一年生の時やっていたミニ四駆、またやってみようかな」とつぶやいたことがありました。
 
 
「好き・興味」を応援するチャンス到来です。
 
 
時を逃さず、コースのあるお店に連れて行ったり、ミニ四駆の大会に誘ったり、子どもが話してくれることをじっくり聞いてあげたりしました。
 
 

◆②好きなことで自信をつける

 
 
不安の強い息子でしたが、発達科学コミュニケーションのテクニックを使ってミニ四駆大会に参加できたことで「やればできる」という自信がつきました。
 
 
また、大会で同じ趣味の人たちに出会い、「次は完走したい」という目標ややる気がわいてきました。
 
 
 
 

◆③「やってみたい!」を次の成功体験につなげる

 
 
そして、周りの人たちがミニ四駆のパーツを整理整頓していることに気がついて、「ぼくもやってみたい!」と言い出しました。
 
 
そこで、どんなふうに整理をしているのかを一緒に見せてもらい、収納ケースの買い出しに付き合ってあげました
 
 
すると、集中して自分一人でパーツの整理整頓をやり遂げることができました。
 
 
その後も、ミニ四駆の整理整頓は自分でやりますし、落ちているごみに気がついて拾ってくれるようになったり、普段の生活の中でも良い変化がでてきました。
 
 
今では「ぼくはパーツの整理が得意だから」と、自分に対して自信を持っています。
 
 

4.自信があれば、子どもは自分で自分を成長させられる

 
 
この対応が成功した理由は2つです。
 
 
一つ目は、子どもの好き・興味を伸ばそうとする時には、母親である私が子どものできていることに注目しやすく応援したりほめたり肯定的に関わりやすいからです。
 
 
肯定的な注目の量が増えることで、子どもはますます自信がわき行動が加速し、良い行動が定着しやすくなります。
 
 
 
 
二つ目は、できた!という成功体験を積むことで自信が生まれ、子ども自身が自然と苦手なことにもチャレンジできるようになったからです。
 
 
その結果、狙いを定めて克服しようとする時よりもずっと楽に、苦手を伸ばすことができました
 
 
片付けが苦手で将来が心配なADHDの子どもには、好き・興味を活用してまずは定的注目を増やしてあげてください。
 
 
自信がついて苦手なことにチャレンジする機会が訪れたら、サポートをしてあげましょう
 
 
子どもは自分で自分を成長させられると信じて、楽しく「好き」と苦手を伸ばす対応を試してみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:山中寧子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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