子どもが勝ち負けにこだわるのはなぜ?その理由とおうちでできる3つの対応策

 

なぜそこまで勝ち負けにこだわるの?驚くほど勝ち負けにこだわる発達障害やグレーゾンの子ども達。でもそこにはきちんとした理由があり、決して自分勝手だからではありません。その理由とおうちで出来る3つの対応法についてお伝えしていきます。
 

【目次】

 

1.頑張りパワーがトラブルの元に!
2.発達障害やグレーゾーンの子どもが勝ち負けにこだわる理由
3.勝ち負けにこだわる子どもへの対応はたったの3つ
①負けて悔しい!という気持ちに寄り添う
②がんばった事実を褒める
③負けたときの姿を見せる。家では子どもには勝たせ続ける。
4.子どもに伝えていきたい大事なこと

 

1.頑張りパワーがトラブルの元に!

 
 
うちには、発達障害のあるマイウェイな5歳の息子がいます。
 
 
4月に年長になってから、「お兄ちゃんになったから!」「年長さんだから!」と、それはもう張り切っていました。
 
 
朝も早起きして、顔まで洗って登園していました。(それまでは全く洗ってくれませんでした…)
 
 
先生の声掛けまでに集合し、三角座りで待機。毎朝の雑巾がけも率先してやっていました。
 
 
そんな息子の年長パワーが、あらぬ方向に働き始めたのです。
 
 
何でも早く出来るのがカッコいいお兄ちゃん!というのがしっかり刷り込まれてしまった様子。
 
 
お友達に負けたくない!という思いが強すぎて、一番仲の良いお友達に絶対に負けたくないのです。
 
 
ゲームやじゃんけん、かけっこに勝ちたい!工作、食事の準備、食べ終わる時間、降園時間にまで、とにかく何にでも勝とうとするようになりました。
 
 
 
 
また、手を抜いたり、先回りをしたり、と何でもズルをして、早く終わらせ、勝とうとします。親としては、一番やって欲しくないことですよね。
 
 
家族とやるゲームであれば、勝ち負けにこだわる子にはひたすら勝たせ続けてあげてOKです。(その理由は後程お伝えしますね。)
 
 
しかしながら、保育園や幼稚園では、当然ですがみんなが勝ちたいので、誰もわざと負けてくれません。発達障害があり、何するにも不器用な息子は大概負けることになります。
 
 
負けると怒って、園でのトラブルが頻発するようになりました。
 
 
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2.発達障害やグレーゾーンの子どもが勝ち負けにこだわる理由

 
 
なぜ、発達障害やグレーゾーンの子どもは勝ち負けにこだわるのでしょうか。
 
 
その理由には脳の働きが大きく関係しています。
 
 
まず、勝つ=快、負ける=不快、という基本的な反応が起こります。
 
 
発達障害やグレーゾーンの子ども達は、脳の発達が未熟な部分も多く、この「快」と「不快」に特に反応しやすいのです。
 
 
 
 
もう一つの理由としてあげられるのは、「予測することが苦手」ということです。発達障害・グレーゾーンの子ども達には予測が苦手なケースが多く見られます。
 
 
予測することが苦手で、負けるかもしれない!と思うと、私たち大人が思う以上に本人たちは不安になっているのです。
 
 
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3.勝ち負けにこだわる子どもへの対応はたったの3つ

 
 
それでは、勝ち負けにこだわる発達障害・グレーゾーンの子ども達に、ママはどう対応していけば良いでしょうか。
 
 

◆ポイント①負けて悔しい!という気持ちに寄り添う

 
 
「負けて悔しかったね。勝ちたかったよね」と本人の気持ちを口に出して代弁してあげてください。ママが気持ちを分かってくれた!と思えるだけでも子どもは安心します。
 
 

◆ポイント②がんばった事実を褒める

 
 
かけっこでも、ゲームでも、頑張っていたポイントを褒めてあげてください。
 
例え一番遅かったとしても、一生懸命走る姿があったはず。 例えゲームで負けたとしても、勝とうとして一生懸命考えていた姿があったはず。
 
 
おだてる必要はありません。その頑張っていた事実をしっかりと褒めてあげてくださいね。
 
 
大人でも、褒められたら次はもっと頑張ろう!と思えますよね。
 
 

◆ポイント③負けたときの姿を見せる。家では子どもには勝たせ続ける。

 
 
これは家庭でゲームをしている時などにやって欲しいのですが、負けたときの姿を見本として見せるのです。
 
 
 
 
先程もお伝えしましたが、基本は子どもを勝たせ続けてください。
 
 
なぜなら、負けることへの不安や不快を感じさせるより、子どもの脳を喜ばせることが大切だからです。
 
 
まずは、勝つことが楽しい!ゲームは楽しい!パパやママと遊ぶのが楽しい!で良いのです。
 
 
脳が未熟なまま不快や不安を強く感じさせることを繰り返すのは、おすすめしません。
 
 
自分が勝って、ママが負ける。自分が勝って、ママが悔しい!で、OKです。ママは、ちょっと大袈裟かな?と思うくらい悔しがってください(笑)
 
 
そして、「あ~悔しかったなぁ。でも、面白かったから次もがんばろうっと!」と負けても楽しい、次があるのだと、独り言で良いので言ってみてください。
 
 
子どもの耳にはしっかり届いています。
 
 
その繰り返しで、負けたときのママの様子や言葉が、具体的なイメージとなり、そのイメージを持てているからこそ、子ども自身が負けたときへの不安が緩和されてくるのです。
 
 
勝つまでのプロセスを楽しみ、負けても楽しかったと思えるようになるにはまだまだ時間がかかります。
 
 
しかしながら、勝ったとき、負けたときの具体的なイメージは、これからの人生においてもとても大切だと考えています。
 
 
負けて癇癪を起しているときではなく、本人が落ち着いているときに、しっかりと負けたときの姿を見せて、言葉のやり取りも続けて行ってください。これが予防教育となります。
 
 

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4.子どもに伝えていきたい大事なこと

 
 
今の息子の園での様子は…
 
 
相変わらず勝ち負けにこだわっています!でも、毎回とはいきませんが、負けたときの反応が大きく変わりました。
 
 
保育園へお迎えに行ったときの出来事です。お帰りの用意の早さを何人かで競っている様子。
 
 
少し遅くなった男の子に向かって、「●●君遅い~、僕一番!優勝~」と、一番早く用意ができていた子が言いました。
 
 
その様子を見ていた息子が、一番の子にこう言いました。「違うよ!みんな頑張ったんだから、みんな優勝だよ!」
 
 
もうウルウルしていまいました。
 
 
自閉症スペクトラムの診断が出ており、衝動性が高いという特徴もあり、その上マイウェイな息子です。
 
 
誰も負けていない、みんなが頑張っていたということを理解して、きちんと言葉で言い返していた姿には、感動しました。
 
 
これからも、勝つことが正解で、負けることが不正解では無い!ということを私は息子に繰り返し、自分自身の行動を持って伝えていきたいと考えています。
 
 
勝ち負けにこだわるということは悪いことばかりではありません。 自分のことを他者と比較して客観的に見ることができているということです。そう思うと成長を感じませんか?
 
 
 
 
おまけですが、勝ち負けにこだわるという特徴が活かされて、大っ嫌いだったお勉強系のドリルなどをやり始めました。
 
 
パパよりできるよ!パパより早いよ!パパには負けないぞ!と短時間ですが、楽しんでやっています。(もちろんパパはわざと負けます)
 
 
最後に、発達障害やグレーゾーンの子ども達は、常に不安な気持ちと戦っています。
 
 
ママが精神的な安全基地になると、負けても大丈夫!と思えるようになってきます。 たくさん褒めて、たくさん抱きしめてあげてくださいね。
 
 

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執筆者:瀬名香織
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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