発達障害ASDキッズの不器用さが改善する!オススメ外遊び2選

発達障害ASDの子どもが不器用なのを、そのうち良くなると思っていませんか?指を細かく動かす手先の運動に注目しがちですが、発達を促進するポイントは手先からではなく、まずは手全体を使う全身運動なのです。
 

【目次】

1.発達障害ASDの子どもの不器用さ、対応を後回しにしていませんか?
2.力の入れ具合が調整できなかった息子
3.不器用さを脳の機能から考える
①脳の2つの機能の連携がカギ
②体の動きは2つ、先に上達させる動きは?
4.まずは全身運動、そのあとに手先の発達へ繋げる

 

1.発達障害ASDの子どもの不器用さ、対応を後回しにしていませんか?

 
 
発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)の子どもの不器用さ、本当は気になっていませんか?
 
 
言葉の発達やこだわりの方が気になって、手先のトレーニングまで気がまわらないということもあるでしょう。
 
 
不器用さはASDの子ども以外に、注意欠陥多動性障害(ADHD)・学習障害と高い確率で併発すると言われ、体全体や手先の使い方が器用ではないという特性のことです。
 
 
たとえば
 
 
・文字が形よく書けない
 
・折り紙が形よく折れない
 
・ハサミをうまく使えない、切るのに時間がかかる
 
 
など日常生活で周りの子より作業の時間がかかったりすることがあります。
 
 
     
 
 
やろうとしても手先を思ったように動かせず、そもそもどうやって動かしたらいいのか分からないことで、子どもがつらい思いをしているかもしれません。
 
 
発達障害の子どもは、ネガティブな記憶を溜めやすいという特性があります。
 
 
「自分はみんなのようにできない」と自信を失い、失敗体験として記憶されてしまいます。
 
 
過去にあった嫌なことを覚えていて、その記憶が頭の中を繰り返してしまい、そもそも挑戦することすらしない、という状態に陥りがちです。
 
 
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2.力の入れ具合が調整できなかった息子

 
 
私には5歳のASDの子どもがいます。
 
 
手先の力の分散がうまくいかず、書くものを持たせてもとにかく筆圧が弱い。
 
 
家や保育園で絵を描くと、いつもひょろひょろ〜とした筆圧の弱い線で描いていました。
 
 
「もっと強く描いていいんだよ〜」と声を掛けたところ、私のその言葉で集中力が途切れてしまい、お絵描きをやめてしまったのです。
 
 
 
 
しまったなぁ…と自己嫌悪。
 
 
こんな風に良かれと思って声をかけたことでも、できないことを指摘されたとネガティブに捉え、次の行動に移すことが止まってしまうことがあるのです。
 
 
当時は「筆圧が弱くても濃い色が出るような物を買ったほうがいいのかなぁ」と悩んでいました。
 
 
いま振り返って思うのは、「もっと力強い絵を描いてほしい」と目に見える課題のみに私が固執していたら、絵を描くこと自体が嫌いになってしまったかもしれません。
 
 
実は筆圧が弱い原因は意外なところにあったのです。
 
 

3.不器用さを脳の機能から考える

 

◆①脳の2つの機能の連携がカギ

 
 
脳は部位によって機能が分担されていることをご存知でしょうか?
 
 
実は不器用さの原因は脳の2つの機能がうまく連携していないことにあります。
 
 
その2つとは「見る」と「動かす」の機能です。
 
 
この2つの機能は脳の中でとても強いネットワークで結ばれています。
 
 
普段の生活の中には、見ること、動かすことの連携した行動がたくさんあります。
 
 
例えば
 
 
・自分の靴箱の位置を見て確認してから靴をしまう
 
・給食のおかずを見て食べるものを決めてから箸を伸ばす
 
・飛んできたボールの落ちる地点を想定して、体を移動させ、地面に落ちる前に腕を伸ばして取る
 
 
など、見て判断して体を動かすことが基本となり、見て、脳が情報を判断し、体の該当する部位を動かす指示を出すことを繰り返しています。
 
 
体を動かすことは、見て判断するという脳の働きがとても重要なのです。
 
 
 
 

◆②体の動きは2つ、先に上達させる動きは?

 
 

ここまでで脳の2つの機能の連携をうまく繋げることが重要とおわかりいただけたでしょうか?

 
 
今度は体を動かす2つの動きにフォーカスしてお話します。
 
 
動きは粗大運動と微細運動に分けられます。
 
 
①粗大運動(手足や全身を大きく動かす運動)
 
走る、歩く、ジャンプする、打つなど
 
 
②微細運動(指先、目、口など特定のある部分を細かく操作する運動)
 
書く、つかむ、動きを目で追う、食べるなど
 
 
まずは粗大運動という全身を使った動きを上達させることで、次に微細運動という指先などの細かい動きもスムーズになってきます。
 
 
体の動きは心臓から離れていくほどコントロールが高度になるので、まずは全身を使って運動をすることです。
 
 
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4.まずは全身運動、そのあとに手先の発達へ繋げる

 
 
では全身を大きく動かす運動とは?
 
 
私がおススメするのは、外でたくさん遊ばせること
 
 
その時にポイントを付け加えるとすれば、手のひらをいっぱい使う遊びができると、力加減が身につきます。
 
 
特にジャングルジムはおすすめです。
 
 
手をしっかり使った全身遊びは、手のひら全体を使って登りますから、皮膚感覚を向上させて力の調整を覚えさせる効果が期待できます。
 
 
 
 
また、幼児のお子さんなら砂遊びも手のひらをいっぱい使うのでおすすめです。
 
 
スコップを握る、砂にザクっとスコップを突っ込む、力を入れて砂をすくいあげる、
自分の決めた場所に砂を落とす。
 
 
手の平に力を入れる動作が繰り返されます。
 
 
2歳の頃はひょろひょろした絵を描いていたASDの息子も、外遊びをたっぷりするようになってからは、しっかりとした、ちょうどよい筆圧で絵が描けるようになりましたよ。
 
 
2つの脳の機能の連携が意外に早く発達して、不器用さが改善されています。
 
 
不器用な子に手先のトレーニングをさせても、発達の順番は体全体を使う機能が先です。
 
 
遊びの中で子どもが「楽しい」「もっとやりたい」と意欲的になるような動きで脳は成長します。
 
 
焦る必要はありません。 ただお子さんを誘って外に遊びに出てみてください。インドアなお子さんであれば、お散歩からでもいいのです。
 
 
ぜひ親子で全身を使って「あそぶ」ことを楽しんでくださいね。
 
 
 
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執筆者:桜山 尚
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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