発達障害ADHD傾向の幼児の中には、気になることがあると突発的に車道へ飛び出してしまう子がいます。何度叱っても繰り返す。命に関わることなのでお母さんも早急に対応したいですよね。そんなお母さんの悩みを声がけで解決するテクニックをご紹介します。 |
【目次】
1.発達障害ADHD傾向の幼児に多い車道への飛び出し
発達障害ADHD(注意欠陥多動性障害)傾向がある幼児の中には、突発的に車道へ飛び出してしまう子どもがいます。
何か興味があることが目の前にあるとお母さんの繋いだ手を振りほどき、突発的に行ってしまうことはありませんか?
これはADHD傾向の特性の一つである衝動性からくるものです。
衝動性とは頭で考えるよりも、今やりたい!という感情が勝ってしまい行動が先に出てしまうことです。
落ち着いて考えれば危険だとわかることでさえ、行動してしまうんですよね。
ADHD傾向があるお子さんのお母さんは、一緒に歩いていて何度もヒヤヒヤした経験があるのではないでしょうか?
2.叱ることは根本的な解決にはならない?
衝動性と不注意があるお子さんが車道へ飛び出し、ヒヤヒヤした後にやってくるお母さんの感情は、心底沸き起こる怒りではありませんか?
当たり前ですよね。大事な我が子の命に関わるわけですから!しかも、今までに何度も伝えてきているのに…
しかし、特性であるがゆえ、どんなに叱っても本人にはどうすることもできないのが現状です…
実際、お母さんが今までに出したことも無い声でお子さんを叱った後も同じ失敗を繰り返してはいませんか?
叱ることが根本的な解決にはならないことは、一目瞭然だと思います。
3.何度叱っても車道へ飛び出す娘
我が家の娘は、ADHD傾向の衝動性を強く持っています。
私は娘との外出が苦で仕方ない時期がありました。家から数十メートルのところにあるコンビニさえも一緒に行くのが苦痛だったのです。
しかし娘に衝動性があることがわかっていたので、車の多いところを歩く際はもちろんのこと、近場の公園に行く際も、たとえどんなに安全な場所ですら、ずっと手を離すことはありませんでした。
私が握った手の指先の色が変わり、娘の手には跡がくっきりつくほど強く握っているような状況でした。
しかし、ふとした瞬間に娘が手を振りほどき車道へ飛び出すことがありました。毎回叫びながら追いかけた苦い記憶が…
落ち着いてから娘に確認すると、車道の向こうでチョウチョが飛んでいた、とか、葉っぱが風に飛ばされてきたから拾いたかった、とかの理由でした。
毎回そのような理由で車道へ飛び出してしまう娘が理解できず、冷静さを失い地面に押し付けて感情的に怒鳴りつけた記憶が一度ではありません。
しかし、そうまでしても娘には私の気持ちが届くことはありませんでした。感情的に怒りただ恐怖を与えていただけだったと今では反省しています。
4.発コミュ式、お母さんの声かけ対応で解決に導くテクニック
感情的に叱ってもダメ、危険と隣り合わせの状況なのに冷静に諭してもダメ、そんなお母さんに試してほしいことがあります。
それは肯定的な声がけ!
発達科学コミュニケーション(発コミュ)でとても大切にしているお母さんの対応です!
はぁ?こんな状況下で肯定的な声がけ?って思いますよね。
わかります!私もそうでしたから。
しかし実際、あんなに大変だった娘が落ち着いて手を繋ぎ歩けるようになるまで数日とかからなかった効果てきめんのテクニックなんです。
実際、どう声がけするのかをお伝えしますね。
手を繋いで家を出た時点から始まります。
万が一のために、まずは繋いだ手はしっかり握ってくださいね!
家を出て数メートル歩いた時点で、
「上手に手を繋いで歩けているね」
と褒めていきます。
えっ?もう褒めちゃう?って思いましたか?
いいんです!もう褒めちゃって!できている過程を褒めることがポイントです!
信号で止まれたら、
「しっかり止まれているね」
「待てて偉いね」
歩道を歩く際も、
「まっすぐ歩けているよ」
「〇〇ちゃん(くん)が手を繋いでくれているからママ嬉しいよ」
目的地に到着するまで、小刻みに褒めていきます。
今できていることに注目してあげるだけです。
そして目的地に到着したら、
「ずっと手を繋いでここまで来れたじゃん」
「寄り道しないで歩けるようになったね、がんばったね」
と、とにかく細かく褒め、できたことを本人にしっかり伝えてあげることが大切です。
このとき、繋いでいる手を引き寄せ、笑顔で話しかけてあげてくださいね!
子どものできている部分に注目し、褒めていくことで、良い行動が強化されます。
強化されることによって、定着につながっていくんですよね。
ずっと怒られ続けていた子どもが急に褒められるので、初めはびっくりするかもしれませんが、次第に褒められることが嬉しくて、もっとがんばろう!と行動してくれるようになりますよ!
発コミュ式でしっかり褒めて発達障害のADHD傾向がある幼児の良い行動を引き出しましょう。
お母さんにとっても、お子さんにとっても、今まで苦でしかなかったお出かけが楽しく幸せな時間に変わりますよ!
ぜひ今日から実践してみてくださいね。
我が子に試した対応が、あなたの解決のヒントになれば幸いです。
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)