発達科学コミュニケーション(発コミュ)を始められてから、息子さんも、桜山さんご自身も変化されました。今回は、トレーナーとして活動をされている桜山さんの現在のお話などをお伝えします。
【目次】
1.同じ境遇の親子に同じように「変われる」ことを伝えたい
2.トレーナーとして活動することで、子どもの成長が楽しみな毎日を送っています
3.忙しい毎日でも自分の時間を持つ工夫をしています
4.自閉っ子専門のトレーナーとして、これから実現させたい夢
1.同じ境遇の親子に同じように「変われる」ことを伝えたい
前回までの2回は、桜山さんが発達科学コミュニケーション(発コミュ)を始められるまでと、トレーナーとしての専門のことについてのお話を伺いました。
今回は最終回で、桜山さんがトレーナーになろうと決意した理由、生活の変化と、これからの活動について伺っていきたいと思います。
ーーー桜山さんは教員をされていただけでなく、他にも資格をたくさんお持ちなので、そこに戻る道があったと思います。発コミュのトレーナーを仕事として選んだ決め手はありますか?
「はい。教員以外の資格も持っているので、外で働こうと思ったら働ける環境ではありました。
実は、教員の仕事って、個々の人間関係の調整をしながら子ども同士のトラブルをポジティブに利用してクラス全体を育てていくという仕事でもあるんです。
受容と共感をしながら、その子たちに対応はしていくのですが、やはり日々悩みながら行っていて。
〇〇君も辛かったんだよね、嫌だったんだよね、と、受容と共感した後の手立ては何がベストだったんだろう、次のアクションを起こさせるにはこの子の場合はどう声をかけてあげたら良かったんだろう、と常々思っていました。
行動させないことには問題は解決しないので。
そんな疑問に答えてくれたのも発コミュでした。
脳を育てるにはこうしたらいい、という手立てがあったからです。
それから、発コミュによってわが子は確実に伸びていますが、自分を常にこの発達知識の最前線に身を置いていないと、また、あっという間に、前の自分に戻ってしまうっていう、怖さみたいなのもありました。
その中でトレーナーという仕事を選んだ理由としては、人に教えるっていうことをすることは、やっぱり、だれよりも自分の子育てをレベルアップすることに繋がるっていう風に思ったんです。
ますます自分の子育ても上手になりたいし、私みたいに何百万も使ってきたママさんを救っていける、こんな素敵なことないって思いました。」
◆ポイント解説
わが子のことが心配で、考えれば考えるほど不安になってしまうと、その不安を解消するために、色々とトライしてみたくなると思います。
やってみたはいいけれど、思ったような効果が出ていないなら、「これはうちの子にはあわないのかも」と次の方法にトライしてみたり。
過去にいろいろなことにトライしてきた桜山さんだからこそ、同じように効果を感じられなくて不安でいっぱいのママに寄り添っていくことができると感じました。
2.トレーナーとして活動することで、子どもの成長が楽しみな毎日を送っています
ーーー桜山さんが発コミュを始めてからトレーナーになるまでについて教えてください。トレーナーになってから、ライフスタイルなどは変わりましたか?
「はい。発コミュを始めてからは、1年ちょっとぐらいで、トレーナーになってからは4ヶ月ぐらいになりました。
今ではますますわが子の成長マニアになりました!子どもの発達と重ね合わせて仕事に活かせること、常に発達について考えられるこの時間がすごい好きですね。」
ーーートレーナーとして活動するし、さらにわが子マニアになるって事は、子育てもどんどん変化していくという感じですね。
「発コミュを始める前は、子どもの癇癪や心のやり取りができないとか、言葉のやり取りができないと悩んでいました。
だけど、それが嘘みたいに、今は楽しくてワクワクしています。子どもの成長にワクワクする毎日に変わったんです!
今ではこちらが関わろうとしなくても、息子の方から関わってきてくれますね。最近は、好奇心にあふれすぎていて、何でもやってみたいんです。
この前、アニメの中で、クレヨンしんちゃんがラディッシュの種をまいていたんです。そしたら、それをやってみたかったようで、スーパーへ行ったときに、種を買いたいな、という風になり、種を買って一緒に撒いて育てています。」
◆ポイント解説
愛着もあって、安心、安全、探索の探索まで段階がいっているからこそ、お子さんが、おしゃべりしてママにこれやってみたい、とコミュニケーションがとれる関係になっていることがわかりました。
ママに自分の希望を言える関係になれたからこそ、行動力が上がっていって、行動量が増えていって、脳が伸びていくサイクルがどんどん加速されているんだと思いました。
毎日子どもの成長をワクワクしながら過ごせるって、素敵ですね!
3.忙しい毎日でも自分の時間を持つ工夫をしています
ーーートレーナーとしても活動されて忙しい毎日だと思いますが、その中でも楽しみなどはありますか?
「はい。たまに、寝かしつけを夫にお願いして、夜ショッピングモールに行くんですよね。
ドライブみたいな感じで、それだけでも楽しいです。出かけたところで結局、子どもの服を選ぶんですけれど。
1人でゆっくり選べるのも楽しくて、最後は夫にビールとかをお土産で買って帰ったりとかしてますね。」
ーーー夜のショッピングモールなんて、子どもがいたらなおさら一人で行けるところではないと思うのですが、ご主人と話をして、頻度とか日にちを決めているのですか?
「はい。夫がすごく子育て上手になったんですよ。もう私よりも。
だから、本当にお願いできるようになったんです。それで、本当にふらっと。前々から約束したとかじゃなくて、突然今日行きたいと思ったら、今日いい?って。
いいよ~みたいな感じで、リフレッシュしているんですよ。」
◆ポイント解説
今まで子育てする中で、ご主人と一緒に悩んだり、共有されてきたからこそ、これまでの母としての大変さも分かるので、たまのリフレッシュに、ご主人も気持ちよく送り出してくれるのだろうと思いました。
息子さんの変化とともに、ご主人も子育て上手になられた点については、家族みんなで、好循環を作られたんだなと感じました。
4.自閉っ子専門のトレーナーとして、これから実現させたい夢
ーーーでは、これからの桜山さんの活動の目標について教えてください。
「はい。私は自閉っ子が仕事をしていく時にサポートしていける仕組み。ドレームアテンダーという仕事を新たに作りたいと思っています。
実はフィンランドって障害者手帳がない代わりにパーソナルアシスタントといって障がい者自身が社長となって個人契約で仕事をするときにサポートしてもらえる仕組みがあるんですよ。
自閉っ子って、今ある仕事に合わせるように能力を伸ばしましょう。ってそれ自体が目標になってしまっている現状があると思うんです。
けれども、パーソナルアシスタントにサポートしてもらえれば、もっともっと可能性も広がるし、
ずっと一つの仕事をしないとっていけないという固定しなくてもいい、しかも一人で生きて行くっていう、そういう感じでもないですよね。
常に周りに仲間がいて、何か困ったら、周りにいつでも居場所があるみたいな感じです。
そんな夢に共感していただけるお母さんたちと今後出会っていき、
ワクワクする自閉っ子の未来を作っていきたいと思っています。」
◆ポイント解説
コロナウイルスの流行後から、働き方が変わってきています。リモートで仕事をするようになったり、フレックスを使って自分で仕事の時間調整をしたり。
政府がまとめた「働き方の未来2035」では、「一人ひとりが輝くために」を提言していて、未来の働き方を予測をしています。
そのなかでは、働き方や働く目的も変わっていくという内容も含まれているんです。
桜山さんが夢に描かれているような「常に周りに仲間がいて、何か困ったら、周りにいつでも居場所があるみたいな感じ」の部分は、これにあてはまるのではないかと、私は思いました。
ここまで3回にわたってお伝えしてきた桜山尚さんへのインタビューはこれで終了になります。
桜山さんの今後のご活躍を期待しています!
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執筆者:松尾 歩
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)