発達障害がある子どもには感覚過敏があるケースが多いです。ママにもなかなか理解ができず、なんでこんなにぐずぐず言っているの?とついついイライラしてしまうこともありますよね。そんな感覚過敏にどのように対応したら良いかをお伝えします。
【目次】
1.小学校に入学し、息子は嗅覚の過敏さが増しました。
2.子どもの言葉にできない不安は感覚過敏があるかもしれません。
3.進級・進学の時期はストレスを感じやすいので要注意!
4.子どもの感覚過敏に対して親ができる対処法
1.小学校に入学し、息子は嗅覚の過敏さが増しました。
我が家の息子は、小学校1年生の時に突然の嘔吐が始まりました。
それまでは「給食大好き!」「給食を一番に食べられた!」と自慢するような食欲と元気が取り柄の息子でした。
その息子が、小学校年1生の6月頃から、給食の時間に吐き気を催すようになり、それ以降給食のにおいがするだけで真っ青になるようになりました。
息子は少しでも苦手なにおいがすると気分不良を訴え、外出を拒否するように。
においが気になると気分不良を起こすことから行動範囲がうんと狭くなり、ついには学校に行きたがらなくなり不登校となりました。
息子は元々、少しのにおいを察知する方ではありましたが、急に嗅覚の過敏さが増したことに私は驚きを隠せませんでした。
自閉症スペクトラム(ASD)の特性を持っている方の中では、とりわけ嗅覚過敏があることが多いと言われています。
その時の私は息子にASDの傾向があることに全く気付いておらず、感覚過敏について全くサポートできないまま、息子は不登校となってしまったのです。
学校に行かなくなった息子は、『落ち着くにおいがする』という私のTシャツや布団のにおいを嗅ぎながら過ごす日々。
着ているTシャツを脱いでよこせという息子のよく分からない行動にうんざりしながら、どうやったらにおいが平気になるんだろう。と考えていました。
2.子どもの言葉にできない不安は感覚過敏があるかもしれません。
私たちは、視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚・固有受容覚(固有覚)・前庭覚(平衡感覚)というこれら7つの感覚器官から受け取る刺激を情報として脳で処理をし、周囲の状況を把握して生活しています。
この刺激を感覚と言います。
感覚過敏とは、刺激から情報を受け取る際に、多くの情報を受け取ってしまい、その情報から強い痛みなどの苦痛を感じ、生活に影響が出てしまう状態です。
この刺激の中で生活するということは、私たちが送っている日常生活とは全く異なっており、感覚過敏がある本人にとっては大変苦痛なものです。
感覚過敏を起こすには、いくつかの要因があると言われていますが、その中にストレスがあります。
環境の変化や、睡眠不足、食生活の乱れ、疲労の蓄積などのストレスが蓄積され、自律神経が乱れた結果、必要以上に刺激を感じやすくなってしまうのです。
ストレスを強く感じることで感覚のセンサーがくるってしまい、感覚過敏がおこるのです。
子どもが、わけのわからない理由でぐずぐず言っている時「そんなわがまま言ってないで、ちゃんとしなさい!」と言ってませんか?
そのお子さんのぐずぐずの原因は、もしかしたら感覚過敏かもしれません。
子どもは感覚の違和感について、なぜ、自分が辛いのか。なにに自分が辛さを感じているのかをうまく言葉で表現することができません。
まだ生まれて数年しか経っていない子ども達は、他の子と自分の感じ方が違うなんて気付くはずもないのです。
3.進級・進学の時期はストレスを感じやすいので要注意!
進級・進学でストレスがかかるこの時期は、環境の変化に弱い発達凸凹キッズにとって要注意の時期です。
3学期に入っていよいよ進学・進級が目前になり、子どもたちは期待と不安でいっぱいです。
周りの大人の期待も背負い、一生懸命に頑張っていますよね。
特に普段から不安や緊張を感じやすい子は、プレッシャーを感じやすくさらに負荷が大きくかかってしまいます。
こうした緊張状態が続くことでストレスがかかることで、自律神経が乱れ、感覚が鋭くなってしまうことがあるのです。
子どもに感覚の問題があるような場合は、特にこの進級・進学時期は早めに親がしっかりとサポートする必要があります。
では、どのようなサポートが必要なのでしょうか?
4.子どもの感覚過敏に対して親ができる対処法
今回は、親子のスキンシップでお子さんの自律神経を整える方法をお伝えします。
精神的ストレスがきっかけで自律神経が乱れると、結果として感覚過敏の症状が出ますので、自律神経を整えるアプローチをしましょう。
子どもの場合、自律神経がうまく働くために、何よりも身体のケアが一番大事です。
・良く食べる(栄養)
・良く眠る(睡眠)
・良く休む(休息)
・そして良く遊ぶ(運動)
これらが、大事なことは重々承知ですが、感覚過敏で疲労してしまい、無気力になってしまっている子どもには無理がありますよね。
そのような場合は、親子のスキンシップから始めてみましょう。まず、ママ自身がリラックスした状態で、愛情を持って触れてください。
皮膚に触れることで『オキシトシン』が分泌されます。
オキシトシンは幸せホルモンと呼ばれ、不安や心配などを緩和させてくれる働きがあります。
オキシトシンが分泌されると副交感神経が優位に働くようになり、心身ともにリラックスさせ、自律神経を整える事ができます。
1秒で5センチくらいのゆっくりとしたスピードで5〜10分触れ続けると、脳の脳下垂体からオキシトシンが分泌され始めます。
そして、1時間ほど持続します。
オキシトシンが減り始めた1時間後にまたスキンシップをとるようにすると、オキシトシンが高い状態をキープする事ができ、自律神経が整いやすくなります。
中には、触られるのが嫌な子もいますので無理は禁物ですが、ママがニッコリ笑いかけたり、頭をポンっと触るということから始めることでも効果があります。
心地良い感覚を増やしていくことで、脳が成長し、感覚の過敏さも落ち着いていきます。
進級・進学の時期に関わらず、ぜひお子様の様子をみながら毎日の生活にスキンシップを取り入れてみて下さいね。
発達凸凹キッズの子育てのヒントをお伝えしています。
執筆者:たかはしえいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)