発達障害・自閉症スペクトラムの子どもの不安が強くなると、コミュニケーションへの苦手感が増してしまいますよね。そんな子どもが、好きを通してコミュニケーションに自信を持つことができるママの2つの対応についてお伝えします。
【目次】
1.お友達とのコミュニケーションを避ける理由は不安!?
2.同じ好きを持つ仲間とのコミュニケーションが子どもにもたらす効果
3.ASDの子どものコミュニケーション力をアップさせる為のママの対応策
1.お友達とのコミュニケーションを避ける理由は不安!?
私には小学校2年生の息子がいます。
保育園時代から『人見知りをする。』『朝は挨拶をしない。』という気になる面がありました。
少し慣れるとコミュニケーションは取ることができていたので、そんなに気にしていはいませんでした。
しかし、小学校に上がってから不安を感じやすい特性が爆発!パニック発作を起こすようになりました。
それからというもの、学校のお友達とのコミュニケーションがとりにくくなり、仲の良い学校のお友達さえもシャットアウトするようになりました。
学校の教室に向かう途中で、お友達に声をかけられても完全に無視。
みんなの注目が集まると不安になって私に暴言・暴力。しだいに学校にも行きたがらなくなり、不登校になりました。
自信をなくした息子は、完全に自分の殻に閉じこもってしまい、家に閉じこもって、1人ゲームとYouTubeに向かう日々を過ごしていました。
そんなある日、私が相談に行った先で近くにゲームの居場所があることを知りました。
『ゲームなら、息子も外に出るかもしれない。』
そう思い、居場所について息子に伝えると、「ゲームなら、行ってみる。」と、息子も乗り気に。
それからゲームの居場所に通い始めた息子は、そこでできた仲間とリアルだけでなく、オンラインでも話しながらゲームをするようになりました。
息子は仲間とゲームをすることによって、自分の気持ちを表現したり、ゲームについて説明したりと、コミュニケーションを自分から取るようになっていきました。
息子はYouTubeでゲームの情報を仕入れ、実践し、お互いに情報を共有するというやりとりを仲間とする中で、ゲームのスキルとコミュニケーション能力をアップしていきました。
日々研究をし、新しい情報を持って情報交換するので、『教えてあげられた』『教えてもらえた』という満足感を感じるようになり、自信を取り戻した息子は笑顔で過ごすようになりました。
同じ好きを持つ仲間と交流することによって、再び息子はコミュニケーションが取れるようになったのです。
2.同じ好きを持つ仲間とのコミュニケーションが子どもにもたらす効果
同じ好きを持つ仲間とコミュニケーションをとることによって、ASDの子どもにどのような効果があるのでしょうか。
◆同じ『好き』があると、相手とのコミュニケーションがスムーズになる
共通の好きなことがあることで、会話が自然に弾みます。
『好きなこと』という共通のツールがあると、性別や年齢関係なくみんなが同じ世界に入っていくことができます。
最初は緊張していても、しばらくすると好きなことを通じて会話をすることができるようになります。
また、共通の『好きなこと』について話すことはリラックスやストレス軽減にもつながります。
さらに、共感や共有された経験は、ストレスホルモンの分泌を抑え、心地よい気分をもたらすと言われています。
◆自信を持って話すことができるため、表現力が向上する
学校で自信を持って話すことができない子どもでも、自分の好きなことであれば自信を持って話すことができます。
自信を持って話すことができると脳がリラックスした状態になり、ポジティブな感情が生まれやすくなります。
◆喜びや満足感を生む
共通の好きなことを通じて得られる喜びや満足感は、脳内のドーパミンなどの神経伝達物質を活性化させ、幸福感をもたらします。
共通の好きなことを追求していることで、会話がつきないのでコミュニケーションが上手くとれる成功体験になります。
また、お互いに新しいアイデアや視点を共有することで、脳は刺激を受け、柔軟性を保つことができます。
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3.ASDの子どものコミュニケーション力をアップさせる為のママの対応策
ここからASDキッズが同じ好きを持つ仲間との関わりを通して「自信を持ってコミュニケーションを取れる子」になるためにママができる2つの方法をお伝えしていきます。
◆子どもの『好き』を認める
まずは親がお子さんの『好きなこと』を認めてください。
子どもは自分の『好き』を認めてもらうことで子どもの心は満たされます。
決して子どもとその仲間の『好きなことを』否定しないでください。
なぜならその子どもの『好き』を否定することは、子どもが自分自身を否定されていると感じてしまうからです。
その『好きなこと』をママが無理に好きになる必要はありませんが、好きな気持ちに共感し、興味を持つ姿勢が必要です。
◆最初から『友達』を作ろうとせずに『仲間』を作る。
子どもが学校の友達と遊ばなくなると、なんとか他の友達を作ってあげたいと思いますよね。
確かに友達は大事ですし、友達がいると楽しいです。
ですが、いきなり『友達』ってなろうとしてなるものではないですし、お子さんのお友達はお母さんが選ぶものではありません。
はじめは、一緒の目的で集まる『仲間』を作ることをお勧めします。
ママが『子どもに友達を作ってあげるんだ!』と思うと、ハードルが上がって焦ってしまいますが、好きなことが同じ仲間であれば、子どもさんが作る気になれば、いつでも作ることができます。
繊細なASDの子ども達は、いろいろなタイプのお友達に合わそうとすると、パワーをすり減らしてしまいます。
そうなる前に、同じ好きを持つ仲間がいそうな場所に出向いてみるのはいかがでしょう。
コミュニケーションをスムーズに取ることができる相手とであれば、お子さんの使うパワーは少しで済むので、お子さんが疲弊する可能性は低くなります。
お子さんが自力で自分に合う仲間を探すには、お子さんの知っている世界の範囲はまだまだ狭いです。
その代わりにママが広い視野を持って、同じ好きを持つ仲間探しをサポートしてあげることからはじめてみてくださいね。
発達凸凹キッズの子育てのヒントをお伝えしています
執筆者:たかはしえいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)