散らかすのは才能!?片付けられない子どもへの意外な解決法!

 

片付けても片付けても散らかす!そんな子どもに困っていませんか?でもちょっと待って!子どもが散らかす時、脳はグングン育っているのです。ママも子どももハッピーになる声かけで、片付けられない子どもの「探究心」を育てましょう。
 

【目次】

 

1.片付けられない子どもにイライラ!気づけば部屋はおもちゃの海

 
 
発達障害・グレーゾーンの9歳の娘は片付けが苦手です。
 
 
自分の机の上に物が積み上げられ、置き場所がなくなるころ、見かねて「一緒に片付けようか」と声をかけると、いるもの・いらないものを整理して片づけることができます。
 
 
今でこそ散らかすのは子ども机の範囲内で、声をかけると片付けることができますが、少し前まではどんなに言っても片付けができませんでした。
 
 
 
 
娘は目に入ったものに興味がどんどん移っていき、いろいろなおもちゃでまだ遊んでいる途中なので「片づけてから次のおもちゃで遊ぼうね」は通じません。
 
 
遊び始めてほんの1時間で「泥棒に入られたの!?」と思うほど、床におもちゃが散乱するのは日常茶飯事。
 
 
そんな娘に最初は「一緒に片付けしようか、手伝うよ」と優しく誘うのですが、「できない!!」と拒む姿にイライラ。
 
 
自分でおもちゃを出したのに片付けられないってどういうこと?と疑問に思うばかり。
 
 
発達障害の特性が関係しているとも知らず「また片づけられなかった!片付けられないならおもちゃ全部捨てるよ!」と、厳しく叱っていました。
 
 
これではいつまでたっても片付けが身につかず、それどころかますます片付け嫌いにさせていることさえ気づいていませんでした。
 
 
子どもにとって、片付けることは高度なスキルのひとつなのです。
 
 
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2.そもそも片付けるってどういうこと?

 
 

「片付ける」とひとことで言っても、それほど簡単な作業ではありません。

 
 
発達障害の子どもにとってはさらにいろいろな壁が立ちはだかります。
 
 
例えば、
 
楽しくないこと、興味の持てないことはしたくない
 
どこに何を片づけていいかわからない
 
「片づけよう」という漠然とした指示ではどうしていいかわからない
 
 
など、脳の特性によって簡単にできそうなことが、難しくなることも。
 
 
特に片付けに必要な「空間認知能力」という力が弱いことで、片付けがより困難になっている場合もあります。
 
 
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◆①片付けに必要な力「空間認知能力」とは?

 
 
空間認知能力とは空間にある物の構造や状態などを見て把握する力で、片付け・ボール遊び・地図・文字の読み書きなど、いろいろな作業に関わります。
 
 
この力が弱いと、
 
・どの入れ物ならブロックが全部入れられるかわからない
 
・この大きさの箱は、どこに収まるかわからない
 
 
という片付けに必要な判断が難しくなります。
 
 
 
 
空間認知能力には3Dの世界、つまり私たちの生きている現実の世界で手を動かし、目を動かし、身体全部を使った経験で培われていきます。
 
 
ここまでは子どもの「片付ける」力を中心に見てきましたが、そもそも「散らかす」行動に注目してみましょう。
 
 

◆②散らかすのは子どもの才能!

 
 
私たち大人は散らかすことを「悪いこと」と捉えていますが、実は散らかすことは、子どもが好奇心を存分に発揮している姿でもあります。
 
 
子どもが次々におもちゃを広げようとしたら「片付けてから次のおもちゃを出そうね」と言ってしまうかもしれません。
 
 
でもよく観察してみてください。
 
 
子どもはそもそも、種類ごとのおもちゃで遊ぶことにこだわっていないのではないでしょうか。
 
 
お人形はティッシュの洋服を着せられ、積み木の部屋でチラシから切り取ったフルーツを食べている…なんてことはありませんか?
 
 
散らかし魔の子どもたちは、大人の考える常識にはおさまらないひらめき想像力の中で、頭をフル回転させながら遊んでいます。
 
 
将来「片付けられない大人」にならないよう、今のうちに直してあげなければ!と心配する必要はないのです。
 
 
とは言え、リビングがおもちゃの海のままでいいわけではありません。
 
 
子どもの探求心をつぶさず、片付けも実現するための解決法をご紹介しますね。
 
 

3.子どもの探究心を伸ばしながら片付ける!簡単解決法

 
 
散らかすことが「悪」ではないと分かったところで、子どもが片付けをしたくなる具体的な声かけをお伝えします。
 
 

◆①「わかる言葉」で片付けが簡単になる!

 
 
子どもに「片付けなさい!」と言っても行動が遅いのは、何から手をつけていいのかわからないから。
 
 
“片付け”というざっくりとした指示で動けるのはお片付け上級者です。
 
 
子どもが片付け嫌いでも思わずお片付けがしたくなっちゃうコツは「お人形を箱に入れる」など、分解してわかる言葉で言うことです。
 
 
「お人形から片付けようか?それともブロックからにしようか?」と、選択肢を与えると苦手な片付けを意識せず取り掛かることもできます。
 
 
「お人形!」と選べればこっちのもの、「お人形ね!いいね!」と肯定の声かけをし、「お人形はここに戻そうね。」と具体的に伝えます。
 
 
誘いに乗ってこない日はお片付けを遊びにしてしまいましょう。
 
 
わが家では「赤色のブロック誰がたくさん集められるか競争ね!ヨーイ…」と競争にすると、負けず嫌いに火がついて急いで駆け寄ってきます。
 
 
何回かやっていると自分で「四角いもの!」と声をかけて、妹と片付けをしてくれることもあります。
 
 
また飽きっぽい子はリーダーに任命して「次は何を集めしょう!」と聞くと案外乗ってくれますよ。
 
 
そして大切なのは片付けをはじめたらこまめに肯定の声かけをすることです。
 
 
 
 
できたことをしっかり肯定することで脳に定着し自分でできるようになります。
 
 
たとえ途中でやめてしまっても、できたところを言葉にして伝えると「成功体験」として記憶されます。
 
 
お片付けが「できた!」という成功体験をくり返すことで、それ以外のことでも「自分はできるんだ!」という自信につながっていくのです。
 
 

◆②めざせ、脳を刺激する部屋!

 
 
これまで私自身「きれいにすること」にこだわりすぎていたと思います。
 
 
生活感を出さない隠す収納はあこがれますが、物をしまいこんで目に入らなくすると、ワーキングメモリの弱い発達障害・グレーゾーンの子どもにとっては無いものと同じです。
 
 
せっかく何かしようと思っても、まずは道具を探すことから始めなければいかず、結局やらずじまいになってしまうこともありました。
 
 
失くし物や忘れ物が多い娘には見える収納が合っているようで、よく使うものはクリアケースに入れて棚に置くようにしました。
 
 
片づけすぎない家は、脳を刺激するきっかけを残しておけるので、少しごちゃごちゃした場所は子どもにとって冒険する余地があるという利点も。
 
 
子どもが小さいうちは少しぐらいごちゃごちゃしていても、好奇心を育てるためならあきらめがつきますよね。
 
 
 
 
今はリビングに子どもの物がたくさんあっても、あと何年かすれば自分の部屋を欲しがるかもしれません。
 
 
その時までには大切なものの管理が自分でできるようになっていればいいなと思います。
 
 
最終目標は、大人になったとき失くしものや忘れもので生活に支障をきたさないことです。
 
 
身につけられるお片付け習慣もあればどうしてもできないこともあると思います。
 
 
その見極めをして、子どもに合った対処法を見つけていきたいですね。
 
 
 
 
 
 
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執筆者:本田ひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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