中学校卒業後は、進路の選択肢がグッと広がります。どんな学校があるのか?どんな基準で選んだらよいのか?この記事では、発達障害・グレーゾーンのお子さんの特性に合った進路を選ぶポイントをご紹介します。 |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーン中学生の進路選び(全日制・定時制高校編)
◆全日制高校
◆定時制高校
◆チャレンジスクールとは?
◆エンカレッジスクールとは?
2.発達障害・グレーゾーンのお子さんの特性にあった選択肢を探すポイント
1.発達障害・グレーゾーン中学生の進路選び(全日制・定時制高校編)
秋の文化祭シーズンですね。文化祭は、学校を知る絶好のチャンスです。気になる学校があったらぜひ足を運んでみてくださいね!
さて、今日は発達障害・グレーゾーンの中学生の進路選びのヒントをお渡ししたいと思います!義務教育終了後の選択肢は幅が広いので、お子さんの特性に合わせて選ぶことをお勧めします。
<中学校卒業後の進路>
●全日制高校
●定時制高校
●通信制高校と通信サポート校
●高等専門学校
●高等専修学校
●特別支援学校高等部
●フリースクール
●就職
などがあります。
情報がたくさんありますので、今日は全日制高校と定時制高校についてご紹介します!
◆全日制高校
朝から夕方まで授業を行う一般的な学校で、普通校、商業高校、工業高校、農業高校などがあります。 基本的に週5日登校が必要です。
◆定時制高校
午前部、午後部、夜間部があり、1日4時間の授業を受けます。
以前は、定時制高校を卒業するには修業年限は4年以上とされていましたが、1989年からは3年以上の修業年限でも単位を習得できていれば卒業可能となりました。
働きながら学ぶ方もいれば、不登校経験者、高校中退者など、さまざまな方の学びの場としての役割を果たしています。
定時制高校には、クラブや学年行事など活発に行なっているところもあります。
学ぶ時間帯が異なっているだけで、全日制の高校と変わらない高校生活を過ごすことができます。
ちなみに東京では、チャレンジスクール、エンカレッジスクール、という選択肢もあります。
◆チャレンジスクールとは?
小中学校で不登校を経験したり、高校を中退した生徒に再チャレンジさせる取り組みを行なっている都立高校です。
午前部・午後部・夜間部の三部制を取り入れていて、朝なかなか起きられないお子さんや、働きながら高校に通いたいお子さんにも通学可能な定時制です。
通常は卒業までに4年間必要ですが、単位制なので、授業を多く履修すれば3年間での卒業も可能です。
◆エンカレッジスクールとは?
エンカレッジ(encourage)とは、「勇気づける・励ます」という意味で東京都の新しい取り組みとして2003年度からスタートしました。
これまでの学校の学びのスタイルでは力を発揮できない、うまく行かない、そんな生徒のやる気を育て、社会生活を送る上で必要な基礎学力を身に付けさせることを目的として運営されている都立高校です。
(全日制、学年制で、普通科と一部工業系の専門学科があります)
特徴としては、
・国語、数学、英語などの主要教科は30分授業
・1クラス2人の担任が指導
・レベル別習熟度別少人数授業
・体験学習や選択授業が豊富
・生活指導の徹底 などがあります。
発達障害や学習障害があり特別な配慮が必要な生徒の学び直しにも力を入れています。
大阪ではエンパワメントスクールがあります。地域の高校でどんなサポートをしてくれるのかぜひリサーチしてみてくださいね。
2.発達障害・グレーゾーンのお子さんの特性にあった選択肢を探すポイント
偏差値や評判だけで学校を選ぶのは、グレーゾーンの子にとってはストレスが大きい場合もあります。せっかく進学しても通い続けることができなくなってしまっては元も子もありません。
決して親御さんの意思だけで学校を決めず、お子さんとの対話をたくさんとってくださいね。
そのためには、親子のコミュニケーションの改善がどうしても必要です。
毎日ガミガミ言ってしまっている、命令ばっかりしている、言い合いの毎日。
そんな親子関係では子どもとの話し合いはままならず、子どもの進路を応援してあげるのは難しくなってしまいますよね。
進路の「情報」は、あくまでも参考情報でしかありません。それを元にお子さんの進路を一緒に考えていってあげるのが一番大切なことです。
もちろん、どの道を選ぶかは本人の意思を最優先すべきです。しかし、定型発達のお子さんですら難しい進路選択、グレーゾーンのお子さんにとってはより難易度が高いものと理解しておくべきです。
グレーゾーンの子は、自分の能力や適正を正しく把握することが難しいことがあるので、安易な進路決定をしてしまう場合があります。
ときには現実離れしたものであったり、本人のこだわりだけが強く出てしまっている選択だったりしている可能性もありますので、お母さんたちの存在がとても重要になるのです!
入学後から卒業まで、お子さんがやりきれるイメージを持てるか、凸凹のある子の「得意」が活かせる進路か、そんな視点を持ってお子さんと話してみてくださいね。
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)