感覚過敏のある4歳児が、登園前に服がイヤだと癇癪を起こし困っていませんか?感覚過敏が悪化するのは、登園しぶりが隠れているからかもしれません。感覚過敏を和らげるには、子どもの本音を知って癇癪を落ち着かせる対応が先決です。
【目次】
1.感覚過敏で服が着れない!4歳児の朝の癇癪に困っていませんか?
わが家の発達障害・グレーゾーン4歳の娘は感覚過敏と感覚鈍麻があり癇癪を起すことがあります。
特に皮膚に感覚過敏があり、普段から洋服選びには気を使っています。
それにもかかわらず、登園日の朝になると過敏さが強くなり、癇癪が起きていました。
・おなかまわりの服がしわになると大暴れ
・上着を着る時に袖がしわになると最初からやり直し
・くつ下の先とかかとのフィット感が気に入らないと脱ぎ捨てる
すべての行動が遅い娘と毎朝遅刻ギリギリで家を出発していました。
何度やり直してもかんしゃくはおさまらず、パジャマのまま車に乗せたこともありました。
こんなにちょっとしたことで大暴れなら、保育園ではトイレに行くたびに大変な思いをしているのでは?と思いました。
ところが保育園での着替えの様子を聞くと、問題はないようでした。
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2.登園前に感覚過敏が悪化する原因は?
いつもならこの服は着れるのに、どうして今日は着れないの?ということはありませんか?
感覚と感情の関わりをみてみましょう。
◆感覚とは?
私たちは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・固有覚(力加減)・前庭覚(平衡感覚)など、いろいろな感覚で周りの世界を感じて生活をしています。
目や耳、鼻などの感覚器から受け取った情報が脳に送られ、好きなにおい、嫌いな音、安心するさわり心地…とさまざまなことを感じています。
感覚はひとり一人違うことはもちろん、ひとりの人でもその時々で感じ方が変わります。
そして感覚過敏とは日常生活に支障を来たすほどのレベルのことを言います。
◆感情の脳エリア
感情の脳エリアは、
・喜怒哀楽の表情を作り出す
・他人に共感する
・自分の感情をコントロールする
などの役割があり、成長するにつれ発達するエリアでもあります。
人間関係にも関わる脳で、一生かけて発達していきます。
発達障害の子どもに多い、感情のコントロールの苦手さは、実は自分の気持ちが分からないことも要因のひとつ。
自分が今感じている気持ちが「楽しい、悲しい、くやしい」など、言葉で分かるということは、感情のコントロールにもつながります。
自分の感情が分かり言葉で表現できるようになると、癇癪は落ち着いていきます。
◆感情が感覚に与える影響
不安やストレスを感じマイナスの感情が暴れていると、感覚過敏が強く出ることがあります。
娘の感覚過敏がひどくなるのは登園前。実は、娘は保育園の年中頃から登園しぶりがありました。
朝の行動が遅く、「いそいで!」と声をかけることが増えてしまい、「行きたくない」気持ちが大きくなっていたのです。
この「行きたくない」気持ちが、感覚過敏を悪化させていました。
不安な気持ちで何かを食べたときより、楽しい気持ちで食べるほうが「おいしい」と感じることがあるのではないでしょうか。
五感で受け取った刺激は「脳」で処理され、その時の心の状態も含めて「好き、きらい」などを判断しているのです。
3.登園しぶりから感覚過敏を悪化させない!ママの癇癪対応法
時間の余裕がない時はとても難しいと思いますが、ママがどれだけおだやかでいられるかにかかっています。
行動の遅い子どもに「早くして!」と気持ちが焦る声かけをすると、感覚過敏が悪化する原因になります。
癇癪が起きて感情が暴れると、周りの言葉が脳に届かなくなってしまいます。
発達障害・グレーゾーンの子どもが感じている感覚過敏は、他人には理解しにくく、「気にしすぎ」と思われがちです。
ですがこの不快感は気のせいではなく、子どもが本当に感じていることです。
かんしゃくで暴れてしまった感情が、感覚をさらに刺激して、子どもの手には負えないほどの感覚過敏になっている可能性があります。
「洋服のしわが気持ち悪いんだね」と子どもの感情を言葉にしてあげてくださいね。
気持ちを言葉にすると、子どもが自分の感情に気づき、安心感が得られます。
感覚過敏の原因になる服を脱いで物理的に刺激から遠ざけたら、子どもの気持ちを全部受け入れて、暴れている感情を落ち着かせてあげてください。
子どもが嫌がらなければ、優しく触れたり抱っこするなどスキンシップを取るのも効果的です。
感情が落ち着けば、ママの言葉が子どもに届くようになるので、「ママが手伝う?違う服にする?」など、おだやかな会話をします。
ママの笑顔や楽しい雰囲気は、気持ちをリセットして前向きに動き出すきっかけにもなります。試してみてくださいね。
登園・登校しぶりへの対応法は他の記事でも紹介していますので、早めの対応をおすすめします!
子どもの脳に直接届く声かけを知りたい方におすすめです!
執筆者:本田ひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)