5歳自閉症児の癇癪に疲れたら…試してみたい感情コントロール力upの秘策

 

5歳自閉症児の癇癪がいつまで続くのか不安、毎日の対応に疲れた…私もその1人でした。しかし、お母さんの対応が変わると子どもの癇癪は激減します。この記事では、自閉症の子の癇癪を減らし感情コントロール力を身につける対応法をお伝えします。
 

【目次】

1.5歳自閉症児の癇癪に疲れた…いつまで続くの?
2.自閉症の幼児が癇癪を起しやすい理由
3.自閉症児の癇癪に対する親のNG対応
4.癇癪を乗り越え、自分で感情コントロールができるようになる3ステップ
①まず見て見ぬふり
②癇癪がおさまったら、落ち着けたことを褒める
③イライラしてしまったときの対処法を決めておく

 
 

1.5歳自閉症児の癇癪に疲れた…いつまで続くの?

 
 
わが家の発達障害・自閉症傾向の息子は当時5歳年長さんでした。
 
 
赤ちゃんの頃はニコニコとして本当に可愛い子でしたが、2歳頃からこだわりや癇癪が日に日に増え私は育てにくさを感じるようになりました
 
 
・部屋のカーテンの開け閉めや、TV、電気のつける消すを家族が勝手にすると怒る
 
・2歳下の弟が先に部屋に入ったり着替えたりするのが許せない
 
・保育園にお迎えに行くと、来て欲しいタイミングでなかったらしく目が合った瞬間殴りかかってくる
 
 
など、とにかく物事が自分のペース、思い通りに動かないと大きな声を出したり泣いて怒ったりしていました
 
 
こちらからすると「なんでそんなことで怒るの?」と思ってしまうぐらい小さなことでも、都度引っかかってくるので、さっと済ませたいようなことも進みません。
 
 
毎日何度も怒るので、私も余裕がなくなってくると「うるさいな!!そんなことで怒らないで‼」と応戦してしまっていました。
 
 
その結果、息子は泣き始めて収集がつかなくなり、どんどん長引いてしまう…こんな負のスパイラルに陥っていました。
 
 
息子のことが理解できないし、毎日の癇癪への対応に気力・体力を使い果たして疲れた…
 
 
「これっていつまで続くの?そのうち落ち着くようには思えない。このまま大人になっていったらどうしよう…」
 
 
私は不安でたまりませんでした。
 
 
 
 
他にも気になることがあったので、保育園や地域の療育センターに相談したり、民間の療育教室に通ったりしてみましたが、癇癪についてはなかなか解決しませんでした。
 
 
もっと他にできることはないかと必死に調べていたところで、発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会い私は対応を変えていきました。
 
 
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2. 自閉症の幼児が癇癪を起しやすい理由

 
 
癇癪について専門機関や周りに相談したとき、「お話ができるようになってくれば変わるよ」と言われたことはありませんか?
 
 
実はその通りなのですが、発達障害・自閉症の子どもの場合はことばが出るようになっても癇癪が減らないことがあります。
 
 
「お話ができるようになれば変わる」というのは、自分の気持ちや感情をことばで説明できるようになれば意思疎通ができ、癇癪も減っていくということです。
 
 
ところが、発達障害・自閉症の子どもはここに苦手を抱えている場合が多くあります。
 
 
なぜでしょうか。
 
 
それは、気持ちや感情をことばで説明するには脳の中で数段階の処理が必要、且つ発信にスキルが伴うからです。
 
 
 脳の発達がゆっくりな子たちは、その習得に時間がかかるのです。
 
 
これが癇癪が多い主な理由の一つです。
 
 
自分の気持ちや感情を人に伝えるには、
 
 
・まず五感で感じる
 
・脳の中で処理をしてどういう気持ちなのか認識する
 
・適切なことばを選んで人に伝える
 
 
という段階を経ます。
 
 
目の前にあるりんごを見て、反射的に「あ、りんご」と言うより高度な発信ですね。
 
 
まず感じたことがどんな気持ちなのか認識するところから、徐々に身につけていくのです。
 
 
 
 
しかし、ことばで上手に説明できるようになるまで待たずとも自閉症児の癇癪を減らす方法はあります
 
 
むしろ、癇癪が頻発している状態では脳が発達しにくいためことばは伸びていきません。
 
 
ことばの発達を加速させていくために、癇癪を軽減する対応法をご紹介していきます。
 
 

3. 自閉症児の癇癪に対する親のNG対応

 
 
正しい対応をお伝えする前に、やってしまいがちなNG対応について触れておきます。
 
 
子どもが癇癪を起こしたとき、始めのうちは穏やかに対応できていても、時間が長くなったり立て続けに連発されたりすると親の方も耐えるのに限界が来ます。
 
 
つい「いい加減にして!!」と言いたくなってしまいますよね。
 
 
ところが、癇癪に対して親が反応して応戦すればするほど、癇癪は繰り返されるのです!
 
 
脳は、繰り返したことがどんどん上手になっていくという性質があります。
 
 
癇癪を起こしたとき親が反応して叱りつけたり、最終的に子どもの要求に応えてしまったりすると、
 
 
・お母さんの注目を得られた
 
・やってほしいこと叶えられた
 
 
誤った学習をしてしまい脳がそれを繰り返すサイクルを作ってしまいます。
 
 
そうすると、以前は我慢できていた小さなことまで怒って解決しようという行動になる等悪化してしまうこともあるのです。
 
 
 
 
癇癪を起こしている最中に、
 
 
・こんなわがままはいけない
 
・きちんとしつけをしなければ!
 
 
と思って厳しく言い聞かせたり叱ったりすることが、実はNG対応なのです。
 
 
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4. 癇癪を乗り越え、自分で感情コントロールができるようになる3ステップ

 
 
 では、癇癪が起きてしまうときはどのように対応したら良いのか。正しい方法をご紹介しますね。
 
 

◆①まず見て見ぬふり

 
 
子どもが癇癪を起こしそうだと感じ取ったら、すかさず目と身体を逸らして気づかないふりをします。
 
 
可能であれば子どもと物理的な距離を取って、目につくところの片付けをしたり本を読んだり、お母さんは思いつく好きなことをしてやり過ごします。
 
 
子どもの感情に巻き込まれないようにすることが大切です。
 
 
このとき、「また怒ってる…!」という怒りオーラを出さないようにしたいので、できるだけ自分のことに集中するよう努めます。
 
 
ただ、年齢的にまだ小さかったり不安が強い等で子どもが追いかけてくる場合もあると思います。
 
 
そのときは心の距離だけ取るようにします。
 
 
そして子どもの発する言動全てに反応するのではなく、次のようにします。
 
 
・良くない行動はスルー
 
・良い行動、または次の行動につながる言動には対応
 
 
例えば工作中、上手くできずに機嫌を損ね、道具を投げたとします。
 
 
一旦は落ち着くのを待ちますが、おさまらずに詰め寄ってきて「お母さんが拾ってよ!」と言ってきたら、こう対応します。
 
 
・ものを投げたこと自体は指摘しない(スルー)
 
・「お母さんが拾ってよ!」は「拾ってって言えたね。」と言って笑顔で応じる
 
 

◆②癇癪がおさまったら、落ち着けたことを褒める

 
 
しばらくして落ち着けたら、それを必ず褒めます
 
 
「自分で落ち着けたね」とストレートに伝えて受け止めてくれるようであればそのまま伝えて良いと思います。
 
 
息子の場合はストレートに言うと怒りを蒸し返すので、落ち着けたらそっと手を繋ぐ、頭をなでる等スキンシップで対応することが多かったです。
 
 
親子共に良い気持ちで、穏やかに会話を終わらせましょう。
 
 
これを繰り返すことで、気持ちを落ち着かせたらお母さんが近寄ってきてくれた、笑ってくれたという経験が積み重なります。
 
 
徐々に「こうした方が良いんだ!」と子ども自身が学習していくのです。
 
 

◆③イライラしてしまったときの対処法を決めておく

 
 
癇癪が落ち着いてきたと感じるようになったら、最後に子どもが自分で感情コントロールができる方法を検討します。
 
 
日々生活していく中で、どうしてもイライラしてしまうことはありますよね。
 
 
そのときに、気持ちを落ち着ける方法を子どもと作戦会議しておきます。
 
 
わが家の場合は、
 
 
・イライラしてきたと感じたら「あ!イライラ虫がきた!」と言う
 
・イライラ虫が来たら、グッと手に力を入れてから深呼吸。そうするとイライラ虫が逃げるという設定にする
 
・深呼吸できたら「イライラ虫逃げちゃった。良かったね~。」と褒めて終わる
 
 
という流れにしました。
 
 
これを、機嫌が良いときに練習してインプットさせておくのがポイントです! 
 
 
「あれ⁉イライラ虫おしりにくっついてるよ!」「3匹も!」などと楽しく練習してみてください。
 
 
そして実際にイライラしてきたときに実行していきます。
 
 
 
 
息子は今では、イライラしそうになると「イライラ虫きてるの!深呼吸だよね。」と自分で感情のコントロールができるようになってきました。
 
 
我慢できずに怒ってしまうこともありますが、ほんの数分でスッと切り替えられます。
 
 
息子の感情に振り回されて私までイライラすることはほぼなくなりました。
 
 
1日の中で笑顔で過ごせる時間が増え、また子育てを楽しめるようになりました!
 
 
5歳前後もまだまだ可愛い時期。
 
 
発達障害・自閉症の癇癪に疲れたお母さんが、また笑顔で育児ができる日が来るよう願っています。
 
 
 
 
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執筆者:諸住乃莉子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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