発達障害の子どもには不安が強いタイプが多くいます。でも実は、お母さんの対応次第で「不安が強いこと」を強みに変えてしまうことができるんです。ここでは不安が強い子どもに授けたい力とは何かを考えていきます。 |
1.不安が強い発達障害の子どもにどう対応していますか?
発達障害の子どもには不安が強いタイプが多くいます。
・「カラスが怖い」「火が怖い」など特定の物を極端に怖がる
・「〇〇が起きたらどうしよう…」となかなか行動に移せない
こんな子どもの様子に悩んでいませんか?
お母さんからしたら「そんなことまで心配するの?」というようなことも多いですよね。「もう!大丈夫って言ってるじゃない!」なんてついイライラしてしまうこともあるかもしれません。
でもちょっと待ってください!実は「不安が強いこと」はお母さんの対応次第で強みに変えてしまうこともできるんです。
今回は不安が強い発達障害の子どもがこれからの時代を生き抜くために、今のうちに授けてあげたい力についてお話ししていきます。
2.どうして不安が強いの?
発達障害の子どもに不安が強いタイプが多いのには理由があります。
それは、発達障害の子どもは嫌なことを記憶しやすいという特性を持っているからです。
そのため
・テレビで大量の蜂が飛んでいる映像を見た
・カラスが頭のすぐ上を飛んで行った
・焼肉を食べているときに目の前で火が燃え上がった
なんていう日常の些細な体験でも、それがきっかけになって特定の物に恐怖心を示すようになってしまうのです。
さらに不安が強い子どもは、頭の回転が早いタイプが多いです。
例えばカラスが怖い子どもは、鳴き声を聞いただけで
・あそこにゴミ置場があるから飛んでくるかもしれない
・そしたら仲間のカラスが次々に集まって来るかもしれない
・自分もカラスに襲われるかもしれない
・怖い!!
という感じでいろんな可能性を考えてしまうのです。だからお母さんがいくら「大丈夫だよ!」と言っても子どもは安心できないんです。
3.不安が強いタイプにしてあげてほしい対応とは?
では不安が強い発達障害の子どもにお母さんがしてあげたいこととはなんでしょうか?
◆①解決法を教える
まず最初にしてあげたいことは具体的な解決法を教えてあげるということです。
不安が強い発達障害の子どもは、先々に起こる危険を予測することは得意です。しかし不安で頭をいっぱいにしてしまい、その先の「じゃあどうすればいいのか?」という解決法までは考えられていない場合が多いのです。
だから、「そうか、怖いんだね」と子どもの気持ちに共感した上で、「怖いんだったら、違う道を通ればいいんだよ」など「〇〇のときは、こうすればいい」という具体的な解決法をきちんと伝えてあげることが必要なんです。
◆②〇〇力をつけてあげる
とは言っても、大きくなれば1人で行動することも増えるし、いつまでもお母さんが解決法を教え続けるのも難しいですよね。
そこで今からやってほしいことが、発達障害の子どもが自分で解決法を見つけて対処できるように、行動力をつけてあげることです。
では子どもに行動力をつけるためにはどうすればいいのか?それはお母さんの声かけで子どもにたくさん自信をつけてあげることです。
・「起きれたね!」「歯磨きできたね!」と子どもの行動をそのまま口に出す
・「ありがとう」とたくさん伝える
・「今何読んでるの?」などと子どもの行動に興味を示す
こんな風に子どもを肯定する声かけを増やすことで発達障害の子どもに自信をつけることができるんです。
子どもは自分の行動を肯定されると自信がつきます。そして、自信がつくと自分で考えてどんどん行動できるようになっていくんですよ。
実は「不安が強い」というのは一見短所に見えますが、行動力をプラスしてあげれば強力な武器に変わります。不安が強いということは、身の危険をいち早く察知できるということです。
今、私たちを取り巻く環境はどんどん変化しており、子どもたちが大人になる頃には、今の当たり前が通用しなくなっている可能性が高いです。
AIに仕事を奪われ、今まであった職業がなくなるなんていう未来もそう遠くはありません。つまり、これからの時代で必要なのは、変化や危険を察知していち早く動ける力なんです。
不安が強い発達障害の子どもは、変化や危険を察知する能力をすでに身につけています。あとは、行動力を身につけてあげればいいだけなんです!
お母さんの声かけで、発達障害の子どもに、これからの時代を生き抜く力をしっかりつけてあげてくださいね!
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)