発達障害ADHDの子どもにはソーシャルスキルが重要で、診断があってもなくてもママとのコミュニケーションでトレーニングが可能です。挨拶や順番待ちなどのスキルを教えることで、集団生活のトラブルを減らし、成長機会を増やせます。
【目次】
1.発達障害の診断よりも大切にしたいこと
2.ADHDの子ども達の原因と必要なソーシャルスキル
3.ソーシャルスキルトレーニングはママとのコミュニケーションでOK
1.発達障害の診断よりも大切にしたいこと
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断があってもなくても、幼児を育てていての困りごとはたくさんありますよね。
周りのもっと小さい子でも言うこと聞いてるのに
指示やルールと全く違う行動しちゃう
思い通りにいかなくて、お友達に手を出してしまう
こんなお子さんの様子を見て不安になっていませんか?
我が家の4・5歳のADHDタイプの兄弟たちも、
・何度叱ってもやめてくれない、ルール無視で大暴走
・公共のものだろうが、何だろうが、あらゆるものを破壊してしまう
と手を焼いていました。私は周囲の人の目も気になって、余計に困ってしまってました。
実は、発達障害の有無にかかわらず、ママが子どもへの対応をいつもと別の対応に変えると、子どもがスッと落ち着くことがあるのです。
別の対応に置き換えるだけで、ママ自身も対応に困らず疲れずにすむので、気持ちが落ち着きますよ!
2.ADHDのルールが守れない原因と必要なソーシャルスキル
ルールを守れない・落ち着かない原因は脳の発達が未熟であることとストレスです。
脳の特性とネガティブな言葉や対応で自信を失くしていき、「不注意・多動・衝動」といった特徴が現れるのです。
それを解決するのがソーシャルスキル!
ソーシャルスキルとは、人間関係を円滑にこなせる技術や能力のことです。
つまり人や社会とうまく関わっていくために必要なスキル。上手に断る、イライラや怒りを解消するなどさまざまなものがあります。
これらのスキルを身につけることで、他人と円滑に関わり、集団生活でのトラブルを減らし、社会的な活動に積極的に参加できるようになります。
3.ソーシャルスキルトレーニングはママとのコミュニケーションでOK
ソーシャルスキルトレーニングとは、対人関係やコミュニケーションのスキルを向上させるためのトレーニングです。
特に、発達障害やグレーゾーンの子どもたちにとって重要なスキルを具体的に教え、練習することで、日常生活でも使えるように手助けます。
一般的には、専門職の方が絵カードやワークシートを使って学んだり、正しい行動やコミュニケーションの方法を実演し、子どもたちはそれを見て学びます。
ご家庭では、なかなか一般的なソーシャルスキルトレーニングのやり方を実践するのは時間もかかるし、面倒でなかなか難しいかなと思います。
ですが、おうちでママとお子さんの普段からしている会話も、ほんの少し意識することでトレーニングになるのです!
親子の普段の会話でできるトレーニング方法を紹介します。ぜひ、試してみてくださいね!
◆順番を守れるようになる声かけ
「コラ!順番守って ちゃんと列並びなさい!」という声かけはNG!次のように3段階に分けて声を書けすることで正しい行動を促すことができます。
①並んでるお友達の前に行かなかったね!(褒め)
↓
②一番後ろのお友達の後ろで待とうね!(指示)
↓
③よくできたね! ママ、ちゃんと見てたよ!(褒め)
このように、指示したいことの前後に「褒め」を挟むことで、子どもが素直に行動してくれるようになります。
◆子どもがなかなか行動できないときの声かけ
褒めを挟むことで素直に行動してくれるお子さんがほとんどですが、中にはうまくいかないこともあります。
子どもの気分が乗らなかったり、子どもが「ちょっと難しいかも…」と身構えたりしているときは、褒めを挟んでもなかなかうまくいきません。
そんなときにはぜひこの一言を付け加えてみてください!
「できるかどうかは別として」
まずは1回やってみる?
順番に並んでみる?
先生やママのお話聞いてみる?
この一言で、「うまくできなくても大丈夫なんだ!」と子どものハードルをぐっと下げることができます。
大事なことは、ママが感情を落ち着かせて声をかけること。上の例のように、列に並んでほしい、順番を守ってほしいときは周囲の目も気になります。
どうしてもママも焦ったりイライラしたりしてしまいがち。
そんなときこそ、ママが落ち着いて行動できるとお子さんも落ち着いて行動できるようになります。
ADHDタイプの子育てには周りの大人の考え方や捉え方を変えてあげることも大切です。
困りごとも本当は強みが隠れているかもしれません。
親子ともに変化・成長していくことができます!
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執筆者:多良 みのり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)