これが算数の新常識!指を使って計算する子どもを算数嫌いにさせない方法

 

いつまでも指を使って計算している子どもを見て心配になるかもしれません。けれども指を使って計算することは、計算が苦手な子の数の理解を深める上でとても大切なステップなのです。
 

【目次】

1.指を使って計算してもいい!
2.脳の発達が関係していた!指を使って計算する理由
3.指を使って計算する子を算数嫌いにさせない新常識

 
 

1.指を使って計算してもいい!

 
 
小学生になっても指を使って計算している子どもを見て、
 
 
「いつまで指使ってるの?」
 
「指を使わなくてもできるでしょ?」
 
「指を使っちゃだめ!」
 
 
こんな声かけをしていませんか?
 
 
子どもに声をかけるとき、いつでも考えてほしいのはその言葉で子どものやる気を引きだせるかどうか?という点です。
 
 
特に、子どもが苦手だと感じていることに関しては要注意です。
 
 
いつまでも指を使って計算している子どものほとんどは、計算が苦手だと感じています。
 
 
1問解くのにも時間がかかり、頑張って解いた問題は間違いだらけ…
 
 
そんな辛い状況にいる子どもも少なくありません。
 
 
それでも、一生懸命指を使って計算しています。
 
 
それなのに、「そんなやり方ではダメ!」頭ごなしに否定されると子どものやる気が一気に減退するのは無理もありませんよね。
 
 
 
 
 
 
とはいえ、このまま指を使って計算していては学年があがるにつれ難しくなっていく算数の授業についていけないのではないか?
 
 
お母さんには、そんな不安や心配がつきまとうと思います。
 
 
結論から言うと、いつまでも指を使って計算していても大丈夫です!
 
 
なぜそう言えるのか、説明しますね。
 
 
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2.脳の発達が関係していた!指を使って計算する理由

 
 
一般的に、小学校入学以降は指を使って計算しない方がよいとされています。
 
 
一体なぜ指をつかわない方がいいのでしょう?
 
 
暗算をするときの脳の仕組みから紐解いてみましょう。
 
 
<暗算をするときの脳の働き>
 
 
①数字や式を見て、その情報を脳に送ります
 
②計算の手順を考えます
 
③数の大きさを理解し、操作します
 
④計算の途中経過や、導きだした結果を一時的に留め置きます。
 
⑤一連の作業を記憶して、テクニックやパターンをくり返しスムーズに再現します
 
 
このように様々な脳のエリアがスムーズに連携してはたらくことで暗算がスラスラとできるようになるのです。
 
 
つまり、指を使わずに暗算をすることで、これら様々な脳のエリアの連携と発達が促せるということです。
 
 
それならやはり、指は使わない方がいい?
 
 
いえいえ、これにはあることが大前提となっているのです。
 
 
その大前提とは、「様々な脳のエリアがすべてバランスよく発達している」ということです。
 
 
 
 
指を使って計算している子どもたちは、①~⑤の脳の働きの中でどこかに未発達な部分があり、それを指で補っています。
 
 
たとえば、①の数字や式を見てその情報を脳に送る際、
 
 
脳に一時的に留め置くことができないと、それ以降の動作を続けることができません。それを補うために指を使います。
 
 
また、③の数の大きさや理解が不十分な子には、具体物を使って数えるという経験を繰り返すことが必要です。
 
 
このように、指を使って計算することで、目からの情報として数を捉え、具体的に数の操作のイメージができるのです。
 
 
ですから、指を使って計算することは、数の概念がまだしっかりと形成されていない計算が苦手な子どもにはとても有効なのです。
 
 
無理に指を使わないようにさせると逆に数の理解が浅くなり、混乱を招く可能性があります。
 
 
大切なのは、子どもが自分のペースで数の概念を身につけていくことを見守ることです。
 
 
指を使って計算することが必要な時期もあるということを理解し、焦らずにサポートしてあげましょう。
 
 
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3.指を使って計算する子を算数嫌いにさせない新常識

 
 
計算が苦手
算数が嫌い
勉強嫌い
学校嫌い
 
 
といった負のスパイラルを引き起こすことだけは、絶対に避けたいですね。
 
 
その為に、どうすればいいか?
 
 
まずは、指を使って、時間をかけて、計算問題に取り組んでいる子どもたちの努力を認めて褒めてあげてください。
 
 
そして、苦行のような計算練習の時間できるだけ短くしてあげましょう。
 
 
なぜなら、ヒトの脳は、楽しい活動に夢中になっているときに発達するからです。
 
 
特に子どもの興味や好奇心は、脳の発達をググっと加速させます。
 
 
計算ドリル1ページを嫌々やるよりも、
 
 
「あと何点ゲットすれば、ゲームのステージをクリアできるか?」
 
「このお菓子を買うのにはいくら必要か?」
 
「目的地には何時ごろに到着するだろう?」
 
 
というように、心ときめく活動の中で計算をする機会を増やす方が、効率よく脳を発達させることができます。
 
 
ぜひ一度、遊びや活動に夢中になっている子どもの言動をよーく観察してみてください。
 
 
 
 
楽しい活動の中では、「これ、まだ学校で習ってないよね?」というような難しい計算さえも、難なくやっていることに気づくはずです。
 
 
計算ドリルを睨めつけながら親子バトルを繰り広げるよりも、楽しい活動の中で、生活に関連した計算をする方が、子どもの計算力は伸びる!
 
 
これが、算数教育の新常識です!
 
 
さあ!計算ドリルはサッサと閉じて、子どものやりたい!という活動に没頭させましょう!
 
 
 
 
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執筆者:草なぎりみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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