ゴミをゴミ箱に捨てる、そんな簡単なことがどうしてできないの?とお悩みのママへ。生活習慣を身につけて確実に習慣化させるコツを見つけました。ぜひ、これからの夏休みに試してみてくださいね。
【目次】
1.ゴミをゴミ箱に捨てない子どもにため息をついていませんか?
2.発達障害の子どもがゴミを片付けられない理由
3.ゴミをゴミ箱に捨てるようになる!生活習慣を身につける3ステップ
①ゴミ10個見つけたら1ポイントあげちゃうよ
②考えなくても手が伸びる位置にゴミ箱を置く
③習慣化のコツは行動をほめ逃さないこと
1.ゴミをゴミ箱に捨てない子どもにため息をついていませんか?
おやつはテーブルで食べているはずだけど、なぜかリビングのあちこちにお菓子の包み紙が散乱している。
子どもがお菓子の袋やティッシュなどのゴミをゴミ箱に捨てずにテーブルや床にポイポイと置きっぱなしにする…
そんなお悩みありませんか?
掃除の度に、まずゴミを拾い歩くのはとてもストレスですよね。
「もー!ちゃんとゴミをゴミ箱に捨ててよ!」と文句のひとつも言いたくなります。
毎日の家事、育児にお母さんは忙しいんだから、ちょっと捨てるくらい協力してくれてもいいのに…とため息が出ることもありますよね。
たとえゴミ箱が目の前にあっても、捨ててくれない子どもが多いのは、どうしてなのでしょうか。
2.発達障害の子どもがゴミをゴミ箱に捨てない理由
ゴミ箱に捨てるという認識があっても行動が伴わないのは、子どもなりの理由がいくつか考えられます。
・捨て方がわからない
・捨てるのがめんどくさい
・ゴミ箱が匂うからあけたくない(特にキッチンのゴミ箱)
・わかってはいるけど、ついつい忘れてしまう
まずは、捨て方がわからない、という場合についてご説明します。
例えば、燃えるゴミとプラスチックゴミは分けて捨てますよね。
大人にとっては簡単な分別ですが、発達障害の子どもは、ここにつまづきがあることがあります。
どんな素材(種類)のゴミなのか、というところになかなか意識が向かず、子どもにとって「ゴミは全部同じゴミ」として見えてしまうのです。
大人になるとアイドルの顔が全部同じに見えてしまう現象と似たような状況だと考えてみてくださいね。
違いが覚えられないので、分別できずに困ってしまうのですね。
また、めんどくさいという点について、ゴミを捨てることを細かくみてみると、
①燃えるゴミなのか資源ゴミなのかなど種類を認識する
②ゴミ箱を探す、いつもある場所を思い出す
③家の中のどこのゴミ箱に捨てるのかを探して決める
④捨てに行くための動作をする
ざっくり見ても4つのことが必要になります。プラスチックゴミを洗う必要があるなら、もっとハードルは上がりますね。
ただ「ゴミを捨てる」という簡単に見えるひとつの行動ですが
・部屋の中からゴミ箱を探すための見る力
・ゴミの種類を理解して、捨てる場所を判断する力
・立ち上がって捨てに行くという動作
これらは、脳の別々の場所を使っているので、脳の処理としては「ひとつのこと」ではないのです。
ですので、しっかり覚えて考えずにできるようになるまでは、子どもが自然にできなくても仕方がないことなのです。
「これは燃えるのかな?燃えないのかな?ゴミ箱ってどこにあったかなー?」と、一回ずつ立ち止まって考える必要があるとしたら。
もう捨てるのめんどくさい!そもそも捨てるという気持ちにもならない、となりますよね。
お母さんは当たり前にできでも、意外と子どもにとっては行動に移すことが難しいということを覚えておいてあげてください。
けれど、大丈夫です!簡単なひと工夫で生活習慣を身につけることができますよ。
キッチンのゴミ箱の匂いであけるのが嫌だと言う場合や、ついつい捨てることを忘れてしまう子どもにも有効な3ステップをご紹介しますね。
3.ゴミをゴミ箱に捨てるようになる!生活習慣を身につける3ステップ
◆①ゴミ10個見つけたら1ポイントあげちゃうよ
まずは、お家のゴミをゴミ箱に捨てる、ということを子どもに楽しく学習してもらいます。
わが家では、お手伝いをしてくれたら1ポイント、1枚のシールを貼ります。
シールが貯まったらごほうびのおやつやおもちゃと交換する仕組みを取り入れています。
楽しい雰囲気ということが重要なので、ママの気持ちがノッているときにしてみてくださいね。私はこんな風に誘っていました。
「はーい!今からお掃除しまーす!このぐっちゃぐちゃの床の中から、ゴミ10個見つけ出して拾ってくれたら、なんと!1ポイントあげちゃうよ!」
ゴミをゴミ箱に捨てると良いことがある!という状態にして、ゲームを仕掛けていきました。
最初は頻繁にしましたが、しばらくすると飽きてきて、やる気がなさそうなこともありました。
そんなときは無理には誘わず、またよろしくね~とサラッと流してママがやってしまいましょう。
まずは、今まで興味もなかったごみ捨てにゲーム性を持たせて、ごほうびを絡めて子どもの興味を向けてあげるのです。
◆②考えなくても手が伸びる位置にゴミ箱を置く
わが家には発達障害の小学生の子どもが二人いますが、ゴミを捨てることはできても分別することは、なかなか難しいということがわかりました。
捨てるとき「これ、どこのゴミ箱に捨てるの?」といつも聞いてきて、簡単に習慣化するほどには覚えられなかったのです。
そこで、子どもたちに専用のゴミ箱をいくつか用意して、ゴミが出たらここに全部捨てていいよ!という風にしました。
子どもがよく遊ぶスペースの近くに置いて、ほどんど動かなくてもポン、と捨てられるようにすることがポイントです。
キッチンまで行かなくていい、においが気になるゴミ箱を開けなくていいことでゴミ捨てに対するハードル自体を下げることができました。
100円ショップにかわいくて小さなゴミ箱もたくさんあります。
一緒に選んで〇〇ちゃん専用だね、と言ってあげるだけで、娘は喜んでお菓子のゴミを捨てるようになりました。
◆③習慣化のコツは行動をほめ逃さないこと
ゴミをゴミ箱に捨ててくれたらすぐに、見逃さずにほめていきたいところですが、いつも子どもを見ているわけではないので、ほめ逃しをしやすいものです。
そこで、ゴミ出しの日にゴミを集めるときに「おっ、こんなに捨ててくれたんだね~!」と必ず喜んで、ありがとうと伝えるようにしました。
わが家の息子は潔癖なところがあり、毎日ティッシュをたくさん使います。
このゴミをゴミ箱に捨てる生活習慣を身につけよう!というチャレンジを続けて1か月ほどしたある日、いつも使っているゴミ箱がいっぱいになっていました。
すると、自分からゴミ箱にかけていたビニール袋を新しいものに取り替えてくれたのです!
ゴミを触るのも嫌がっていた子どもが、そんな成長まで見せてくれました。
捨てる→ほめられるという好循環が回り始めると、子どもの行動は定着しやすくなるので、いつの間にかご褒美がなくても生活習慣が身につくという仕組みです。
こうして、順調にゴミ捨てが定着していきました。
身につけてほしい生活習慣はたくさんあると思いますが、まずはひとつ定着させたい行動を選んで、始めてみてくださいね。
子どもの良い行動をほめ逃さないことが成功の秘訣です!
他にも、食事ができたら自分でごはんをよそう、食事のあとにお皿を下げるなども、同じように身につけることができますよ。
子どもに興味を持たせて、環境を整え、こまめにほめてあげることが、生活習慣を身につけて習慣化するコツになります。
ぜひ、最初はゲーム感覚で楽しみながら試してみてくださいね。
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執筆者:作倉 帆香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)