漢字が苦手な発達障害の子が何回ドリルをやっても漢字が覚えられないのは、「見る力」が弱いからです。ごりごりとドリルをするのは逆効果!楽しく漢字が覚えられる「見るトレ」をご紹介しますね。
【目次】
1.漢字が覚えられない発達障害の子にドリルばかりさせていませんか?
2.漢字が苦手な発達障害の子は「見る力」が弱い!
3.漢字学習に必要な「見る力」はどれだけある?~簡単チェック診断~
4.楽しく漢字が覚えられる「見るトレ」
1.漢字が覚えられない発達障害の子にドリルばかりさせていませんか?
・漢字が覚えられない!
・字が汚い!
・漢字の宿題に時間がかかる!
学年が上がるにつれて、漢字はどんどん難しくなり覚える量も増えていきますよね。
繰り返しが必要!ちゃんと覚えさせないと!と嫌がる子どもに、ドリルばかりさせてはいませんか?
ごりごりと繰り返しドリルをさせても、全然覚えてなーい!ということはありませんか?
実は、漢字の苦手さは学習の中でも目立つ困りごとのため、つい必死になって直そうとしてしまうママは多いです。
しかしその結果、子どもを逆に漢字嫌いにさせてしまったり、親子関係をこじらせてしまうケースが多いのも事実です。
漢字が苦手な発達障害の子にどうやって覚えさせてあげればいいのでしょうか?
2.漢字が苦手な発達障害の子は 「見る力」 が弱い!
そもそもなぜ、発達障害の子は漢字が苦手な子が多いのでしょうか?
実は、漢字の学習方法というと繰り返し書くことが一般的ですが、漢字の苦手さに一番関係しているのは「見る力」なんです。
たくさんの情報の中から、大事なものを素早く見つける力のことで、簡単に言うと「見て選ぶ力」です。
発達障害のお子さんは、この見て選ぶ力が弱い子が多く、そのことが漢字の苦手さに影響していることが多いです。そして、
・字が汚くてマスにおさまらない!
・漢字のバランスが悪い!
・漢字をパーツごとに捉えられない!
といった困りごととして現れてくるのです。
さらに現代っ子は、見る力がそもそも弱くなっているなんて言われています。
生まれたときから身の回りに、テレビやパソコン、スマホ、ゲームがある環境ですよね。
画面が小さく、その幅でしか目を動かしていないのでどうしても目の動きが小さくなってしまうのです。
巷には、数字を探すなどプリントを使ったドリルや〇〇を探せ!などの本を使った伸ばし方もありますが、見る範囲は小さいですし、実際にやらせるとなると大変ですよね。
そこで私は、毎日の声かけで見る力を育てるトレーニング方法「見るトレ」を開発しました!
この「見るトレ」をすれば、漢字が覚えられない子どもを怒らずに、一緒に楽しく学習ができますよ!
・漢字をパーツごとに捉えやすくなる
・お手本を見ながらノートに書くことができる
・漢字の苦手が解消
だけでなく、考える力が育てられます!
さらに、
・朝の支度が進まない
・片づけができない
・忘れ物が多い
・友達トラブル
・登校しぶり
など生活面でのトラブルも解消できるようになりますよ!
まずは我が子の「見る力」がどれくらいあるのか、チェックをしてみましょう!
その後に漢字苦手を克服する、ドリル不要のトレーニング「見るトレ」についてをお伝えしますね。
3.漢字学習に必要な「見る力」はどれだけある?~簡単チェック診断~
それではまず、漢字学習に必要とされる「見る力」がどれくらいあるのかチェックしてみましょう。
次の6つの質問に、YESかNOで答えてくださいね。
◆①探し物が苦手
〇〇を探せ!のように何か探す絵本で見つけるのが苦手。 消しゴムどこ?と言い、目の前にあるのに探せないなど。
◆②文章をよむときに読み飛ばしがある
推測して読んでいる。テストで2つマルをしなさいなのに1つしかしてないなど。
◆③掃除が苦手
テーブル拭きをしたときに汚れが残ったままなど。
◆④ボール遊びが苦手
ボールの行方を目で追えていないなど。
◆⑤初めての場所が苦手
初めてのことや場所が苦手で、ソワソワするなど。
◆⑥公園などの外遊びをすることが少ない
ゲームとかテレビのメディア時間が1日2時間以上など。
どうでしょうか?何個当てはまりましたか? 全部あてはまります、なんていう方もいますよね。
YESの数が多ければ多いほど見る力が苦手な傾向があります。発達障害のお子さんは、3個以上というお子さんが多いのではないでしょうか?
1つでも当てはまれば、ぜひ次にお伝えする「見るトレ」を試してみてくださいね!
4.楽しく漢字が覚えられる「見るトレ」
漢字が覚えられない発達障害の子が漢字の苦手さを克服するのは、見て選ぶ力を育てることです。
その 「見る力」を鍛えるトレーニングが「見るトレ」です。
見るトレの具体的な方法をご紹介しますね。
例えば、遊園地です。
観覧車に乗ったら、上から見える景色の中から
「青い車、何台あるかな?」
「緑の屋根のおうち、探してね!」
「下で待っているお父さん、どこかな?」
「帽子をかぶっている人、何人いるかな?」
ドライブ中であれば、外に見える景色を見ながら、
「赤い屋根の家どこだ?」
「緑の看板探してね!」
など、普段は「もう少しだから静かに乗ってなさい!」なんて怒ってしまいがちな場面でも、発達のチャンスに変えてしまいます。
スーパーの買い物の場面でも、「もう少しで終わるからウロウロしないの!」と言いたくなりますが、ゲーム感覚で食材を探してもらう「見るトレ」に変えちゃいましょう!
飲み物のコーナーなら、
「いつも家族で飲んでいる青いパックの牛乳探してね!」
調味料コーナーで、
「こしょうを探してね」
探すものの難易度を変えると、楽しみやすいですよ!
しかしここで注意していただきたい点が3つあります。
それは、楽しみながら取り組むこと、簡単な課題にすること、見つけられなくても褒めることです。
脳は楽しい時に成長するということをお忘れなく!
いかがでしたか?
このように「○○を探してね!」と子どもとの会話を楽しみながら、たくさんの情報の中から、1つ探してもらうことで、注意深く見る力を育てることができます。
生徒さんからは、
✔画数が多い漢字のケアレスミスが減りました!
✔漢字の苦手が解消しました!
✔間違えた漢字のどこが違うのか、間違い探しのようにして、復習をするようになりました!
✔授業に集中できるようになって学んできたことを教えてくれるようになりました!
✔朝の支度をスムーズに進められるようになって、持ち物の管理もできるようになりました!
など、生活面での困りごとも改善することができるようになったとの嬉しい報告があります。
ぜひ、ごりごり、ガミガミ、苦手なドリルばかりをさせるのはやめて、見る力を伸ばすトレーニング「見るトレ」を試してみてくださいね。
楽しくトレーニングするコツをお伝えしますね!
執筆者:こばやしひとみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)