子どもに発達障害があったり不登校になったりしたとき、その子どもへお母さんの気持ちが集中しすぎてしまうことがあります。そんなとき、きょうだいが「学校行きたくない…」と登校をしぶりはじめたらどう対応したら良いのでしょう?体験談をお伝えします! |
【目次】
1.発達障害で不登校の子どものきょうだいの気持ちは?
2.不登校の子どものきょうだいと、しっかり親子のコミュニケーションはできていますか?
3.お母さんがしっかり向き合うことで、不登校の子どものきょうだいは元気に登校できるようになります!
1.発達障害で不登校の子どものきょうだいの気持ちは?
おうちに不登校の子どもがいるお母さん。いつもお疲れさまです!
不登校の子どもがいると、日々考えなければならないことがたくさんありますよね。「今日は登校できるかな」「家では何をして過ごそうかな」「勉強少しでもできるかな」…
不登校のお子さんが、発達障害の特性を持っていたら、さらに心配事は多いでしょう。
そんな大変な毎日の中で、ある日突然、「私も学校行きたくない!」ときょうだいが言い出したらどうしますか?!
「えー??あなたは元気に学校行ってちょうだいよ!」
「今はあなたのこと考えている余裕はないー!!」
と内心叫びたくなると思いませんか?
我が家の話ですが、5年生の長男が1年ほど前から不登校になりました。長男には2年生の妹がいます。
娘は少し聴覚過敏があり繊細な心を持つパステルちゃんです。お兄ちゃんのことが大好きで、常にお兄ちゃんを真似していろんなことが早くできるようになった女の子です。
発達障害の特性を持つ息子は、小さい頃から幼稚園へ行きしぶったり、行事があるたびに熱を出したり、宿題をするときに癇癪をおこしたりと大変でした。
そんな大変そうなお兄ちゃんを見て育ったためか、娘はなんでも要領よくできてしまう手のかからない子でした。
朝もお兄ちゃんが起きたら起き、お兄ちゃんと一緒に学校へ登校し、放課後はお兄ちゃんやお兄ちゃんの友達と遊ぶという生活。
学校生活はお兄ちゃんなしには考えられなかったでしょう。
そんなお兄ちゃんが学校へ行かなくなり、最初は「今日もお休み?家では元気なのにね。」と言う程度でした。
しかし次第に「学校行かないとダメだよ!」と言って朝起きてこられない息子を無理矢理起こそうとしたり、下校してからは私と息子が話していると怒ったりするようになりました。
そんな娘に私は、「そんなこと言わないでね。」「お兄ちゃんまだ体の調子良くないんだよ。」と言い聞かせ、常に心は息子の心配ごとでいっぱいでした。
娘の気持ちを考える余裕がほとんどありませんでした。
きっと娘は
「お兄ちゃんはずっと家にいてずるい」
「お母さんは私のことわかってくれない」
「私は毎日学校へ行って頑張っているのに、こっちを見てくれない」
と思っていたかもしれません。そして、娘は頻繁に頭痛や嘔吐などの自家中毒症状を起こすようになってしまいました。
2.不登校の子どものきょうだいと、しっかり親子のコミュニケーションはできていますか?
体調が回復しても、「学校行くのこわいよ。行きたくないな。」と言うことが増えていきました。
体調を崩し学校を休む娘を看病しながら、「この子まで不登校になったらどうしよう?!」という不安が私の頭によぎり、とても不安になりました。
そのとき、これまで私は娘が生まれてから常に娘よりも息子のことを考えていることが多かったことに気づきました。「娘は、ほおっておいてもなんでもできるから大丈夫」という気持ちがあったのです。
この頃、息子の不登校に悩み、発達科学コミュニケーションを受講し始めていて、息子と一緒に娘にも肯定的な対応をしているつもりでした。
しかし、「息子を元気にしなきゃ!」という気持ちが大きすぎて、娘とのコミュニケーションがどうしても少なくなりがちでした。
生まれてからずっとお兄ちゃんという、自分より先を進む相手がそばにいて、初めてのことでも安心して前向きにチャレンジしてきた娘。お兄ちゃんが学校へ行けなくなったことで不安だったでしょう。
外では何でもできるけど家ではとても甘えん坊の娘を思い、お母さんに自分のことを見てもらえない、心配してもらえないとますます不安になるのは当たり前だなと反省しました。
そこで、娘が「お兄ちゃんはずるい!私も学校行きたくない。」と言ったときに、ゆっくりと落ち着いた雰囲気でお話をしてみたのです。
私「〇〇ちゃんは、学校行くの大変?」
娘「うん、疲れるし。」
私「そうだよね!いつも大変なのに学校行ってすごいよね!お兄ちゃんもね、学校で疲れちゃうと熱が出たり、勉強がわからなくなったりして大変なんだよね。」
娘「うん、知ってる。」
私「学校ってね、勉強教えてもらえるし、お友達と遊べるし、楽しいところだけど、行くのがすごく疲れちゃったり元気じゃなくなったりする子は無理してまで行かなくてもいいんだよ。〇〇ちゃんも、どうしても行きたくなかったら行かなくてもいいと思うよ。」
娘「えー。学校行かないとダメでしょ。」
私「学校行かなくても、家で勉強したり、違うところで友達と遊んだりすることもできるから大丈夫。」
娘「でも、学校行かなくなったら、□□ちゃんと会えなくなっちゃうし、運動会のリレーできなくなっちゃうよ。」
私「そうだよね!〇〇ちゃんは、学校で得意なことあるもんね!漢字の練習いつもていねいにできてるよね。リレーの練習も頑張っているよね。お友達と遊ぶのも楽しいもんね!お母さんも毎日応援しているんだよ!」
娘「うん!そろそろ学校行ってくるかな!」
このとき、私は本気で、親や先生のサポートを受けても、娘にとっての学校での辛さが変わらないのなら、学校へ行かなくてもいいと思って話をしました。
けれども、娘は今の学校生活で勉強にもついていけている、娘自身も学校の授業に前向きに取り組んでいる、友達とも仲良くできている、担任の先生も少し繊細な娘のことを理解してくれている、といった良い状況がありました。
問題があったのは私の対応で、私の対応次第で必ず前向きに学校へ行けるようになる!と思って話をしたのです。
その日以来、私は娘と一緒に過ごす時間、それまでよりも娘に集中して肯定的な声かけを増やしていきました。
「学校お疲れさま!」
「学校うるさくなかった?大丈夫?」
「疲れたね、おやつ食べようか。」
「宿題やってるんだね!早いね!」
「もう明日の準備終わったの?!」
「学校であったこと教えてくれてありがとう!」
「先生が○○ちゃんはこんなことがうまくできて素晴らしいって言ってたよ!」
など、ねぎらいの言葉と褒め言葉のシャワーを浴びせるように声をかけていきました。そして、娘がお兄ちゃんに対して暴言を言ったときには叱らずスルーするようにしました。
息子に対して
「ごめんね、○○ちゃん疲れていて八つ当たりしちゃってるんだよね。怒るともっとイライラしちゃうんだ。無視して逃げていいからね。」
と娘の気持ちと、対処法を説明するようにしました。
3.お母さんが子どもとしっかり向き合うことで、不登校の子どものきょうだいは元気に登校できるようになります!
私が娘の気持ちに寄り添った対応をするようになり、娘は息子に対して「学校行かないとダメだよ!」と言うことがなくなりました。体調を崩すことも少なくなりました。
まだ時々、学校で疲れて帰ってきて、学校へ行っていないお兄ちゃんを見てイラッとすることはあります。
宿題がわからないときに鉛筆や消しゴムを投げたり、私を押し倒そうとしてきたりと、ちょっとした可愛い暴力、暴言もあります。
私は娘がイライラしているときはスルーしています。娘もやってはいけないということはわかっているのです。
それなのにイライラしている気持ちをわかってもらえず、ガミガミお説教されたら嫌ですよね。
お兄ちゃんである息子も、空中を舞う鉛筆や消しゴムをよけることが上手になりました!
「もし、人が嫌な気持ちになるようなことしてしまったら、後でもいいから謝ろうね。」と伝えると、イライラが落ち着いてきた頃、「ごめんなさい」と言ってハグを求めてくるようになりました。
今では、朝は自分で起き、友達と仲良く登校、下校後すぐに宿題と時間割を済ませ、発表会のやりたい役を勝ち取るためにセリフの練習を頑張り、習い事も頑張る!そんなやる気女子に成長しています。
不登校の子どものきょうだいが、同じように学校が辛い場合は学校へ無理に行かせなくても大丈夫です。
けれども、きょうだいが学校で素敵な能力を発揮して楽しく登校できそうな可能性があれば、ぜひその才能を見つけて引き出してあげて欲しいです!
学校にこだわらずに、きょうだいそれぞれの個性をどんどん伸ばしてあげられるお母さんになりたいですね。
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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