発達障害・グレーゾーンの特性の1つに「こだわりの強さ」があります。親子ともにこだわりが強いと、お互いの意見がぶつかって大ゲンカに発展してしまうこともあります。親子のこだわりをぶつけ合わずに上手く活かす方法をお伝えします。 |
【目次】
1.親子で発達障害・アスペルガータイプのこだわりの強さがぶつかり合って大ゲンカ!
2.自分のこだわりが正しい!と思って押し付けてしまうことの問題とは?
3.親子のこだわりをぶつけ合わずに上手く活かす方法
1.親子で発達障害・アスペルガータイプのこだわりの強さがぶつかり合って大ゲンカ!
発達障害・アスペルガータイプの人の特性の1つに「こだわりの強さ」があります。
特にお母さん自身がこだわりが強いタイプだと、家族に「こうするべき」「ああするべき」と押し付けてしまいがちです。
「こだわり」を持つことは良い時もあります。こだわりの強さが、良い仕事ぶり、よい暮らしを作っている時もあります。
ですが、発達障害・アスペルガータイプの人が持ってる「こだわり」は、自分だけでなく周囲の人を追い詰めてしまうこともあります。
もし、お母さんと子ども両方に発達障害の特性があって、こだわりが強い場合。お母さんと子どものそれぞれの「こだわり」がぶつかり合って大ゲンカになってしまうことがあります。
例えば子どもが学校から帰宅した時、お母さんとしては
① 帰宅後すぐにランドセルの中身を出す
② 宿題に必要なドリルやノートを勉強机に出す
③ 教科書とノートを教科別に本棚に片付ける
② 宿題に必要なドリルやノートを勉強机に出す
③ 教科書とノートを教科別に本棚に片付ける
といった順番で、絶対にやってほしい思っていました。
しかし子どもは、学校から帰ったらすぐにお菓子を食べながらテレビを見ることが、ルーティーンとしてクセづいていたのです。
お母さんのこだわりは、子どものためを思って決めたことなので譲れない。お子さんも、帰宅後は疲れてるのでまずは休憩したい。お互いの主張がぶつかり合って大ゲンカ!
ついにはお母さんは「やれと言ったらやるの!」「何度言ったら分かるの!」そしてここには書けないくらいの暴言にまで発展。お互いがクールダウンするまで5時間ほどかかったそうです。
2.自分のこだわりが正しい!と思って押し付けてしまうことの問題とは?
先ほどの親子のやり取りの中で1番の問題は、お母さんの暴言です。
しかし、それに至るまでのお母さんのこだわりが「子どものためを思ってルールを決めている」といった理由と紐づけられていたことも問題です。
お母さんの「こだわり」は正しいように思える部分もあります。
例えば、提出期限当日の朝になってランドセルの中から、クシャクシャになった重要な封筒が。しかも「お釣りがないようにお支払いください」と一言を見た時の気分といったら、そりゃもう、頭が大噴火ですよね。
ところがです!
この大噴火が、果たして「帰宅後すぐにランドセルの中身を出す」ことを厳守することで防げたかと言うと、必ずしもそうではありませんね。当日の朝まで…とはではいかなくても、もう少し余裕を持たせてあげてもよいでしょう。
子どもの脳はまだ成長途中。指示をしても、子どもが行動に移すまでの時間は、大人が思うよりも長いのです。
こだわりがあろうとなかろうと、子どもの行動を厳しく制限することが正しいわけではない、ということを理解してほしいのです。
3.親子のこだわりをぶつけ合わずに上手く活かす方法
親子それぞれのこだわりのぶつかり合いを避けるには、残念ながら(?)先に親が変わるのが手っ取り早くて有効なのです。
発達障害の人が持つこだわりの強さは、ほとんどの生物が持っている防衛本能が過剰に働いている状態とも考えられます。
お母さん自身で完結できるこだわりは、自分のペースやコンディションを維持するために役立つこともあります。
しかし、子どもや他の家族に負担を与えているこだわりは避けるべきです。
まずは、お母さんが持っている「こだわり」が、他の人に負担を与えてるものかどうか、仕分けましょう。
そして、他の人に負担を与えているものは「お母さんのこだわり通りに進まなくて当然」と考えて、他の選択肢をあらかじめ用意しておきます。
ポイントは、”ちょっとだけ違うやり方や選択肢”を用意すること。今までのこだわりのルールと共通する部分を残しながら、少し違う部分を入れてあげる感じです。
選択の幅が広がると、お母さんの思い通りにいかない時でも、イライラせずに柔軟な対応ができます。お子さんのこだわりも、少しだけ違う選択肢を用意してあげることで改善していきます。
お子さんがかんしゃくを起こした時は、取り合わずに「スルー」します。かんしゃくに取り合うと、お子さんのこだわりとかんしゃくが余計に癖づいてしまいます。
こだわりが緩むと、思い通りに物事が進まないときに「じゃあ、こうしよう!」という発想が生まれます。お子さんが新しい発想をしたときには「いい発想だね!」と褒めてあげてください。
お母さんとお子さんの「こだわり」に少し幅を持たせるだけで、こだわりのぶつかり合いを避けて親子で発想が豊かにになりますよ。
執筆者:渡辺みゆき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)