発達がゆっくりな子の登園しぶりは、単なるわがままではありません。「行きたくない」の裏には、「行く準備ができていない」という理由が隠れています。発達ゆっくりさん特有の原因を解説し、笑顔で登園できるようになる3つの具体的な方法をご紹介します。
【目次】
1.お子さんの登園しぶりの原因に心当たりがありますか?
2.登園しぶりは「行きたくない」のではなく「行く準備ができていない」
3.発達ゆっくりさんが笑顔で登園できる3つの秘密
1.お子さんの登園しぶりの原因に心当たりがありますか?
お子さんの登園しぶりに悩んでいませんか?
・朝になると、子どもが「行きたくない」と言い出す
・毎日のように癇癪を起こしてしまう
幼稚園や保育園に慣れるどころか、どんどん行きたがらなくなっているお子さんの「登園しぶりの本当の原因」に、心当たりはありますか?
実は、発達がゆっくりなお子さんの登園しぶりは、単なる「気分の問題」ではありません。

多くの場合、「生活スキルがうまく身についていないこと」が原因になっています。
・うちの子、家では元気なのに、なぜか園には行きたがらない…
・先生から「慣れるまで見守りましょう」言われたけれど、なかなか変化がない
もし、そんな不安を感じているなら、これからお伝えする方法が役に立つかもしれません。
2.登園しぶりは「行きたくない」のではなく「行く準備ができていない」
幼稚園や保育園は、法律で通園が義務付けられているわけではありません。
そのため、先生方の対応も「無理しないでくださいね」と言われることが多いですよね。
でも、親としては小学校入学を考えたときに、「今のうちに解決しておきたい」と思うのが本音ではないでしょうか。
特に、発達がゆっくりなお子さんの場合、園に行くことがつらくなる背景には、「行くための準備が整っていない」という要因があります。
例えば…
・朝の支度に時間がかかりすぎてしまう
・自分で準備をするのが難しいため、出発が遅れてしまう
・園での生活に不安を感じ、ストレスが強くなる
お母さんと離れ、頼れる人がいない環境で過ごす準備ができていないと、登園すること自体が負担になってしまいます。

では、どうすれば「行きたくない!」を「行ける!」に変えられるのでしょうか?
発達がゆっくりな子には、周りと比べてできていないことがあります。
それは、発達がゆっくりで今できないだけで、その子にあった方法でお母さんがサポートすれば必ずできるようになります。
次項で、発達ゆっくりさんのための生活スキルが身につく秘訣をご紹介します。
3.発達ゆっくりさんが笑顔で登園できる3つの秘密
発達ゆっくりさんが笑顔で登園するには、「行きたくない」ではなく、「できないことが多すぎてつらい」という気持ちを少しずつ解消していくことが大切です。
そのために、お家で簡単にできる3つの取り組みを詳しく解説していきます。
◆小さな成功体験で自信を育てる
発達がゆっくりなお子さんの登園しぶりの背景には、「できないことが多すぎて自信を失っている」という要素があります。
朝の支度がなかなか進まないお子さんに、「早くしなさい」と言っても、焦るばかりでうまくできないことが多いですよね。
そこで大切なのは、「小さな成功体験を積み重ねること」です。
例えば、「靴を履く」だけを目標に設定し、それができたら「靴履けたね!」としっかり肯定する。
また、支度を「顔を洗う」「歯を磨く」といったスモールステップに分けて、達成しやすいように工夫する。
このように、「達成できるハードルを低くする」ことで、お子さんが「自分もできるんだ!」と実感しやすくなるのです。
◆行動力を引き出す仕組みを作る
発達がゆっくりなお子さんにとって、支度を始めること自体が大きな壁になることがあります。
「朝の準備が進まない」というお悩みを持つお母さんは多いですよね。
特に、「どう始めたらいいのか分からない」「何をすればいいのか分からない」といった状態では、行動に移すことが難しくなります。
そこで有効なのが、「行動を自分で選ぶ」ことです。
例えば、「先に靴を履く?それとも歯を磨く?」と聞くと、子ども自身で選び、動き出しやすくなります。
ポイントは、「指示を与える」のではなく、「自分で選ぶ」環境を整えることです。
自分で決めたことは、より実行しやすくなるため、行動力を引き出しやすくなります。
◆感情をコントロールできる力を育てる
登園前の朝、突然お子さんが泣いたり、怒ったりすることはありませんか?
「昨日までは普通に行けていたのに、なぜ急に?」
実はこれは、「園が嫌いになった」のではなく、「不安や混乱が原因で感情が爆発している」ことが多いのです。
そこで重要なのが、親が子どもの感情を代弁してあげることです。
例えば、「発表会の練習が怖いのかな?」「給食の準備が難しいと感じているんだね。」
こうした声かけをするだけで、お子さんの気持ちは整理され、安心感を得られるようになります。
子どもはまだ、自分の気持ちをうまく言葉で表現できないことが多いため、親が気持ちを言葉にしてあげるだけで、登園に対するストレスが減ることがあります。

この3つのポイントを、お子さんの発達の順序に沿って取り入れるだけで、登園しぶりは驚くほど変わります。
親ができることは、無理やり登園させることではなく、「お子さんが安心して登園できる環境を整えてあげること」。
焦らず、少しずつ取り入れてみてくださいね。
発達の順番を詳しく知りたい方はこちらを見てくださいね。
執筆者:松下かよ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)