登校しぶりには脳を回復させる休ませ方が大切です。学校を休んだ方がいいサインと「休ませても大丈夫」と思えるヒントを元教員と登校しぶりを経験した母親の両方の視点からお伝えします。
【目次】
１．登校をしぶる子どもの心を回復させるストレスゼロ期間
子どもが「学校休みたい…」と登校をしぶったとき、「休ませたら行けなくなるんじゃない？」「勉強が遅れたらどうしよう」と、不安になるママも多いですよね。
でも実は、「学校を休ませて疲れた脳を回復させる」という選択が、結果的に登校をスムーズにするんです。
そして、ただ休むだけではなく、「どう休ませるか」＝休ませ方がとても大事です。
学校に通い出すまであまり目立たなかった繊細さが、学校という刺激の強い環境で現れてくるお子さんのことを、私は“かくれ繊細ちゃん”と呼んでいます。
・不安が強く、初めての場所や人が苦手
・人の気持ちを敏感に察する
・音や匂い、味などに敏感
・頑張りすぎてしまう
・感情のコントロールができない時がある
・疲れやすい
このようなストレスがかかりすぎてしまってメンタルが落ち着いていないと、学校に行こうとは思えません。
まずは、心と脳を落ち着かせるための「ストレスゼロ期間」を作ってあげてください。
ママの心の中にも、いろんな葛藤があると思います。
「学校に行かせたい」「ちゃんと行かせなきゃ」という思いと、「子どものしんどさに応えたい」という気持ち。
ですが、休むことは未来につながるチャンスなんです！
弱っているときに無理に行かせるより、休むことで笑顔が増えて“その子らしさ”が育っていく。
「休ませても大丈夫」と、どしんと構えられるママの姿が、子どもの安心と回復の土台になります。
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２．登校しぶりで学校を休んだ方がいいサインとは？
「昨日まで元気だったのに、急に行きたくないと言い出した」
「怒りっぽくなり、癇癪が増えた」
そんな変化を感じたことはありませんか？
こうした変化は、「学校 休んだ方がいいサイン」かもしれません。
判断のひとつの目安は“今までできていたことができなくなっていないか？”です。
・朝の支度が進まない
・宿題に取りかかれない
・頭が痛い、お腹が痛いと言う
・笑顔が減った
これは怠けではなく、脳が疲れているサインです。
特に「かくれ繊細ちゃん」は、学校でもおうちでも気づかれにくい存在。
ママがこのSOSに気づいてあげることこそ、回復の第一歩なんです。
３．元先生の私が「休ませていい」と思えた瞬間
私は、元小学校の先生です。
娘に「学校を休ませていい」と言えるまでには、長い時間がかかりました。
私自身、学校に行くのが当たり前の環境で育ちましたし、先生としても「どうしたら楽しく登校できるか」をずっと考えていました。
だからこそ、わが子には「休んでいいよ」と言えなかったのです。
「わが子の登校を諦めたくない」という思いが、心の奥にずっとありました。
ですが、無理に行かせようとした結果、娘は苦しみ、「学校行けなくてごめんね」「私ダメな子だよね」と泣かせてしまったことは、今も忘れられません。
学校という場所は、ルールから外れることを許してくれない環境です。
私も「子どものため」と信じて、昼休みまで使って漢字テストをやり直させていました。
でも、それでは漢字に嫌な記憶しか残らないのです。
私が「学校に行かせること」を手放し、脳の仕組みを理解して“回復の期間”を作ったら、娘は笑顔を取り戻し、本来の姿に戻っていきました。
そして「これしてみようかな」と、自分から挑戦を始めたのです。
その時、私の中で確信が生まれました。
「この子は大丈夫。私たち親子は大丈夫。」
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４．今日からできる！脳を回復させる休ませ方
◆①ストレスゼロ期間を作る
脳を回復させて、登校をスムーズにするには「ストレスゼロ期間」を作ることです。
ストレスゼロ期間を作るには、いくつかの選択肢があります。
・しばらく学校を休ませる
・学校に行かせながら、おうちでストレスをゼロにする
・休む日を定期的に入れながら、ストレスをゼロにする
どれが正解かではなく、「今のお子さんに一番必要な形はどれ？」と考えることが大切です。
焦らず、脳が落ち着く時間を作ってあげましょう。
◆②「３S」で脳を落ち着かせる
ストレスゼロにするためにしてほしいことが「３S」です。
「３S」とはスマイル、スウィート、スローの３つです。
ママの穏やかな声かけが脳に届きやすくなり、神経回路が落ち着きます。
・スマイル：笑顔
・スウィート：優しい声
・スロー：ゆっくりと間をとって話す（矢継ぎ早に言わない）
褒めるときも、指示を出すときも、３Sで話すのがポイントです。
（例）笑顔で「お風呂早く入れたね」→ 満足した顔を見てから「じゃあご飯たべよっか」
３つ全部やるのが難しい日は、
「今日はとにかく笑顔を徹底する！」
「今日は間をとって話そう♪」
など、一つずつでOKです！
休むことは悪いことではありません。
ストレスゼロ期間を作って、親子の笑顔を取り戻しましょう！
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執筆者：はぎはらさゆり
（発達科学コミュニケーショントレーナー）
