お子さんとの会話がママからの一方通行になっていませんか?それ、親子関係の問題ではないかもしれません。もしかしたら、発達障害の子どもの脳を育てるチャンスを奪っているかも!?子どもを「待つ」時間を生かして、脳を成長させる方法をお伝えします。 |
【目次】
1.親子関係の問題?お子さんを待ってあげられていますか?
ママ「今日学校どうだった」
子ども「…」
ママ「何の授業があったの?」
ママ「給食全部食べられた?」
子ども「…」
ママ「学校楽しかった?」
子ども「…」
ママ「もう!学校が楽しかったかって聞いてるでしょ!!」
子ども「…うん」
お子さんとの会話、このように一方通行になっていませんか?
この例では、お子さんが返事をする前に、お母さんが矢継ぎ早に質問を浴びせています。その結果、ほぼお母さんがしゃべってしまっていますね。
お母さんがお子さんに質問をたくさんするのは、おそらくお子さんが今日1日どのように過ごしていたのか知りたいからだと思います。
しかし、なかなかお子さんは質問に答えてはくれません。でも、答えたくないわけではないのです。もちろん、親子関係が悪いからでもありません。
私は現役で小学校のスクールカウンセラーをしています。そのため、子どもと一対一で話をすることがよくあります。そのときに意識していることを次の章でお話したいと思います。
2.スクールカウンセラーが発達障害の子どもを待てる理由
スクールカウンセラーとして子どもたちと関わっているときのこと。こちらから質問を投げかけたとき、ポンポンと会話のラリーが続くということは、ほぼありません。
質問の後、モゾモゾとしながら、なんとも言えない表情をし、無言でいる子を私はひたすら待ちます。
そうすると、しばらく経ったあとで、たいていポツリと言葉を返してくれます。おそらく、日常の大人の会話のスピードからしたら、信じられないくらい長い長い時間の後に、です。
お母さんも同席している場合、あまりにもお子さんの答えるスピードが遅いので、お母さんが代わりに答えてくださることもあります。
でも、私はお子さん自身の言葉を引き出すことを大切にしています。実は、子どもがしゃべりだす前というのは、非常に脳が活性化しているのです。
それが理解できているからこそ、私は長い時間でも待てるのです。 脳が働いているということは、子どもの成長が加速しているということ。
いざお子さんが話そうとしているところで、お母さんが口を挟んでしまうのは、お子さんの脳を育てるチャンスを奪っているのも同然なのです。
3.上手に子どもを「待つ」方法
上手にお子さんを待つためには、どうしたらよいでしょうか?
まずは、お子さんとの会話がテンポよく進むという前提を捨ててください。大人と同じスピードで会話しようと思わないことです。 子どもがなかなか話しださないな、と思ったら、「しめしめ!今は脳が活性化しているのね!」と考えてみてくださいね。
さらに、お子さんが言葉を発したら、意識して会話のテンポをゆっくり目にしてみてください。上手に待ってあげる時間を取ることで、段々と会話のラリーが続くようになっていくはずですよ。
会話だけではなく、行動も同じです。子どもが自分で何かをしようとしているときに、脳は活性化します。 お子さんの成長のチャンス、ぜひ生かしてみてくださいね!
執筆者:渡辺カナ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)