7歳の癇癪が家だけで激しくなると、「外では頑張れているのに、なぜ?」と戸惑いますよね。そして「そのうち落ち着く」と思っていたのに変わらず、叱るほど苦しくなっていませんか?止めるより先に見直したい関わりの順番をお伝えします。
【目次】
監修者:吉野加容子
発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表
脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。
15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。
病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。
これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。
著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。
1.7歳の子の癇癪が家だけで激しいときにやりがちなNG対応
外では落ち着いているのに、家に帰るとまるで別人のように癇癪を起こす、そんな様子を見ると、
「どうして家でだけこんなに荒れるの?」
「私の関わり方が悪いのかな」
と、不安や戸惑いでいっぱいになりますよね。
そのとき、つい「止める・叱る・言い聞かせる」といった関わりをしてしまいませんか。
実はこの対応、子どもの脳にとっては逆効果になることがあります。
なぜなら、癇癪が起きているとき、子どもの脳はすでに限界状態になっているからです。
そこにさらに「強い言葉・急かす声かけ・正論」が入ると、脳の緊張はさらに高まり、爆発が強くなるという流れが起きてしまいます。
つまり、「止めよう」とするほど強くなる。これが家で癇癪が激しくなる理由の1つです。
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2.外ではいい子なのに家で暴れる理由は「安心」と「脳の限界」
この状態、わがままでも、しつけ不足でもありません。
背景にあるのは、脳にたまったストレスです。
小学校1年生、7歳頃の子どもは、
・先生の声
・友達との関わり
・周囲の空気
など、たくさんの情報を受け取りながら過ごしています。
特に注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)の特性がある子は、情報や感情を強く受け取りやすい傾向があります。
例えば、
・先生から怒られている子を見るだけで強い不安を感じる
・友達の何気ない一言に傷つく
といったことも起きやすいのです。
さらに、自分の気持ちを言葉にすることが苦手という特徴もあり、外では必死に我慢しながら過ごしています。
そして、安心できる家に帰った瞬間、たまっていたものが一気にあふれ出します。
これが、「家でだけ癇癪が起きる」理由です。
つまり、癇癪は頑張ってきた証であり、回復のための放出でもあるのです。
3.外ではいい子なのに家で荒れていた小1の息子と私の体験
実は私の息子も、小学校1年生の頃、同じ状態でした。
学校では問題なく過ごし、先生からは「落ち着いたいい子」と言われていました。
ですが家に帰ると、癇癪が激しくなり、弟に当たることも増えていきました。
兄弟喧嘩が絶えず、そのたびに止めに入りながら、
「どうしてこんなふうになるんだろう」
「私の関わり方が悪いのかな」
と自分を責めていました。
当時の私は、「止める」「抑える」「叱る」という対応を必死にしていました。
ですが今振り返ると、それは息子の脳にとって、ストレスを抜くどころか、さらに緊張を高めていた関わりだったのです。
息子に必要だったのは、行動を止めることではなく、脳にかかりすぎている負担を和らげることでした。
4.家だけ癇癪を起こす子が落ち着いた、ストレスを和らげる関わり方
私が意識したのは、肯定の声かけで「安心できる時間」を増やすことでした。
脳は、安心や心地よさを感じているときに、感情をコントロールする力が育ちます。
そこで大切にしたのが「3S」です。
Smile(にこやかな表情で)
Sweet(やさしい声で)
Slow(ゆっくり間をとって)
関わることです。
この3つを意識して関わることで、子どもの脳は「ここは安全な場所だ」と感じられるようになります。
私が3Sを意識した声かけを増やしていったことで、少しずつ息子の癇癪の回数が減り、気持ちを言葉で出せる場面が増えていきました。
癇癪が激しいときほど、親も余裕がなくなりますよね。
ですがそのときこそ、子どもの脳は限界に近づいています。
だからこそ、「止めるより先に整える」この視点に変えていくことが大切です。
あなたは今、「止める関わり」をしていませんか。
ここを変えることが、最初の一歩です。
▼小1の癇癪対応について動画でも解説しています!
よくある質問(FAQ)
Q1.7歳の癇癪が家だけで激しいのは、甘えているからですか?
A1:外では頑張れているのに、家に帰ると爆発してしまう姿を見ると、「家では甘えているのでは?」と感じてしまいますよね。ですが実際は、学校でたくさんの刺激や緊張を受け続け、安心できる家で気持ちがあふれているケースも少なくありません。特に小1頃は、新しい環境に適応しようと無意識に頑張っている子も多いため、「困った行動」として止める前に、脳の疲れに目を向けることが大切です。
Q2.外ではいい子なのに家で暴れる小1の子には、どう対応したらいいですか?
A2:家で荒れる姿を見ると、つい叱ったり、止めたりしたくなりますよね。ですが、癇癪が起きているときは、子どもの脳が限界に近づいている状態です。そのため、安心できる関わりを増やしていくことが大切です。記事でも紹介したように、にこやかな表情、やさしい声、ゆっくりした関わりを意識するだけでも、子どもの反応は少しずつ変わっていきます。
Q3.7歳の癇癪に毎日振り回されて、叱らない対応ができません
A3:癇癪が続くと、ママも余裕がなくなりますよね。「優しくした方がいい」と分かっていても、毎日続くとつらくなるのは自然なことです。だからこそ、ママが我慢だけで頑張るのではなく、「脳の仕組み」に合った関わり方を知ることが大切です。子どもの行動を止めることよりも、安心できる時間を増やしていく視点に変わることで、親子の関係は少しずつ変わっていきます。
執筆者:大谷むつみ
発達科学コミュニケーショントレーナー
長男が小1の入学1ヶ月で不登校になり、次男に馬乗りになって叩くほど荒れ、家庭は限界寸前に。「日本の教育が合っていないからかもしれない!」と悩み、環境を変えるためのカナダ移住を目指す。
そんな時に出会ったのが発達科学コミュニケーション。「本当に変えるべきは住む場所ではなく、親子のコミュニケーションだった」という価値基準に出会い、子育ての軸が大きく変化。
脳の特性に合った声かけに変えた結果、1ヶ月で兄弟げんかが激減し、1分で気持ちを切り替える子に。問題からの逃避ではなく可能性を伸ばす選択としてカナダ移住を実現。
実体験をもとに、今は「親子の土台づくりが怒り問題を解決する」ことを伝えています。
家でだけ癇癪を卒業!子育てがラクになるヒントを配信しています。