1.不登校で「このままで大丈夫?」と不安になる理由
2.動けない状態を「問題」と捉えていませんか?
①子どもが動けないのは「できない」からではない
②「このままで大丈夫?」と不安になるのはなぜ?
3.不安が強くなるときこそ、見方を見直すタイミング
4.「このままで大丈夫?」と感じたときに見直したいこと
1.不登校の子の春休み「このままで大丈夫?」と不安になるとき
新年度がスタートしても、「このままずっと外に出られなくなったらどうしよう」「このまま動けなかったら…」 そんな不安が強くなることはありませんか?
不登校になると、「このままで大丈夫なのだろうか」と将来が心配になることってありますよね。
時間が止まってしまったように感じたり、周りだけが進んでいるように見えたりすることもあります。そんな中では、わが子だけが動いていないように見えてしまいます。
「このままで大丈夫なのだろうか」そんな不安が、ふと胸をよぎることもあると思います。
わが家も、不登校になった当初は、ほとんど外に出られませんでした。
行ったことのある場所なら短時間。新しい場所は難しい。人が多い時間帯も避ける。
「やりたい」と言いながら、いざとなると足が止まることもありました。
だから私は、「やっぱり今は無理なんだ」と思っていたのです。
同時に、このままではいけないとも思っていました。
何かを変えなければ。どうにか外に連れ出せば、前に進めるのではないかと思っていました。
そう考えて、あれこれ提案し、背中を押し、時には急かしてしまうこともありました。
外に出られることが、前に進むことだと思っていたからです。
でも今振り返ると、あの頃の私は、「みんなが当たり前にできていることができているかどうか」を基準にしていたのだと思います。
学校に行くこと。外に出ること。人と関わること。
さらには、“楽しいはずのことを楽しめているかどうか”まで。
それができていないと、「このままだと将来困るかもしれない」そんな不安が膨らんでいました。
今できていないことを、どうにか早く取り戻さなければと考えていたのです。
でも、本当にそうなのでしょうか。
外に出られない時間は、何も積み重なっていない時間だったのでしょうか。
もしかすると、見直すべきだったのは子どもの行動ではなく、私の“見方”だったのかもしれません。
もし今、「このままで大丈夫なのだろうか」と感じているなら、それはあなたが子どものことを真剣に考えている証拠なのだと思います。
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2.動けない状態を「問題」と捉えていませんか?
動けない状態を見ると、「どうしてできないのだろう」と原因を探したり、「このままではいけない」と問題として捉えてしまうことがあります。
けれど、子どもと親、それぞれの脳で起きていることを知ると、その見え方は大きく変わります。
◆①子どもが動けないのは「できない」からではない
不登校のとき、子どもの行動は確かに減ります。外に出ない。新しいことをしない。人と関わらない。
けれど、それは「できない」のではありません。脳が“守る”ことを優先している状態です。
人の脳は、不安や緊張が続くと、まず安全を確保しようとします。
扁桃体が強く働き、前頭前野の働きが落ちてきます。前頭前野は、考える・計画する・挑戦するを担う場所です。
ここがうまく働かないと、新しいことに向かう力は自然と落ちます。
つまり、挑戦できないのは意志が弱いからではありません。“防御設計”が優先されているだけです。
さらに、不登校の状態ではエネルギーが落ちていることも少なくありません。
うまくいかなかった経験や、「またできなかった」という記憶は、脳に強く残ります。
繊細な気質を持つ子は、ネガティブな記憶をより強く保存する傾向があります。
すると脳は、挑戦よりも回避を選びます。
これは怠けでも甘えでもなく、失敗を避ける設計が働いている状態です。
だから動けない。止まっているように見える。けれど実際には、守りながら整えている時間です。
◆②「このままで大丈夫?」と不安になるのはなぜ?
子どもの行動が減ると、親の脳もまた、不安を感じます。
不安を感じたとき、脳の扁桃体は子どもだけでなく、親の中でも強く働きます。
扁桃体が活性化すると、脳は“最悪の未来”を予測しやすくなります。
これは危険を回避するための、本来は必要な働きです。
けれど不登校の場面では、「今日外に出られない」という事実と、「将来社会で困るかもしれない」という予測が、無意識のうちに直結してしまいます。
前頭前野が落ち着いて働いているときは、“今”と“何年後か”を分けて考えることができます。
けれど、不安が強いときは、脳はその区別を雑にしてしまいます。
今できないことを、この先ずっとできないことのように感じてしまうのです。
それが、「このままで大丈夫?」という不安の正体です。
つまり、子どもが防御モードになるのと同じように、親の脳もまた、防御的な未来予測をしている状態なのです。
けれど、今動けないことと、将来動けないことは、イコールではありません。
ここを結びつけてしまう“見方”こそ、いま見直したいポイントなのかもしれません。
3.不安が強くなるときこそ、見方を見直すタイミング
不登校の時間が少し続くと、最初の混乱とは違う不安が出てきます。
「このままで本当に大丈夫なのだろうか」「いつまでこの状態が続くのだろう」
毎日、家で過ごすわが子を見ながら、何も変わっていないように感じる日が続くと、焦りは少しずつ積み重なっていきます。
昨日と同じ今日。今日と似た明日。
はっきりした変化が見えないほど、頭の中では“先のこと”ばかりを考えるようになります。
人の脳は、見通しが立たない状態が続くと不安を強めやすい性質があります。
先が読めない。終わりが見えない。
そのとき脳は、安心するための答えを探し始めます。
そして出てくるのが、「動かさなければ」という発想です。
でも実は、この不安が強まるタイミングこそ、見方を立て直すチャンスでもあります。
不安がはっきりしてきたということは、無意識に結びつけていた“今”と“将来”を見直せるタイミングだからです。
4.「このままで大丈夫?」と感じたときに見直したいこと
では、不登校で「このままで大丈夫?」と将来が心配になったとき、何を見直したいのでしょうか。
見直したいのは、「できているかどうか」ではなく、「いま子どもがどんな状態にあるのか」という見方です。
今の子どもは、できない状態なのではなく、安心を守ることを優先している状態です。
あるいは、エネルギーを回復している途中ともいえます。
新しいことに向かう準備を、少しずつ整えている段階です。
今動けないことは、遅れているサインではありません。
安心を守りながら、次に進むための準備をしている状態です。
行動が増えていることだけが、成長ではありません。
安心の中でエネルギーが回復し、「やってみようかな」と感じられる状態が整っていくことも、大切な成長のひとつです。
このように、「動けない状態」をどう捉えるかによって、子どもの見え方は大きく変わります。
安心が積み重なり、エネルギーが回復していくことで、「やってみようかな」という気持ちは少しずつ生まれていきます。
その小さな変化の積み重ねが、やがて行動につながっていきます。
つまり、今動けない時間は、「止まっている時間」ではなく、次に動き出すための土台をつくっている時間なのです。
子どもを変える前に、まず親の見方を変えること。
それが、「このままで大丈夫?」という不安に振り回されないための土台になります。
子どもの成長は、行動の量で決まるものではありません。
安心の中で、少しずつ育っていくものだからです。
不登校の時間もまた、その成長の途中にある時間なのです。
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よくある質問(FAQ)
Q1.不登校で外出できないままだと、この先も動けなくなりますか?
今動けないことと、将来動けないことはイコールではありません。 不登校のときは、脳が「守ること」を優先している状態です。安心が増え、エネルギーが回復していくことで、少しずつ「やってみようかな」という気持ちは戻ってきます。今は止まっているように見えても、守りながら整えている時間です。
Q2.何もしていないように見える時間にも、意味はあるのでしょうか?
あります。外に出られない時間は、何も積み重なっていないように見えるかもしれませんが、脳の中では安心を取り戻すプロセスが進んでいます。不安が強い状態では、挑戦よりも回復が優先されます。この時間があるからこそ、その後の行動につながっていきます。
Q3. 「このままで大丈夫?」という不安はどう考えればいいですか?
その不安は、子どもを大切に思っているからこそ生まれる自然な反応です。ただ、不安が強くなると、今の状態と将来を結びつけて考えやすくなります。今できていないことが、この先もずっとできないように感じてしまうのです。まずは「今」と「将来」を切り分けて捉えることが大切です。
Q4. 親は何を意識して関わればいいのでしょうか?
子どもを変えようとする前に、「見方」を見直すことが大切です。動けない状態を「問題」と捉えるのではなく、「守りながら整えている時間」と捉えることで、関わり方は自然と変わっていきます。安心の中で過ごす時間が、次の行動につながっていきます。
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執筆者:有須 みさと
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)