子どものうつ症状は大人とは違うということをご存知でしょうか?HSCや発達障害の子もなりかねない「子どものうつ」とはどんな症状なのか?どう対応したらよいのか?について「親子関係」を軸にお伝えします。 |
【目次】
1.子どものうつって?
みなさんは「うつ」の症状と聞くと、何を思い浮かべますか?
気持ちが落ち込む
やる気が出ない
何をやっても楽しくない
など、いくつかイメージが浮かぶのではないかと思います。
実は子どもにもうつ症状が出ることがあるのです。子どものうつの症状は大人のうつ症状とは異なります。
「子どもがうつ…!?」と意外に思われるかもしれませんが、ひといちばい敏感な子(HSC)や発達障害の子など学校や集団への適応が難しい子が、適切な対応をされない場合、二次障害として、うつ症状が出る可能性があるのです。
次の章以降では、「子どものうつ」ではどのような症状が見られるのか?どのように対応していけば良いのか?について、お伝えしたいと思います。
2.なぜ子どものうつに注意が必要なのか?
先ほどもお伝えしたように子どものうつの症状は、一般的な大人のうつの症状とは異なります。大人のうつは気分の落ち込みなどがイメージされると思いますが、子どもの場合は主に身体症状として表れます。
例えば、頭痛、腹痛などの体の痛み、下痢などがよく見られる症状です。
・学校に行こうとするとお腹が痛くなって、しばらくトイレにこもってしまう
・風邪をひいているわけでもないのに「頭が痛い」と言って、布団から出てこない
・「脚が痛い」と言って、歩くことができない
これらはあくまでも一例です。複数の訴えがあることもあるかもしれませんし、日によって症状やその強さが異なることもあるかもしれません。
子どものうつは、多くの場合、思春期から青年期に発症するものですが、早ければ小学生でも起こり得ます。放っておけば、身体症状のみならず、子どもの行動力が低下したり、子どもが自信を失ったりすることもあり得ます。
また幼児期であっても、対応がよくなかった場合、将来的に早くからうつ症状を引き出してしまう可能性があります。
3.親子関係をスムーズにして、うつ症状への対策を!
子どもに心因性と思われる身体症状などの心配な様子が見られた場合、ぜひその状態がひどくなる前に対応してください。
対応のポイントは、自分があたたかく受け止められているという体験をお子さんに味わわせてあげること。
家でも学校でもそのような環境になることが理想的です。が、まずは1番身近な存在であるお母さんにその役割を担ってほしいと思います。
2人きりで、お子さんがホッとできるようなあたたかいコミュニケーションの時間を意識的にとってみてください。
その際、「学校に行こうとすると、いつもトイレに籠ってるよね」などと症状に触れる必要はありません。 子どもの存在そのものを認めるような肯定的な関わりをするのが理想的です。
お子さんとのコミュニケーション全体が肯定的なものになると、次第に症状は和らいでくるはずです。対応は早ければ早いほど良いです!気になる症状がある場合は、すぐに手を打ってくださいね!
執筆者:渡辺カナ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)