発達障害の子どもを育てていると、ついついできないことばかりに目が行きがちですよね。しかし苦手なことが多いからこそ、お母さんには才能のタネを大切に育ててあげてほしいんです!そこで今回は東京都の国立科学博物館を紹介します。 |
【目次】
1.苦手なことが多い発達障害の子どもたち
2.発達障害の子どもの「個性」とは?
3.子どもの才能のタネを見つけよう!①地球館
◆「地球の多様な生き物たち」(1階)
◆「科学と技術の歩み」(2階)
4.子どもの才能のタネを見つけよう!②日本館
◆「自然をみる技」(1階)
◆「生き物たちの日本列島」(2階)
1.苦手なことが多い発達障害の子どもたち
脳の発達が未熟なために、苦手なことが多い発達障害の子どもたち。
・じっとしていることができない
・すぐに気が散ってしまう
・行動が遅い
・こだわりが強い
・不器用
こんな風に子どもの「できていないところ」に目が行ってしまうことも多いですよね。
「なんで1人だけできないの?」
「どうすれば他の子と同じようにできるようになるの?」
と子どもの苦手をなんとかしようと必死になっているお母さんもいるかもしれません。
しかし、冒頭でお話ししたように発達障害の子どもの「苦手」は脳の特性が原因です。そのため、いくら注意しても改善することは難しく、本人もどんどん自信を失ってしまうだけです。
では、発達障害・グレーゾーンの子どもを持つお母さんにやってほしいこととは何でしょうか?
それは子どもの個性を見つけて大事に育て、才能に変えてあげることです。
といきなり「子どもの個性」と言われても、ピンとこない人も多いかもしれませんね。
そこで今回は、発達障害の子どもの個性についての考え方と、我が子の才能のタネを見つける1つの手段として「国立科学博物館」を紹介します。
2.発達障害の子どもの「個性」とは?
「発達障害は個性の1つ」。発達凹凸の子どもを持つお母さんであれば、こんな言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この言葉に関しては色々な意見があります。ただ、発達障害・グレーゾーンの子どもを持つお母さんには必ず知っておいてほしいことがあります。
それは、個性は子どもの苦手な部分にあるのではなく、得意な部分にあるということです。
発達障害・グレーゾーンの子育てをしていると
「落ち着きがないのも個性よね」
「不器用なのも個性の1つよね」
など「苦手なこと=個性」と言われることが多くあり、お母さんもついつい子どものできていないところに目が行きがちです。
しかし本来、個性とは子どもの得意分野のことです。発達障害・グレーゾーンの子どもを持つお母さんには、苦手なことをなんとかするのではなく、得意なことをどんどん伸ばすことに重点を置いて欲しいのです。
発達障害の子どもの個性を見つけるのは難しいことではありません。我が子は何に興味を持っているのかを知り、それをとことん追求させてあげればいいだけです。
例えば電車が好きな子どもだったら、電車好きが高じて地理に詳しくなるかもしれませんし、機械工学やプログラミングに興味を持つかもしれません。
こんな風に子どもの「好き」は大きな可能性を秘めているのです。
苦手なことが多い発達障害の子どもだからこそ、我が子の「好き」を見逃さずに大切に育ててあげてほしいのです。
3.子どもの才能のタネを見つけよう!①地球館
ここでは発達障害の子どもの「好き」を見つける1つの手段として、東京都の国立科学博物館を紹介します。
国立科学博物館は恐竜をはじめとした地球上の生物の変遷から、近代科学技術の歩みまで幅広い展示が行われている博物館です。
「地球館」と「日本館」の2つの建物で構成されていますので、順番に紹介していきます。
地球館では「地球生命史と人類」をテーマに生命の誕生から、科学技術などの人類の知恵について展示がされています。その中から今回は2つのコーナーを紹介します。
◆「地球の多様な生き物たち」(1階)
こちらの展示室では、様々な生物がどのような工夫を重ねてここまで生き延びてきたのかがわかりやすく展示されています。
実は国立科学博物館では、それぞれの展示室のいたるところに「キオスク」という名前の展示情報端末が設置されています。
画面表示を子ども用に切り替えることもできるので、展示についての理解を深めるのにとても役立つんです。
「どうして牛の腸はこんなに長いのかな?」
「なんでこの植物はこんな形をしているのかな?」
など、子どもとたくさんコミュニケーションを取りながら楽しみましょう。
そしてどんな答えでも、子どもが自分の考えを言えたらたくさん褒めてあげてくださいね。
◆「科学と技術の歩み」(2階)
こちらの展示室では、江戸時代以降の科学技術がどのように発展してきたのかが紹介されています。
江戸時代に作られたからくり人形からエジソンが発明した発電機、ペンシルロケットなど様々なジャンルの機械装置を見ることができます。
普段なかなか見られない機械や装置がたくさんあるため、機械好きな男子にはオススメのコーナーです。
他にも地球館には恐竜の謎に探る「地球環境の変動と生物の進化」や動物のレプリカがズラーっと並んだ「大地を駆ける生命」など様々な展示があります。
4.子どもの才能のタネを見つけよう!②日本館
日本館では「日本列島の自然と私たち」をテーマに日本列島の生い立ちや生き物の進化、人と自然の関わりについての展示が行われています。
その中から今回は2つのコーナーを紹介します。
◆「自然をみる技」(1階)
こちらは日本人の科学技術についての展示コーナーです。顕微鏡、地球儀、地震計、時計などがどのような変遷をたどって開発されたのか?が紹介されています。
実は小1の我が家の息子はこの展示コーナーにどハマり!
例えば地球儀1つ取っても現在の世界地図と描かれ方は全く違いますし、時計に関しては振り子時計の中の仕組みが見えるようにした展示もあります。
子どもの「なんで?」「どうして?」がどんどん出てくるコーナーなんです。
子どもが疑問を持ったらチャンス!子どもに質問されたらお母さんは「まずはよく見てごらん」と声をかけてあげてください。
発達障害の子どもはじっと見ることが苦手な傾向がありますが、好きなことや興味のあることとなれば頑張って観察し始めます。
こんな風に興味関心をうまく使うことで、子どもの観察眼や思考力を伸ばしてあげましょう。
◆「生き物たちの日本列島」(2階)
こちらの展示室では、日本に住む生き物たちがどのようにして独自の進化を遂げてきたのかが紹介されています。
日本に生息するクワガタやセミの標本コーナーもあり、ボタンを押すとセミの鳴き声が出る装置もあります。昆虫好きな子どもには、オススメの展示ですよ。
他にも日本館には海に住む様々な生き物を紹介する「日本列島の素顔」、日本人と自然との関わりの歴史が学べる「日本人と自然」など興味深い展示がたくさんあります。
いかがでしたか?こんな風に、国立科学博物館には様々な展示コーナーがあります。生物から科学技術まで幅広い分野の展示があるため、お子さんの好きなジャンルがきっと見つかると思いますよ。
発達障害の子どもの個性は得意なことにあります。お母さんの手で子どもの「好き」を大切に育てて、素晴らしい才能に変えてあげてくださいね!
――施設詳細――
【施設名】国立科学博物館
【住所】東京都台東区上野公園7―20
【営業時間】9:00〜17:00(金・土は20:00まで)、ただし入館は閉館時間30分前まで
【休館日】毎週月曜、年末年始
【公式サイト】https://www.kahaku.go.jp
※おでかけの際には公式サイトで最新の情報を確認してください。
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)