高学年になったのにまだおねしょをしている…とお悩みのお母さんはいらっしゃいませんか?実は、おねしょと脳の発達には深い関係があるんです。発達障害・グレーゾーンの子どもの「おねしょからの卒業」を後押しするママのコミュニケーションとは? |
【目次】
1.あの坂本龍馬もおねしょをしていた?
高学年になったわが子がまだおねしょをしている…とお悩みのお母さんはいらっしゃいませんか?
「おねしょがまだ治らないんです…」
「夜だけオムツしているんです…」
というお悩み、実は発達障害・グレーゾーンのお子さんがいらっしゃるお母さんからよく受けるご相談のひとつです。
排泄に関する話題はとてもプライベートですから、気軽に誰かに打ち明けることはできませんよね。
他のきょうだいは小学校入学前にはおねしょは卒業。しても年に1回か2回くらいなのに、この子は毎晩おねしょをしている…
しかも、忙しい朝におねしょをされて、シーツが濡れて洗わなくちゃいけない!おまけに、天気も悪い!
こんなふうに毎日のようにおねしょが続くと結構つらいですよね。とてもよくわかります。
しかし!あの坂本龍馬も中学校に入学するくらいまでおねしょをしていたってご存じですか?
坂本龍馬といえば、剣術に優れ、高いコミュニケーション能力と、困難を乗り超える打開力で幕末をかけぬけたヒーローです。
そんな彼も、小さい頃は泣き虫で、虚弱体質。塾に行っても字がなかなか覚えられず、退塾させられたというエピソードもあるそう。
あの維新の志士にもそんな時代があったのかと思うと、ちょっとホッとしますよね。
とは言え、ここは現代。高学年になれば宿泊学習や習い事での合宿などの行事もあり、おねしょが原因で参加することをためらってしまうのは本当につらいことです。
今日は、脳とおねしょの切っても切れない関係と、発達障害・グレーゾーンの子どもの「おねしょからの卒業」を後押しするママのコミュニケーションについてお話しします。
2.おねしょと脳の切っても切れない関係
実は、脳の発達とおねしょには密接な関係があるんです。
そもそもおねしょから卒業するには、私たちの身体にいくつかの条件がそろう必要があります。
そのなかのひとつに、「膀胱と脳がうまく連携していること」というものがあります。どういうことか説明しますね。
赤ちゃんは常におもらし状態なのはご存じですよね?それはなぜなのでしょうか?
それは「がまん」ができないから。
実はおしっこを出すという働きは、「背骨の中にある神経」が担当しています。
この神経、単純に「膀胱におしっこがたまったら出す」という働きしかしません。イメージしやすいように例えると日本庭園や茶室でよくみかける、あの「ししおどし」と一緒です。
そしてがまんをつかさどるのは、ちょうどおでこのあたりにある前頭葉という部分。そしてこの前頭葉は、脳の中でも発達に時間がかかる場所なのです。
子どもたちが昼間おしっこをがまんできても、夜中におもらししてしまうのは、この前頭葉の発達がまだまだ未熟だから。
起きているときは「おもらししちゃだめ!」と膀胱に命令をしっかり出すことができるのですが、寝ている間には命令がとても弱くなってしまいます。なのでおもらしをしてしまうのです。
そして発達障害・グレーゾーンの子どもは、うまれつき脳の発達にかたよりがありますから、どうしても他のお子さんと比べておねしょからの卒業に時間がかかってしまうことが多いのです。
じゃあ、がまんできるようになるおくすりがあればいいってことでしょ?というお声が聞こえてきそうです。でも…残念ながら、現代には脳を発達させる薬はありません。
でも、実は薬を使わなくても脳を発達させることができるんですよ。しかも、毎日、お家でできちゃうんです。それはどんな方法何だと思いますか?
3.発達障害・グレーゾーンの子どもの「おねしょからの卒業」を後押しするママのコミュニケーションとは?
おねしょからの卒業を後押しする方法…そう、それは他でもないお母さんとの良質なコミュニケーションなんです。
現代に脳を発達させる薬はありません。しかし、お母さんがコミュニケーションを変えることで、子どもの行動力をUPさせ、脳の発達を促すことができます。
まずその基礎の基礎として今日お伝えしたいのが、良くない行動はスルーして「肯定する(褒める)」ということ。
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、集団行動が苦手だったり、不器用だったり…学校でも家庭でも怒られていることが多いのです。
特に高学年になってくると他人と自分を比較し、「俺ってどうせ…」と自信を失っていることがあります。
自信がないと、何に対しても無気力になってしまい、最悪の場合、ひきこもりやうつになってしまう可能性もあります。
ですから、お母さんにはぜひ、この「肯定(褒め)」をマスターしていただきたいのです。
夜尿症(おねしょ)の3原則を知っていますか?それは
・起こさず
・怒らず
・焦らず
というもの。発達障害グレーゾーンの子どもは、おねしょをしてしまっても「あっけらかん!」としているように見えますが、表情とはうらはらに繊細な心の持ち主が多いです。おねしょをする自分に自信をなくしているのです。
そんなときお母さんから、
「またおねしょして!」
「何年生だとおもってるの?」
と言われてしまうと、さらに自信を奪われてしまいます。
ですから、怒ることは絶対にやめましょう!
では子どもがおねしょをしたとき、発達科学コミュニケーション流にほめるとどうなるかというと…?
「おはよう!おきてきたね!」
「大丈夫だよ、さっと着替えちゃおう」
「濡れてさむくない?」
…え?たったこれだけ?と思いますか?
はい、たったこれだけです!良くないできごと(おねしょ)はスルーして、できていること(朝起きてきた行動)ことを褒める。これでOKです。
おねしょをしてもお母さんはまるごと受け止めてくれる!と安心できると、子どもは勉強や遊びに集中することができ、脳がぐんぐん発達していきます。
そうすると、だんだんとおねしょも解消されていくはずです。
いかがでしたか?おねしょが続くと「私のせい?」とお母さんはひとりで抱え込みがちになります。今は、おねしょに関する優秀なアイテムも多数販売されています。
お洗濯物に関しては雨の日はコインランドリーを活用するなど、お母さん自身がラクになれる方法を探してみてくださいね。
親子の笑顔の時間が増えることを祈っています!
※この記事は、お子さんに生まれつきの病気がないことを前提に執筆しています。おねしょの原因はお子さん一人一人違います。
不安は放置せず、まずかかりつけの小児科医に相談することをお勧めいたします。現在おねしょに関して医師の診察、治療を受けていらっしゃる方は、自己判断せず、必ず主治医の指示に従ってください。
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執筆者:宮本蒔子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)