親子で長時間一緒に過ごすことになる学校のお休み期間。今回はHSCや発達障害の子どもとお互いイライラせずに親子関係良く過ごすためには、どのように接したらよいのかをお伝えします。 |
【目次】
1.子どもと長時間一緒に過ごしていると親子関係がうまくいかないこともある
2.HSCや発達障害の子どもは、なぜ親子関係がうまくいかなくなることがあるのか?
3.子どもとお互いイライラせずに親子関係よく過ごすためにできること
①しつけが届きにくいタイプの子どもへの接し方
②敏感で不安が強いHSCタイプの子どもへの接し方
③課題やお手伝いを進んでやってもらう方法
1.子どもと長時間一緒に過ごしていると親子関係がうまくいかないこともある
学校がお休みに期間中に、不安が強い、なかなか思うように動いてくれないHSCや発達障害の子どもたち。
どのように接したら快適に過ごせるのだろう?と悩んでいませんか。
HSCとは「Highly Sensitive Child」の略で、ひといちばい敏感な子どものことです。
学校が長期間お休みになると、いつもと違うことが苦手なHSCや発達障害の子どもは、不安になったり、ソワソワしてしまったりすることがあります。
特に、今回のこの時期は、全国一斉に臨時休校が急遽決まり、子どもだけではなく、大人でも動揺してしまった方も多いでしょう。
急に家で過ごす時間が増えた中で、ひといちばい敏感なHCSの子どもが不安をたくさん訴えて辛そう。辛そうな子どもの姿を見たお母さんは困ってしまう。
また、しつけが届きにくい子どもは、学校がお休みだからといって、いつまでも好きなことしかやらず宿題・課題が進まない、ずっとダラダラ過ごしている、ゲームばかりやっている、遅くまで起きている。
そんな子ども姿を見たお母さんがイライラしてしまう。イライラしたお母さんが叱ったり怒ったりするが、子どもは全然言うことを聞かない。
言うこと聞いてくれないと感じたお母さんはまたイライラしてしまう。その状態が続けば、親子関係も悪化してしまうでしょう。
家の中は険悪なムードが漂ってしまい悪循環が繰り返されてしまいます。こうなってしまうと、良い状態に回復するのには難しいと感じてしまいます。
2.HSCや発達障害の子どもは、なぜ親子関係がうまくいかなくなることがあるのか?
HSCの子どもは、ひといちばい敏感な気質を持っているので、見通しが立たない状況が苦手、いつもと違うことが苦手、とにかく何事にも不安になりがち、という特徴があります。
特に今の社会情勢では、この先どうなっていくのか見通しが立っていません。そのような状況では不安が強く出てしまいます。
ウイルス感染に恐怖を感じてしまい必要以上に不安に襲われる。不安が強くなりすぎてストレスがかかり、体調不良になってしまうこともあるでしょう。
また、しつけの届きにくい発達障害の子どもは、学校のお休み期間中に、好きなことしかやらず、お母さんからすると、努力ができていない、だらしない、甘えているように見える行動になりがちです。
お母さんが何度同じことを言っても言うこと聞かず、親子バトルになってしまうこともあるでしょう。
言ってもなかなか言うことを聞けないというのは、そのような脳の特性を持っているのです。
その脳の特性とは「怒られたから、次からはやめておこう」と思ってもできないということです。
これは、脳の特性なので本人の努力不足や甘えの問題ではないのです。
まずは、HSCの敏感ゆえの不安の強さや、脳の特性からのしつけの届かなさを理解して受け止めてあげることが、親子関係良く過ごすための第一歩です。
3.子どもとお互いイライラせずに親子関係よく過ごすためにできること
◆①しつけが届きにくいタイプの子どもへの接し方
それでは、しつけが届きにくい発達障害の子どもへ具体的にどのような対応をしたらより良い親子関係を築くことができるのかをお伝えしていきます。
しつけが届きにくいタイプの子どもは、その特性からお母さんからたくさん怒られているため、自信を失ってしまっています。
そこで、その失ってしまった自信を取り戻してあげることが大切です。
方法としては、今できていることを肯定して褒めてあげること。
「朝ごはん食べられてえらいね!」「おはよう言えてえらいね!」
このように日常ですでにできていることを肯定するだけでいいのです。
お母さんに日々行動していることを褒められて、小さな成功体験を重ねることで自信がついていきます。自信がつくと色々なことに挑戦しようという気持ちも出てくるのです。
子どもを肯定することで、良い脳の活動を増やしていくと良くない行動も減らすこともできます。結果、良くない行動は減り、良い行動が増えてきてお母さんとの親子バトルも減ってくるのです。
◆②敏感で不安が強いHSCタイプの子どもへの接し方
うちの子どもはとても敏感な気質を持っているので、不安からの体調不良になりやすい傾向があります。
先日も不安から「息が苦しすぎて辛い」との訴えがありましたので、「大丈夫だよ」と言いながら十分なスキンシップをしました。
少し落ち着いてから一緒に料理をしようと誘い、気を紛らわせたところ、料理が楽しかったようですっかり通常モードに戻ることができました。
このように、子どもが好きなことに誘導してリフレッシュさせてあげる。
また、不安をあおるような情報が目や耳に入らないようにお母さんの方でも気を付ける。そうすることで、不安から遠ざけてあげることができます。
◆③課題やお手伝いを進んでやってもらう方法
学校からの課題や家のお手伝いに関しては、時間とやることを子どもと一緒に考えて表に書きました。
目標達成したらご褒美がもらえるシステムがおすすめです。ご褒美に抵抗のある方もいらっしゃるかと思いますが、ご褒美作戦はとても効果があります。
ご褒美があることでやる気が出て、達成できる確率が高くなり、達成できると自信がつきます。自信がつくと、言われなくてもやるようになるのです。
表を作る時のポイントとしては、必ず簡単に達成できる項目を入れることです。簡単にできることを入れることによって、よりスムーズに課題や約束を守るという気持ちにつながっていきます。
子どもがスムーズに動けるようになると、お母さんのイライラも軽減して、良い親子関係を築くことができます。
ぜひお子さんと課題・お手伝い表を一緒に作って、有意義な長期休みにしていだだけたらと思います。少しの工夫でより快適に過ごすことができますよ。
執筆者:小寺りさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)