【お悩み相談室】集団生活が苦手な子の気持ちを聞き出す方法はありませんか?

うちの子、集団生活が苦手なんじゃないかと思うんです。学校でトラブルがあったときにも、先生から事情を聞かれてもなかなか自分の言葉で言えないみたいで。家で子どもにそのときの気持ちを聞いてみても、何も言わないんです。むしろ、聞けば聞くほど頑なに言わないような気がしていて…。どうしたら子どもが本心をしゃべってくれるのでしょうか?

 

7歳・女の子のママ

お子さんに気持ちを聞いても答えてくれないと、どうしたら良いのか分からなくて困ってしまいますよね。そこで今回は、現役スクールカウンセラーでひといちばい敏感な子を専門としている私がお答えします。

 

発達科学コミュニケーション
リサーチャー 渡辺カナ

 

【目次】

 

1.集団生活が苦手で質問にも答えない子

 
 
教室での様子は親の目が届かないし、本人から教えてもらわないとなかなか事情が分かりませんよね。
 
 
限られた情報しかないと、いろいろな状況が想像されるが故に、「大丈夫なのかしら?」と動揺したり、心がざわついてしまったりすることもあるかもしれません。
 
 
実は発達科学コミュニケーションを学ぶ前、私はこのような質問を子どもにしてしまっていました。
 
 
「どうして泣いていたの?」
「なんでそこにいたの?」
「何してたの?」
「誰がいたの?」
 
 
正直なところ、この聞き方では、なかなか自分が知りたいを内容を得ることはできませんでした
 
 
子どもに聞いてもよく分からないので、「結局、何だったんだろう?」とモヤモヤ。挙句の果てに、心配する気持ちがイライラに変わってしまったことも…。
 
 
相談者さんはトラブルがあったときのことをお子さんに聞くときに、どのように尋ねていますか?お子さんを心配するあまり、ママの気になることばかりを質問していませんか?
 
 
どうしてお子さんは自分の思いを言わないのでしょうか?
 
 
 
 

2.子どもが気持ちを答えにくくなる理由とは?

 
 
ちょっとイメージしてみてください。
 
 
あなたが料理を作っているときに他の人から、「なんで、その切り方してるの?」「どうして、そのタイミングでお醤油入れるの?」と「なんで?」「どうして?」の質問攻めにあったとしたら。
 
 
おそらく良い気持ちになる人はいないですよね。その理由は、質問を重ねれば重ねるほど、責められている感じがしてしまうからです。
 
 
相手に責められている感じがすればするほど、子どもは自分の考えを口にしにくくなります。
 
 
そして、「どうしてそうしようと思ったの?」「なんで?」と何度も聞かれているうちに、どんどん緊張感や不安感が高まり、なおさら何と言ったらいいのか分からなくなってしまいます。
 
 
言おうとしていないのではなく、周りが言えない状況を作り出してしまっているのです。
 
 
 
 

3.集団生活が苦手な子が気持ちを素直に出しやすくなる方法

 
 
私が発達科学コミュニケーションを学んだことで、我が家では肯定的な会話が多くなりました。すると、子どもが自分から学校でのできごとを話してくれるようになったのです。
 
 
我が家の子どもたちは学校からの帰宅後、おやつを食べるのが習慣になっています。
 
 
そのとき、一緒にテーブルを囲みながら「今日、ママに伝えたいことはありますか?」と尋ねるのが最近のお決まりの流れです。
 
 
「〇〇先生が、こんな話して面白かった」
「体育で、こんなことしてドキドキした」
「掃除の時間に、こんなことがあってビックリした」
 
 
私からすると、「え!?そんなことがママに伝えたいことなの…!?」というくらい他愛のない話が出ることもあります。
 
 
でも、どんな話をしてきても、「教えてくれて、ありがとう」という言葉は欠かしません。
 
 
子どもが「う~ん、伝えたいことは無い!」と言うことも、もちろんあります。
 
 
そんなときも「じゃあ、思い出したら教えてね」と無理に聞き出すことはしないようにしています。
 
 
そして、子どもが帰宅した直後に「なんで?」「どうして?」といった言葉は口にするのをやめました
 
 
先ほどもお伝えしたように、「なんで?」「どうして?」という言葉は責められているような印象を相手に与えやすいのです。
 
 
家に帰ってきてホッと一息つくのが先決。相手が自分のことを受け入れてくれていると感じると自分の気持ちを出しやすくなります。
 
 
 
 
まずは、お子さんが安心できるような肯定的なコミュニケーションを多くするよう心がけてみてください。
 
 
そして、安心できるママとの間で「自分の思いを言えた!」という成功体験をたくさん積み重ねてあげてくださいね。
 
 
ママとの会話がスムーズになることで、お子さんは集団生活の中でも少しずつ自分の考えを言えるようになっていくはずですよ。
 
 
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執筆者:渡辺カナ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
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