発達障害やグレーゾーンの子どもに何度言っても全然指示に従ってくれない…と困っているお母さんはいませんか?子どもが指示に従えない原因は「脳」にあったんです!子どもがお母さんの指示にスムーズに従えるコミュニケーション術についてお伝えします。 |
【目次】
1 脳に届かない指示には従えない
2 発達障害の子どもの脳に指示が届くコミュニケーション~過集中の場合~
3 発達障害の子どもに脳に指示が届くコミュニケーション~非言語情報の場合~
4 子どもの脳に言葉が届いたときにかけてほしい一言
1 脳に届かない指示には従えない
「もうゲームはおしまいだよ」
「今から宿題の時間だよ」
「ご飯だから手を洗っておいで」
お母さんは毎日子どもに数えきれないほど、多くの指示を出しています。お母さんの指示に対して、子どもはスムーズに行動できているでしょうか?
すぐ行動できるときもあれば、全然動いてくれないこともある…
すぐに行動してほしいときに限って、全然動かなくて困ってしまう…
多くのお母さんにご経験があることだと思います。すべての指示をスムーズに受け入れて行動してくれたら、本当に助かりますよね。
どうして指示に従えないのか?それは…脳にお母さんの言葉が届いていないから!脳がお母さんの言葉に反応していないから「行動する」という指令を出せないでいるのです。
どうしてそんなことが起こるのでしょうか。カギは親子のコミュニケーション!理由は2つ考えられます。
・過集中(好きなことに没頭している)
・ネガティブな感情や声色で声をかけている
まずひとつ目。
「過集中」に陥っていませんか?自分の好きなことに没頭して寝食を忘れる…ということはどの子にもあること。
しかし発達障害やグレーゾーンの子どもたちはより没頭しやすく、集中していればしているほど、お母さんの声は、耳に入っているものの脳に届かず、処理されていません。
もはや、聞こえてないのと同じ!だからお母さんが何度呼んでも反応すらしないんですね。
そしてふたつ目。
脳は言語情報より非言語情報を先に処理するという特性があります。この特性は子どもが低年齢なほど強くなります。
つまり、子どもはお母さんの言葉の内容を理解する前に、お母さんの雰囲気や表情、声色に関する情報を処理します。
そこで少し振り返ってみてください。子どもに指示を出すとき、時間がない!と焦っていませんか?いつものお母さんと様子が違った雰囲気を、子どもは敏感にキャッチします。
子どもにとっては「焦っている」という微妙な心情は理解できないかもしれませんが、ネガティブな雰囲気であることは分かります。
このとき、親子のコミュニケーションは否定的なものになってしまっています。脳は否定的な情報の処理で埋め尽くされ、お母さんの言葉の内容はスルーしてしまうのです。
子どもがお母さんの指示にスムーズに従えないのは、脳にお母さんの言葉が届かず、処理ができていないことが原因なのです。
2.発達障害の子どもの脳に指示が届くコミュニケーション~過集中の場合~
では、脳にお母さんの言葉を届けるためにはどうしたらいいのでしょうか。
まず、発達障害やグレーゾーンの子どもが過集中に陥っている場合です。この場合、子どもは周りの声を完全にシャットアウトしています。
まずは、この状態から離脱させなければなりません。指示を出す前に、指示を聞ける状態にしておきます。声をかけても反応しないなら、聴覚はシャットアウトされた状態。別の方法を考えましょう。
肩をたたいて触覚を刺激する、視界に入って視覚を刺激する、など、聴覚に頼らないコミュニケーションの方法は複数あります。
どんな方法でもいいので、「お母さんはあなたと今話をしたいんだよ~」と、気づかせましょう。
子どもがお母さんに気づいてくれたら、アイコンタクトの状態で指示を出すとスムーズに従えるでしょう。ただ、そこまで集中しているのなら、子どもがとてもノッテいる状態です。
キリが悪くて、指示を理解できたとしても「やりたくない!今いいところなのに!」と拒否するかもしれません。
そこで、あらかじめ親子で相談して「〇時になったらおわりにする」というルールを作って、目につく場所に貼っておきます。
お母さんも、〇時になったら声をかけるのではなく、少し前から「あと〇分で終わりだよ」と予告するようにしましょう。
どれぐらい前から予告すればいいかは、個人差があります。「年齢×1分」から試してみてください。
3.発達障害の子どもに脳に指示が届くコミュニケーション~非言語情報の場合~
お母さんの雰囲気を「否定的」ととらえてしまい、言葉の内容が脳に届かないという場合、お母さんは言葉に感情を乗せないことが鉄則です。イライラした気持ちをぐっと抑えて一呼吸おいて声をかける習慣をつけましょう。
お母さんが感情をフラットにして声をかければ、脳が言語情報を処理することができ、子どもが行動しやすくなります。
といっても、感情は無意識に出てしまうもの。お母さんも焦りたくて焦っているわけではありませんよね。焦っている感情が出てしまった!と気づいたら、穏やかな声で「ね?」とつけ加えてください。
「もうゲームはおしまいだよ!…ね?」字面にしても柔らかくなった気がしませんか?
「ね?」と付け加えることで雰囲気が柔らかくなり、子どももいつものお母さんだ!と安心します。安心すると言葉が脳に届きやすくなるので、行動に移しやすくなります。
4.子どもの脳に言葉が届いたときにかけてほしい一言
脳に言葉を届け、スムーズに行動できるためには、
① 過集中から離脱させて注意を向けさせる
② ネガティブな雰囲気は出さない
③ 分かりやすい指示
② ネガティブな雰囲気は出さない
③ 分かりやすい指示
がポイントになります。
「いつまでゲームやってるの?」ではなく「ゲームはもうおしまいにしよう」という表現の方が、分かりやすいですよね。子どもがどうすればいいのか、確実に分かる言葉で伝えることが大切になります。
行動に移すそぶりをみせたら
「おっ!やれそう?」
「がんばろうね!」
「おっ!やれそう?」
「がんばろうね!」
と肯定的に注目すると、お母さんの言葉をエネルギーにして、行動が進みやすくなります。
子どもが指示に従わないのには、理由があります。
・過集中になっていないか?
・言葉に感情が乗ってしまっていないか?
・タイミングが悪くなかったか?
・やり遂げるまでの応援は十分だったか?
・言葉に感情が乗ってしまっていないか?
・タイミングが悪くなかったか?
・やり遂げるまでの応援は十分だったか?
ひとつひとつ振り返って、子どもの行動がスムーズになるコミュニケーションを実践していきましょう!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)