お母さんの決断で、不登校の子どもの「学校に行く」こだわりを手放した親子。そのことで親子の気持ちが変化していきます。前に進みだしたお子さんが「私、できたよ!」と自信をつけて再登校できました。不登校を通して学び得たことを教えていただきました! |
【目次】
1.親子で「学校」というこだわりを手放した!決断と変化とは
2.USJや新幹線の体験で自信をつけて、再登校へ!
3.子育ての 思い込みを手放して、子どもを信じる!信頼できる!
4.不登校の子どもを信頼し続けよう!
1.親子で「学校」というこだわりを手放した!
不登校となり、子ども本人が再登校したいという気持ちを持っていても、子どもがどんな状態でならうまくいくのか、学校へはどのように対応してもらえばいいのか、お母さんは色々と悩むことが多いと思います。
前半の記事では、お子さんが不登校になったきっかけや、「学校へ行く」というこだわりを捨てられず 、無理して頑張って登校していた様子をお伝えしました。
家で過ごす中で「楽しいこと」を見つけて、自分で行動できる自信をつけてきたお子さん。
お母さんに、今までの想いをぶつける勇気もついていました。
ただ、まだ「登校しないといけない」というプレッシャーもあり、体調も良くない状態が続く中で、お母さんがある言葉をかける決意をされます。
ここから、親子がだんだんと変わっていき、やがて完全な再登校へと前向きに進んでいきます。
今回はその様子をお聞きしました。
ーーー好きなことを見つけた娘さんも動きだして、気分も回復していったのでしょうか?
「夏休みに入って、みんなも学校に行っていないという安心感もあり、落ち着いてはきました。
ただ、『2学期は行かないと』という 、プレッシャーに襲われていたこともあり、体調も元に戻らない娘の姿を見て、決意したのです。
『もう学校に行こうと思うのをやめれば?』『相談室も行かなくてもいいし』『学校にいかなきゃというこだわりも捨てなさい』と娘に話しました。
すると娘も『わかった、じゃあもう考えないよ』と言ったんですね。
『行かなくていい!行かない!と決めちゃえば』と伝えたことで、 娘も『行かなくてもいいんだ!』と思ったみたいです。
私も、今までの『できれば行ってほしいけど…』の気持ちが、はっきりと『行かなくてもいいよ』という気持ちに変化しました。」
ーーーでは、「学校にいかなくてもいいよ」と言ったときは、その「行ってほしい」の気持ちはなくなっていましたか?
「うーん、無理やりその気持ちは取り去っていたかもしれません。学校に行くことより再登校させることより、まずは、『元気になってもらいたい』ということに目を向けようと、気持ちを切り替えました。
完全に学校へのこだわりがなくなったわけではなかったかもしれません…やっぱり、行ってほしい気持ちはありました。
でも、元気のない娘をずっと見ていると、私の『学校に行ってほしいこだわりは、捨てなきゃ』と思ったのです。」
ーーーまずは、お子さんを元気にしようとお母さんの気持ちが切り替わった、ということでしょうか?
「とにかく、元気になってもらいたい…ただ、それだけを願うようになりました。
不登校関連のブログで、
過保護は、子どもが主体、子どもが求めていることをしてあげること
過干渉は、親が主体、親が思っていることを押し付けていること、とありました。
振り返ってみると、私は過干渉だったから、今は、過保護にしないといけないときなのかなと思ったんです。
だから、甘えさせすぎなのでは?と思うくらい甘えさせることをしましたし、スクイーズもいっぱい買ってあげましたね。
娘も 、『ちゃんと聞いてくれる、理解してくれている』と私を信頼してくれるようになってきたと思います。」
ーーー
「学校に行かなくていいよ」という決断に至るまでには、どれだけの不安や葛藤があったのだろうと思います。私なら、はっきりと決断できるだろうか…と考えます。
「学校に行かない」ということに踏み切るのは、難しい決断です。
しかし「学校に行かせること」に一生懸命になり、いつの間にか母親の価値観だけにとらわれていることが多いのかもしれません。
お子さんの「行けない気持ち」に向き合うと、本来、母親が望むことは「学校に行く姿」ではなく、元気な姿や笑顔を取り戻すことだとTさんは気づかれたのだと思います。
家で思いっきり甘えさせてあげて、「スクイーズやスライム」に夢中になって楽しんでいる姿は、元気で表情も明るかったのでしょう。
本来の子どもの姿をきちんと見て、決断できるときを見逃さずに対応することが、親子の信頼関係を築いていけるスタートであり、解決への道が開かれるときなのかもしれません。
お子さんがやりたいことをさせてあげて、気持ちに寄り添うことで、お子さんも母親が安心できる場所であると、気持ちの変化が生まれてきたのでしょう。
更に、親子の気持ちの変化によって、前向きに進みだす道のりを照らし出したお話をお聞きしたいと思います。
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2.USJや新幹線の体験で自信をつけて、再登校へ!
ーーー親子の気持ちが切り替わったことで、行動の変化はありましたか?
「実は、夏休みに気持ちが前向きになるできごとがありました。
遠方に引越しをした仲の良かったお友達が、USJ(ユニバーサルスタジオ)で遊ぼうよ!と誘ってくれて、頑張って電車に乗って遊びに行けたんです。
娘は、USJに到着できるのかさえ、心配で不安だったのですが。
でも、お友達に会うと、そんな気持ちは吹っ飛んでしまったようで、本当に楽しそうで元気いっぱいに遊んでいました。
『電車に乗れた!』『USJに行けた!』『1日中楽しく遊ぶことができた!』 って。
『できないかも』と思っていたことが、『できた』ことですごく自信につながったみたいです。
本当、ちょっとちょっとの成功体験なんですけどね。
このようなできごともあってからか、2学期からはその勢いで相談室にも通うようになっていきました。」
ーーー 2学期の様子はどうでしたか?
「2学期からは先生のサポートも変わってきました。
娘が好きなこと、興味がある教科を聞いてくれたりして、 娘の興味のあることをさせてくれていました。だから、楽しくて嬉しそうな様子でした。
また、休憩時間には、お友達が遊びに来てくれる、お友達からお手紙をもらえることも増えてきました。放課後には、お友達が家に遊びに来てくれるようにもなりました。
少しずつですが、行動の幅が増えてきましたね。
このようなことが続いたことで、楽しいことがあるから学校にも行ってみよう!と思えるようになっていったようです。
私も『どうする?今日は行くの?』と気持ちにも余裕をもって、声かけをしていました。
また、冬休みには、娘が自ら電車に乗って『どこか行こう』と外にも出始めて、体調も徐々に良く元気になってきていましたね。」
ーーー体調が良くなってきたのは嬉しい兆候ですね。
「実は、3学期にちょっとだけ娘の背中を押してみたんです。
『先生との時間を増やしてみたら?がんばってみない?』と相談室を出てみることを提案してみました。
みんながいないときは教室に行ける、大好きな図書の先生がいる図書室には行ける、図工の時間には教室に行けるようになりました。
修了式には、体育館での参加もでき、教室にもちゃんと入れたし、『お友達と帰るから、お母さん先に帰っていて!』とまで言えるようになっていました。」
ーーーでは、5年生からは再登校されていたのですか?
「5年に進級して、学校側も仲の良いお友達と一緒のクラスにしてくれたりと、環境を整えてくれました。
そのおかげもあり、ますます通いやすくなって、再登校ができていました。6月にあった泊りの林間学校も行けました!
その前のゴールデンウィークに、埼玉のお友達の家に遊びに行ったんですね。
新幹線で長距離移動できたこと、泊まれたことなどをクリアできたことも、自信につながっていたと思います。
今では、このクラスに不登校の子っていたの?と言われるくらいに元気に登校しています。」
ーーー
夏休みにお友達と会うために、「電車に乗れた!」と頑張った結果、とても楽しく遊べて「できた!」と自信をつけられたことが勢いとなり、2学期は少しずつ登校されてきました。
学校でも「好きなこと」「やりたいこと」ができるという楽しさを見つけて、楽しいから行ってみようかなと、気持ちの変化が見られます。
お母さんが手助けしてあげなくても、娘さんがちゃんと「楽しいこと」を自分で見つけて、前に進み始めたように思いました。
周りのサポートもあり、娘さんの気持ちも「やってみよう!」「できた!」「自信になった!」と、どんどん行動されていかれたのだと思います。
不登校を通してTさんが、子育てに対する考え方や親子関係に必要なものの捉え方をどう変えていったのか、その心境の変化に詳しく迫ります。
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3. 子育ての 思い込みを手放して、子どもを信じる!信頼できる!
ーーー再登校できるまでに、お母さんの気持ちの変化はありましたか?
「私が娘のことを信じるようになったことです。不登校になる前までは、信じてあげられなかったのかもしれません。
私がやってあげないと、私が指示してあげないと、私が導いてあげないとという考えがありました。
でも今は、この子はこの子で大丈夫!本人に任せておいて大丈夫!と思えるようになりました。
親が心配して、先回りしなくても自分の考えで動いていける、道を踏み外す子ではないと信じられるようになりました。」
ーーー信頼できるからこそのお母さんの思いが伝わってきます。娘さんが変わったところはありますか?
「自分の思っていることや考えていること、学校であったことを 『私はこう思ったの』と意思をしっかり伝えてくれるようになったかな。
『もっと、優しくしてよ』と甘えたことも言ってくるようになりましたけどね。」
ーーー最後に不登校で悩むお母さんたちに、伝えたいメッセージをお願いします。
「子どもをよく見て、やっていること、言っていること、を聞いていると、そうやってあげないといけないとやるべき答えが出てくると思いますね。
大人がこうしてあげたいと思っていても、子どもは前に進まない。
でも、子どものことを信じて思いを受け取れると、自ずと未来への道が開けてくるとわかってくるかな。
そして、子どもはどんどん自分から動き出していきます。
まずは、子どものことをしっかりと信じてあげること、安心できる場所を与えてあげること、親子の信頼関係を築けること、それが一番大事だということを、お伝えしたいですね。」
ーーー
Tさんは、何度も子どもを「信頼することが大事」とおっしゃっていたのが、印象的でした。
お子さんが不登校になってからこそ、気づけた親子関係の大切さがあります。
親が子どもの道を決めなくても、心配しなくても、子どもはちゃんと自ら行動して前に進んでいきます。
それはすべて、「しっかりと信じてあげること」「安心できる場所をつくってあげること」という姿勢にあるのではないかと思いました。
不登校を通して手に入れた「本当の親子の信頼関係」、それを手に入れて、今も前に進んでいるTさん親子から、子育てに必要な「信じる力」を持つ大切さを学びました。
4.不登校の子どもを信頼し続けよう!
Tさんは、不登校のお子さんが体調不良で精神状態も良くないことが続き、「この子は将来どうなってしまうのだろう?」 と不安な毎日を送られていました。
でも、今では、笑ってお話してくださるほどの、子育ての軸をしっかりお持ちだと感じました。
お子さんが家で、好きなことを見つけて、もっと楽しみたいと動き始めて自信をつけた!!
お母さんが「学校へのこだわり」を勇気をもって捨てるという行動を起こした結果です!
親軸ではなく子ども軸で子育てをとらえられるように気持ちが切り替わったのです。
そして親子で「学校」というこだわりを手放すことで、道が開けてきて、親が子どもを信じると、子どももおのずと変わり動き出すことを感じておられました。
「どんなことがあっても子どもを信頼すること」という子育ての軸があるからだと思います。
とにかく、親が子どもを信頼すること。そして、家で安心できる居場所を作ってあげることで、おのずと子どもが動き出し、自信もつけて、未来へ歩み出すことができます。
そして、親子の信頼関係も築いていけるのです。
不登校だろうが、そうでないかは関係ありません。しっかりお子さんの特性や困りごとに向き合うことで最高の親子関係が築けますよ!
不登校のお子さんが自信を取り戻して前向きになる情報を多数公開中!
執筆者:山南 あや
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)