働きながら発達障害ADHDの子育ては、何かと大変!仕事中に呼び出しなんてこともありがちです。母親もやりがいのある仕事がしたい。でもADHD子育てもあきらめたくない。両立をどのようにしたのか、自身の経験を現役発コミュトレーナーがお話します。 |
【目次】
1.働いていても子育ての手を抜いていると思われたくない!
我が家の長男(現在高校1年)が小学校に上がるときには、注意欠陥多動性障害(ADHD)であることにはまだ気づいていませんでした。
成長がゆっくりだな〜、手がかかる子だな〜、と薄々感じていましたがマイペースな子なんだなくらいに思っていました。
ですが、私にはちょっとした意地がありました。
それは子育ての手を抜いていると思われたくない!という意地。
手がかかるのは、
→しつけがなってない
→お母さんちゃんと子育てしてるの?
こう思われるのだけは避けたかった。
なぜか? それには小学校入学と同時に、私の心に火をつけたあるママの存在が影響しています。
息子が小学校入学して間もなく、そのママにいきなりこんなことを言われたのです。
「お子さんのお迎え、いつもあんなに遅いんですか?かわいそうに。」と。
どこで見てたんですか~!?という感じですが…(近所のスーパーで見られていたみたいです)
というか、かわいそうってどういうことですか? と思ったわけです。
私は、働くママも専業主婦のママも本当にリスペクトしています。
私は「働く」という選択をたまたまさせてもらうことができて、子どもたちと離れて過ごす時間を持つことができました。
仕事のプレッシャーはあるけれど、ある意味子育てから離れられる貴重なリフレッシュタイムでもありました。
一方、専業主婦は、幼稚園や学校の時間をのぞいてほぼお子さんと一緒に過ごすわけです。
リフレッシュしようにも子どもがいるので、思うようにできません。
子どもとずっと一緒にいる大変さも分かっているので、 私は、専業主婦って本当に世界で一番尊敬されてもいい職業だと思っていました。
それくらい子育てって大変。
だから、「ライフスタイルが違ったってお互い認め合ってやっていけばいいじゃん!」というのがポリシーでした。
ところが専業主婦さんからの「かわいそう」の先制攻撃(笑)。しかし私はもちろん折れません!
こうなったら子育てだって、学校の用事だって、完璧にやってやろうじゃないのよ!と覚悟を決めたわけです。
だから私はフルタイム残業ありの働き方でしたが、PTAの役員もやりました。
息子の習い事の役員もやりました。
保護者会も低学年のうちは1回も休まず参加しました。
地域の子ども会の仕事もしました。
息子の宿題だって、提出物だって、絶対に期限厳守でやってやる!
もう、そんな意地だけでスタートしたワーママライフでした。
2.発達障害ADHD特性が暴走!母親の意地が砕け散る
保育園のころはただのマイペース男子だった息子も、小学校に入って発達障害の困りごとが徐々に表面化しました。
最初は友達関係のトラブルが多かったです。
新しい仲間が増えて、今までと違うパターンのコミュニケーションに出会い、どうしていいかわからずADHDの衝動性で反応するので、すぐに暴力となってしまい学校から呼び出し…。
初期の困りごとはそれくらいだったのです。
なんとかギリギリのラインで、仕事と子育てを両立できていたという状態でした。私の意地がかろうじて守られていたのです。
ところが… 息子の学年が上がるにつれて困りごとの種類が増え、トラブルの内容がひどくなりました。
さらに、勉強も次第に追いつかなくなって、私の「意地」はしつけを強化する形でエスカレート。
他の子と同じことができなければ叱り、もっと努力しろ!と言い続け、たくさんの罰を与えたのです。
息子にとっては、きっとキツかったはずです。
自分なりの頑張りを誰にも認められず、できないことを無理やりやらされ、 その結果、できないからまた叱られて…
このループをエンドレスで繰り返し、小学校高学年になった頃には完全にこじらせ男子。
学校でも指折りのトラブルメーカーになっていました。保護者会では、必ず槍玉に挙げられる側です。
あれ?あれ?入学当初の私の意地は完全に砕け散ったのでした。
3.仕事と子育てのバランス
スケジュール的には常にパンパンのところに、小学校高学年になって、スクールカウンセラーとの面談やクリニックへの通院 ・地域の相談センターとの面談 が追加され、もう首が回らない、体が足りない…という状態に。
意地と気合いと根性だけでは立ち行かなくなりました。
ところがその頃の私には、「会社で働く」という選択肢以外ありませんでした。
高学年・中学・高校と年齢が上がればお金もかかるし、しっかりと稼がないといけない。
よーっし!もっと仕事を頑張るぞ!
とエンジンがかかり、子育てと仕事の両立は、あっという間にバランスを崩していったのでした…
◆①やりがい
仕事は任されてやりがいもある。
でも、息子の学年が上がるにつれて困りごとが目立つようになる。
この葛藤の間で私は働き方のペースを落として子どもとの時間を作ることを選択しました。
やっと、です。
私は、仕事のペースを落としてできた時間で発達のことを勉強することにしたのです!
発達のことを勉強すればするほど奥が深くて夢中になった私は… 今、発達科学コミュニケーション(発コミュ)のトレーナーとして活動しています。
まさか会社員じゃない私がいるなんて! 自分でも驚きです。
紆余曲折ありましたが私は、今の働き方をとても気に入っています。
今の仕事には私がずっと手放せなかった「やりがい」があります。
それは国や自治体、病院、学校では手が行き届かない、発達パステル(グレーゾーン)の 子育てに悩むお母さんをケアしていく 「社会貢献型」のビジネスです。
◆②子育てもあきらめなくていい
一方で、バランスという点からも会社員時代からは大きく変わりました。
在宅で仕事をしているので、子どもの緊急時にも柔軟に対応できます!
昨年の夏休み前、当時中学2年生だった息子が、突然学校に行かなくなりました。
発達の凸凹を抱えて頑張っていた学校生活で、本人も気づかない間にたくさんの負荷がかかっていたようです。
発達パステル(グレーゾーン)の子達の「学校に行けない」は無理強いしないのが大原則ですが、会社員という働き方をしていたとしたら、私はきっと
「明日こそは、学校に行ってよね!」
「もう仕事休めないからね」
と言ってしまっていたと思います。
「在宅」という働き方をしていたことで、私は学校に行かなくなった息子と毎日一緒に過ごしました。
別に一緒にいるからと言って何をするわけではないんです。
ただ、同じ時間・同じ空間を共有して、私は仕事をする、息子は映画鑑賞をする。
子どものコンディションを間近で把握することができた。それが、何よりも良かったと思っています。
息子は今では頑張り男子になって高校受験を突破し、高校生を謳歌しています。
だから、私はママの仕事をしたいという想いも、子育てをがんばりたいという想いも 叶えてもらいたいと思っています。
発達障害・グレーゾーンの子育ての難しさもよーくわかっています。
だからと言って、お母さんが「働くこと」「やりたいこと」をあきらめるのは本当にもったいない!
発達の困りごとを小さくする方法も、今までとは違うスタイルで働く方法も、発コミュにはありますよ。
発達凸凹の子育てをしているお母さんこそやりがいを見つけましょう!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)