心配性でなかなか行動できない、すぐにパニックになる…発達障害の子どもは不安が強いタイプが多いですよね。実は子どもの不安には、様々な脳のエリアが関わっているんです!そこで今回はオススメの脳の強化レッスンをお伝えします。 |
【目次】
1.不安が強い子どもに困っていませんか?
・心配性でなかなか行動に移すことができない
・ちょっとしたことですぐにパニックになる
・とにかく怖がり…
こんな風に、不安が強い発達障害の我が子に困っていませんか?
何をするにもネガティブ発言を連発したり、スムーズに行動できない我が子を見ているとついイライラして
「大丈夫って言ってるでしょ!」
「何がそんなに不安なの!?」
などと怒ってしまう…と悩んでいるお母さんもいるかもしれませんね。
我が家の息子は発達障害グレーゾーンの小学2年生です。実は息子も不安が強いタイプで以前は、
・犬を見ると怖がって走って行ってしまう
・「時間がない!」と登園前に大騒ぎする
などちょっとしたことでパニックを起こすことに困っていました。
発達障害、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)タイプは普段から、
・ネガティブな感情で頭がいっぱいになりやすい
・自分の気持ちを言葉にすることが苦手
・急な予定変更が受け入れられない
など様々な様子が見られますよね。実は、これらは全て脳の発達が未熟なことが原因なんです。
私たちの脳は担当する機能によって8つのエリアに分けられ、それぞれが協力し合って様々な活動を行っています。
実は「不安を感じやすい」と言う特性にも、複数の脳のエリアが関係しています。
そのため不安が強い子どもに対応するときには、まずは関係している脳のエリアについて理解することが必要なんです。
そこで今回は、不安が強い子どもにオススメの脳の強化レッスン3選をお伝えします。
2.発達障害の不安に関係する脳のエリアとは?
先ほどお話ししたように、発達障害の子どもの不安には、様々な脳のエリアが関係しています。
そこで今回は、主なエリアを3つ紹介します。
◆感情のエリア
1つ目に関係しているのは感情を担当するエリアです。
「不安になる」「怖がる」と言うのは感情の1つですから、これは分かりやすいですね。
感情のエリアでは、他人の気持ちを感じ取ったり、自分の気持ちを作り出す働きをしています。
発達障害の子どもは「空気が読めない」とよく言われますよね。
このタイプはいわゆる「鈍感」な場合ですが、反対に「過敏すぎる」タイプもいます。
実は不安が強い子どもは、ことあるごとに脳の感情のエリアが過敏に反応してしまうため、緊張が高まりやすいケースがあるんです。
だからちょっとしたことですぐに不安を感じたり、パニックを起こしてしまうことがあるんですね。
◆伝えるエリア
2つ目に関係しているのは伝達を担当する脳のエリアです。
ここでは、自分の考えを言葉やジェスチャーを使って表現する働きを担当しています。
私たち大人もそうですが「怖い」「不安だ」と言う感情は、誰かに話すことで軽くなることが多いですよね。
こんな風にネガティブな気持ちはアウトプットすることが大事です。
ところが、発達障害グレーゾーンの子どもは、伝達する脳のエリアが未熟なために不安をうまく言葉にすることができず、その結果どんどん不安を強くしてしまっているのです。
◆理解するエリア
3つ目に関係しているのは、脳の理解するエリアです。
ここでは、目や耳から入手した情報を分析して、理解する働きを担っています。
理解のメカニズムには2種類あり、
本に書いてある文字を読む
↓
話の内容を理解する
と言う言語情報を使う場合と
お母さんの行動を見る
↓
「忙しそうだ」と状況判断をする
と言う言語ではない情報を使う場合があります。
特に発達障害グレーゾーンの子どもは、状況判断が苦手なことが多いです。
そのため何か問題が起こったときに、状況を分析して解決する方法を見つけることができず、パニックを起こしてしまうことがあるんですね。
つまり、不安が強い子どもに対処するときは
・感情のエリアが未熟なために緊張感が強くなりやすいこと
・不安をうまく言葉にすることができないこと
・解決策を見つけるのが苦手であること
を理解しておくことが必要なんです。
3.オススメの脳の強化レッスン3選
そこで今回は、脳の「感情のエリア」「伝えるエリア」「理解するエリア」を伸ばすオススメのレッスンを紹介します。
実は脳の発達には順番があるのですが、この3つのエリアは発達する時期が遅い場所であると言われています。
ですから今回は、まずはファーストステップとしてやってほしい強化レッスン3選をお話しします。
◆①スキンシップで感情力UP
1つ目は、スキンシップで感情力をUPさせることです。
脳の感情のエリアと皮膚には密接なつながりがあります。実は皮膚刺激を増やすことで、感情力を育てることができるんです。
ちなみに我が家では、息子の様子を見て「ちょっと不安定だな…」と感じるときは、「充電しよう!」と言ってこまめに抱きしめています。
ただしASDタイプの場合だと、感覚過敏などが原因でギュッと抱きしめるのを嫌がる場合もあります。
そう言う場合は、背中をさする、頭をなでるなどお子さんが心地よく感じるスキンシップをとってあげてくださいね。
◆②親子の会話で伝える力UP
2つ目は、親子の会話で伝える力をUPさせることです。
伝える力を鍛えるために必要なのはとにかくどんどんアウトプットさせること。そこでオススメなのが、子どもの好きなことに興味を持ってあげることです。
例えば
・本を読んでいたら「何が書いてあるの?」
・工作をしていたら「よくできてるね!これどうやって作ったの?」
などと質問をしてあげてください。
発達障害グレーゾーンの子どもは自分の興味のあることを話すのが大好きです。ですから子どもが好きなことに取り組んでいるときは、伝える力を伸ばすチャンスなんです。
子どもが答えてくれたら
「へー、お母さん知らなかったよ!」
「教えてくれてありがとう!」
などとしっかり褒めてあげることで自信をつけてあげることができますよ。
◆③「大丈夫!」と安心させて対応力UP
3つ目は、「大丈夫!」と安心させて対応力をUPさせることです。
先ほどもお話ししたように、発達障害の不安の強さの原因の1つは「どうすればいいのかわからない」ことです。
ですから、お母さんには普段から
・困ったら人に言えばいい
・解決策は必ずある
と言うことを子どもにきちんと理解させて、安心させて欲しいのです。
我が家の息子は不注意傾向があるため、学校でしょっちゅうなくし物をします。そんなとき、私がどんな会話をしているかと言うと
息子「水筒なくしちゃった…」
私(え!と思いつつ心の中に留めておく…)「そっか。ちゃんと教えてくれてありがとう。」→困ったら人に言えばいい
「明日はもう1つの水筒を持って行こうね。明日見つからなかったら、新しいの買うから教えてね。」→解決策を伝える
と言う感じで会話をしています。
ここではお母さんが「そんなの大したことないわよ!」と言う感じで、冷静に対応することがポイントです。
こうすることで子どもは「とりあえず困ったら人に言おう」「どんなことが起きてもなんとかなるんだな」と安心を得ることができるんですよ。
いかがでしたか?不安が強い子どもに普段からしてあげて欲しいことは
・こまめなスキンシップで感情力を育てる
・子どもの好きなことに関心を示して伝える力を伸ばす
・「大丈夫!」と安心させて対応力を育てる
ことの3つです。
今日からぜひやってみてくださいね!
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)