子どもは現在、未就園児の3歳です。3歳児検診で発達障害・グレーゾーンではないかと指摘されました。今、2つの幼稚園のプレクラスに在籍しており、そろそろ園に入園の意向を伝える時期が迫っており迷っています。どのように今後3年間を通う園を選べば良いでしょうか?
3歳・女の子のママ
幼児期の大切な3年間を過ごす幼稚園。初めてのことも多くお母さんとしては慎重に幼稚園を選びたいですよね。娘の幼稚園選びに悩んだ私がお答えします。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.発達障害やグレーゾーンの幼稚園選びは大変?
今年はコロナ禍の影響で、どこの幼稚園でも新学期の始まりが遅かったですね。今後、決めなくてはならないことが例年よりも倍の速さで求められることも多くなるのではないでしょうか?
幼稚園選びもその一つ。昨年までなら、保育中の園児の様子や行事などの見学にもゆっくり行けて、我が子に合った園を選ぶことができました。
しかし今年は違います。行事の取りやめ、園への見学の縮小も始まっています。
特に発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てる親御さんにとっては、我が子の大切な幼児期の3年間を託す園は慎重に考えたいものですよね。
発達に心配なことがある場合、考えている幼稚園を我が子の特性に合わせて複合的に判断して決めなくてはなりません。
例えば、不安が強い子どもの場合には躾重視の厳しい園では子どもが潰されてしまう可能性もありますし、じっくり本を読んだりお部屋で遊んだりするのが好きな子どもの場合には外遊びばかりを重視する幼稚園ではストレスを感じやすくなってしまいますよね。
子どもが人生で初めて経験する「社会生活」です。苦手なことをできるようにさせたいと思う気持ちもわかりますが、まずは子どもがどうしたら楽しく過ごせるのかを大切に考えたいものです。
幼稚園の方からは特別に発信はしていないけれども、いざ発達障害やグレーゾーンと聞いた瞬間に遠回しに入園を断る園があることも事実です。
そのせいで、決めかけていた園を諦めざる得ず、幼稚園選びが振り出しに戻ってしまったというのも耳にする機会が多くあります。
いかに短い期間で我が子にとって最適な幼稚園を選択できるかが今年は重要になります。発達障害やグレーゾーンの幼稚園選はどこでも良い!ということはありません。
お子さんの大切な3年間を最大限に伸ばせる幼稚園に入園できるよう、娘の幼稚園選びで悩んだ私の経験を交えながらお伝えします。
2.条件を明確化して最終決定した我が家
ここで我が家の話しをさせてください。
私が娘の幼稚園選びをする中で、一番意識したのは入園する幼稚園に対し譲れないものを明確にすることでした。
当時、我が家の譲れないものとしてあげたのが、
・園は家から近いか?バスがあるか?
・先生の雰囲気(園児にどのように接しているか?)
・園のカリキュラムや行事に対する考え方(幼児期から高いレベルを求めるのか?否か?)
・先生の数(多いほどフリーで動ける先生がいるということ。子どもの支援につながりやすいのではないか?)
・外遊びと部屋での保育活動の比率(我が子の場合は部屋でじっくり型が合うのではないか?)
・日頃から近隣の発達支援センターとのつながりがあるか?(支援センターに通う必要性が出てきたときに園が対応してくれるか?)
を重視して考えるようにしました。
譲れないものの中にバスとありますが、娘はプレ保育の時点で強い登園しぶりがありましたので、バスがあるというのは必須でした。なぜなら登園しぶりの際に気持ちの切り替えに手助けしてくれることもあるからです。
そして園の保育や行事に対する考え方は幼稚園により様々です。幼少期から優劣をはっきりさせるために普段の園生活や行事において厳しい園だと、我が家の場合には娘の不安を増殖させる可能性がありますので我が家には向きません。
また、先生の人数も幼稚園の規模により違いますが、少ないと目が行き届かないだけでなく、困っている場合に支援されにくいという状況が発生しやすくなります。なかなか自分から発信ができない娘にとっては目が行き届くことは必須でした。
子どものことを一番に考えて、譲れないものを少なくとも5つほど明確にするのが幼稚園を比較する際には良いと思います。我が家でも6つ挙げ、その当時気になっていた4園を比較しました。
比較が平等になるよう全ての幼稚園で同じ情報量を集取。保育中の幼稚園を外から見に何度も行きました。園児たちを見ながら時折、入園後の我が子と置き換えて園生活を想像するなどしながら…
実際に気になっている幼稚園に通わせているお母さんのお話しを聞く機会もありましたが、発達障害やグレーゾーンのお子さんの場合には実際に自分の目で安心できるまで確かめることをおすすめします。
頭でいくら考えてもなかなか答えが出せなかったのですが、可視化することで比較がしやすくなり、あっという間に決まりました。
その方法を次項で説明しますね。
3.失敗しない比較方法はグラフで!
これは我が家が行った比較方法です。幼稚園を決めかねているお母さんはこの方法を選択肢の一つに加えていただけたらと思います。
気になる幼稚園に対し、譲れない項目ごとに棒グラフにして比較しました。1〜5の評価に対して譲れない項目ごとに棒グラフにすることにより可視化され比較しやすくなります。
子どもの特性や性格を踏まえ各項目で4か5をお母さんがつけている園を選択すると安心してお子さんを預けられると思います。
私は各項目の評価が全て4以上の幼稚園に最終的には決めました。他の項目が良かったとしても、一つでも項目に3以下の評価がある園は候補から削除。
我が家の評価の見方ですが、1や2は論外。3はどちらとも言えないという、いくら情報を集めても見えてこない部分です。4は都度相談で対応が可能。5は確実に対応している。
一見、かなりの神経質?とも思えるこの方法で比較して幼稚園を決めましたが、細かく比較したことにより初めから安心して幼稚園に通わせることができました。
どこの幼稚園でも幼少期の子どもは親が驚くほどの成長を見せてくれることと思います。しかし、発達障害やグレーゾーンのお子さんの場合には入園する前の十分過ぎるリサーチは必要不可欠です。
万が一、気になる幼稚園が発達障害やグレーゾーンは…と断られたとしても凹む必要はありません。たとえ入園したとしても、お子さんが苦しい思いをして、せっかくの成長の芽を摘まれてしまいかねません。
「ご縁がなかったんだわ〜」とだけ呟き、気持ちよく迎え入れる準備が整っている幼稚園を選びましょう。そのほうが親子ともに幸せで楽しい3年間になりますよ。
お子さん中心で幼稚園を選択することが一番重要ではありますが、親御さんにとっても生活環境によって譲れない条件は違います。給食があるかどうか?預かり保育は充実しているか?などを比較する項目に加えて考えても良さそうですね。
もしかしたら、お母さんご自身も気の合うママさんがいらっしゃるか不安かもしれません。
でも、ママ友だけは、はっきり言って入ってみなくてはわかりません。私は100人ママがいたらたった1人、なんでも安心して話せるお友達ママができたらいいなくらいに思っていました。
皆さんの大切なお子さんが伸び伸びと楽しく通える幼稚園に出会えますよう、心より応援しています。
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)