不登校の子どもの斬新な勉強法を教えます!不登校専門の家庭教師さんのお話−前編−

不登校になるとやはり心配なのは勉強ですよね。元不登校だった現役大学生の受験勉強を楽しく突破させることのできた家庭教師さんにインタビューをさせていただきました。勉強嫌いな子どもが動くようになった勉強法とは何かを聞いてみます!
 

【目次】

 

1.衝撃的な不登校の子どもとの出会い

 
 
子どもの勉強について気になるお父さんお母さんは多いのではないでしょうか?
 
 
特に学校の勉強をしたがらないお子さん、不登校で授業を受けていないお子さんであれば尚更、親としては心配になりますよね。
 
 
今回は、以前インタビューした元不登校の現役大学生を、中学生の頃から指導していた家庭教師の先生、Tさんにお話を伺うことができました。
 
 
現役大学生へのインタビューはこちらです。
 
 
 
 
勉強とは何か、勉強をしたがらない子どもにどのようにアプローチをすべきなのか教えていただくことができました。
 
 
「うちの子、他の子と違って何か考え方が違う気がする…」
「喋る内容は賢いのに、なんでこんなに勉強を嫌がるのかしら」
 
 
と思っているお母さん、もしかしたらこの記事を読めば解決策がわかるかもしれません!
 
 

―――T先生は長年家庭教師をやってらっしゃるんですか?

 
 
「僕は元々東京の大学に行っていて、そのときにメンタルの調子を崩しまして地元に戻ってきたんですね。大学を中退しちゃったんですね。
 
心療内科に行ったり、精神疾患の当事者の自助グループみたいのに入っていたんですけど、カウンセリングをしていた心療内科の先生に出会って、4〜5年通っていた頃、先生からK君を紹介されて。
 
『学校に馴染めないんだけど、学問はすごく好きなんだ。そんな子がいるんだけどTさんみてくれないか』と言われたんですね。」
 
 

―――心療内科の先生はT先生もK君もみていて、合うんじゃないかと思って引き合わせてくれたんですね。

 
 
「そうだったんですよね。その前から塾の講師などのバイトをしていたこともありましたが、家庭教師はK君の担当が初めてでした。」
 
 
 
 

ーーー

 
 
ご自身がカウンセリングを受けていた心療内科の先生からの紹介で、当時中学生だったK君の家庭教師をすることになったT先生。
 
 
K君との出会いは衝撃的だったそうです。
 
 
K君と出会って感じたこと、学校の勉強嫌いの男の子をどんなアプローチで勉強への意欲を引き出そうとしたのかをうかがっていきます。
 
 
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2.勉強嫌いな子の気持ちを受け止める

 
 

―――最初からスムーズに教えることはできました?不登校の子によっては勉強に抵抗感がある子もいますが、K君は初めて会ったときから受け入れてくれましたか?

 
 
「心療内科の先生から、『1たす1はなんで2なんですか?』って聞いてくる子なんだって言われていて。それは面白い子だなと会う前から思っていたんです。
 
初めて会いに行ったときは、『なんで、歴史で天皇とか将軍の名前を覚えなきゃいけないんですか?』って言われたんですよ(笑)
 
『この子は面白いぞ!』と。
 
僕自身もそうですが、勉強というか学問というのは好きなんだけど、テストの点数を上げるためだけとか、出世のためとか、そういう勉強に興味がない方で。塾のバイトで点数あげましょうとかいうのも気持ちがのれなかったんですよね。
 
それでK君と話したとき、『これはすごく合うぞ!』と思ったんですよ。
 
彼のものすごい質問というのは、とても楽しいんですよ。
 
『英語っていうのは、他の言葉と違って発音も文法もめちゃくちゃだ。まともじゃない英語を僕はやる必要がないんじゃないか』と言う。
 
普通の学校だと、先生は『受験で必要なんですよ』と言いますよね。そんなやり方は、この子は受け入れられない。
 
そこで、『その通りだ‼︎君は。英語はフランス語やドイツ語と比べて全くなってない言葉だ!』と伝えました。
 
 
 
 
相手の土俵に一緒に登って、君の考えはいいと。100パーセントオッケーだと認める。
 
その上で、大学に行きたいとも言っていたので、言葉を考えました。
 
『英語を必ずしもやらなきゃいけないというルールはこの世にはない』
 
『けれども、君の大学へ行きたいと言う夢を叶えるためには英語が必要なんだ』
 
という形で言ったんですよね。未だに彼は英語嫌いなんですけどね(笑)
 
 

ーーー

 
 
「なんでこんな勉強しなきゃならないの?」と子どもに聞かれたら、皆さんはなんと答えるでしょうか?
 
 
大抵の場合、
 
 
「大人になったら必要だから」
「今これをやらないと、中学、高校、大学に進めないよ」
 
 
と、答えることが多いのではないでしょうか?
 
 
そのような答えでは納得してくれないと予想したのでしょう。T先生はK君の疑問を全部丸ごと肯定してあげたのです。
 
 
T先生がK君の疑問を受け止めた背景には、T先生が実践してきた、とある研究法がヒントになったそうです。
 
 
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3.不登校の子どもを研究しちゃおう

 
 

―――K君の考えを認めて、その上で現実の課題を乗り越えようと提案したのは、T先生が独自に思いついたことだったんですか?

 
 
「僕もメンタルの調子が悪いことがあるんです。
 
そのきっかけで自助グループに参加しているんですけど、北海道にある『べてるの家』っていうところの人たちと交流しているんです。
 
そこのスタイルが、精神科とか医療を一方的に受けるんじゃなくて仲間達みんなで苦労を分かち合って一歩一歩進んでいく、当事者研究っていう、病気を研究しようっていう方法なんですね。
 
自分の病気に自分で病名をつけたりして、病気をネガティブなものとして捉えないで、その人の生き方のスタイルとして肯定しようとする。
 
そんなことをK君と会う前に4〜5年やっていたので、そのやり方でK君とやっていったんですね。
 
その当事者研究では、精神疾患で統合失調症などの症状の重い方だと、毎日が問題だらけ。幻聴が聞こえたとか、御近所さんがFBIでこっちを狙ってるように見えるとか。そんな問題が起きたら、『すごいね!順調だね!』って言うんですよ。」
 
 

―――えーー⁈

 
 
「それを研究しようという方法です。なんでお隣さんがそんな風に見えたんだろうと言って、ホワイトボードでみんなで図に書いたりして研究するんです。
 
K君のように学校教育に合わなかった人というのは苦労の宝庫なんです。
 
つまらない先生が嫌い、世間並みの凝り固まった倫理道徳が嫌い、ちゃんとした合理的普遍的な理由のないものは嫌い、全部、普通の学校システムでは問題児とみなされるかもしれないじゃないですか。
 
だけど、それがむしろ、『いいね!面白いね!君!』と。
 
ある種、固い先生からみたら、それ直すべきだよという傷口をどんどん広げちゃうっていう(笑)
 
そのノリでいったらK君は喜んでくれたんですよね。」
 
 

―――自分を認めてくれて、しかも褒めてもらえたら嬉しいですよね。

 
 
「そのようでしたね。K君は。」
 
 
 
 

ーーー

 
 
『べてるの家』は、北海道にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点で、そこで暮らす方たちにとっては、生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体という3つの性格を有しているところです。
 
 
そこでの当事者研究という方法を、不登校中学生にも取り入れて対話をしていったのですね。
 
 
学校では先生に疎まれてしまったような考え方を絶賛してもらえたことで、K君はポジティブに不登校経験を武器にすることができたのではないかなと思います。
 
 

4.受験勉強はやっぱり大変

 
 

―――K君が勉強に対して納得できるように寄り添うことで、勉強はスムーズにいったんですか?

 
 
「その都度テーマが来ますよね、定期テスト、受験と。押しつけず、僕も一緒に彼の隣を歩いて行って、一緒に苦労の火の粉を浴びようと。そういう風に腹を括った瞬間があったんですね。
 
 
 
 
苦労って言えば、大変っちゃあ大変だったんですけど、その苦労は面白かったですね。」
 
 

―――やっぱりそうやって面白いって思ったことは、一緒に火の粉を浴びようと思うほどサポートする気持ちになった原動力ですか?

 
 
「僕も彼と会うときは楽しくて。
 
ただ、受験を乗り切るというのは、やっぱりしんどかったかもしれませんね。」
 
 

―――大変でした?結構。

 
 
「そうですね、やっぱ個性を生かすとか、彼の特性をポジティブに捉えるということは通常時の、日常の勉強では比較的やり易いんですけど、受験だともうこのルールに向かってこの方法でいってくださいっていうのがかっちりある。
 
そこで個性とか言っていてもやっぱり難しいところがあって。
 
いわゆる受験勉強法というのをガッチリ取り入れられたらもっとスッと行けたのかもしれないな〜と思うんですけど、どうでしょうね、ちょっと分からないところがあります。
 
ただ、よかったですかね、やっぱ。結局Kくん本人がやるわけで、K君らしく、でしか受験は突破できなかったと考えると。どんな受験勉強法が最適だったかの判断はそのときそのときの色んな状況にもよるので、そこは難しいところですね。」
 
 

ーーー

 
 
考え方が個性的なお子さんと向き合うのは、大人の側に世間体を気にする固定概念が強い場合は大変なことかもしれません。
 
 
T先生でも、受験を突破させてあげなければという家庭教師としての責任と、その子の特性に合わせて勉強させてあげたいという気持ちの葛藤があったのではないかなと感じます。
 
 
楽な受験勉強はないと思います。推薦入試やAO入試など入試方法も多様になってきてはいますが、学科試験を受ける場合はそれ相応の準備が必要ですね。
 
 
学習方法が個性的な子どもの場合は更に大変になってきます。子どもの特性をしっかり理解してくれて、一緒に受験勉強への対策を練ってくれるような先生を見つける必要がありそうです。
 
 

5.子どもの脳の構造を見抜く

 
 

―――具体的に受験勉強をどんな方法でやりましたか?

 
 
「すごい初歩的ですけど、英単語を必死に練習するとか基本的なこと、そういう訓練が好きではなかったですよね。
 
 

―――きっと嫌いですよね、そういうの(笑)うちの息子と似ているからわかります!

 
 
「今でも、そういう反復練習みたいなのはまったくしないんです。英単語には接触しないと当然覚えられないんですけど、一方でK君は文法は好きなんですよね。文法とか文章の中で、単語に触れていくって感じでやっています。」
 
 

―――他の科目はどうですか?数学や国語は?

 
 
「数学が好きなんですよ。そこはずっと楽しみながらいって、国語の漢字はそれだけをやるというのはあんまり好きではないんです。
 
暗記系は拒否なんですよ! 一方で論理的な文章を読み解くのは得意なんですよね。だから現代文はほとんどやらなかったかな。」
 
 

―――K君のお母さんから、中学の勉強が済んでいないのに微分積分をやったって聞いていたんですけど。それって興味のあるとこからやっていこうって感じだったんですか?

 
 
「微分積分が文系大学受験の最後のラスボスなんですけど、受験シーズンのちょっと前に微積分をやったんですよね。
 
関数がもともと好きだったんです。基本の計算はそれだけするというのはやっぱりあまりしなかったんですけど、微積分は大好きですぐにわかって解けるようになったんですよね。」
 
 

―――やっぱり物事の概念が好きなんですかね?

 
 
「そうですね。そのとき気づいたのが、彼の頭の脳の構造と、普通の学校教育の方向性がちょうど反対、逆さまだったなと気づいたんですよね。
 
基礎から、簡単なとこから積み上げていくというのが大っ嫌いなんですよね。 受験勉強が終わって彼が言ってたのは、微積分をやって、なぜ細かい計算が必要だったかがわかったと。」
 
 

―――全体像から入るんですね。

 
 
「それなら、小学生のうちから微積分を教えてくれたらよかったのにって言っていました(笑)」
 
 

―――K君の頭の構造に合わせて適切に勉強を考えてたってすごいですね、先生。

 
 
「いやいや、僕はただひたすら彼の勉強に関する欲求の赴くままについていったっていう感じで。彼の才能を200%伸ばしたって感じじゃないですよ。むしろ、彼が自然に伸びていく方向にトボトボついて行っただけ、という感じがします。」
 
 

ーーー

 
 
人の認知処理の仕方には2つのパターンがあります。
 
 
1つは「継次処理」、もう1つは「同時処理」。通常、この2つのパターンを組み合わせて情報を処理していますが、2つの処理のアンバランスが大きく、得意と不得意がとてもはっきりしている子どももいます。
 
 
継次処理は、一つずつ情報を順番に処理していくタイプで、簡単なことから経験を積み上げていくことが得意です。学校教育はこのタイプの子どもに向いてる授業スタイルが多いです。
 
 
一方、同時処理が得意な子は、全体を見て関係をつかむのが得意です。、単純な簡単なことをやるよりも課題の本質的な面を把握し、そのために必要な情報に着目していくことで理解が深まります。
 
 
 
 
K君は、同時処理が得意なタイプだと思います。そのため、英文読解に必要な単語を覚える、数学を解くために必要な計算をひたすらやる等といった勉強から入ると拒否感が強かったのですね。
 
 

6.子どもの得意不得意を探せば勉強法が見えてきます

 
 
認知処理の得意と不得意がとてもはっきりしている子どもの場合、不得意な処理方法で負荷のかかる指示や指導をされると、学習に極端に時間がかかったり、許容量を超えてしまったりして学習できない状態になることもあります。
 
 
T先生はK君との会話の中で、K君の認知処理スタイルを読み解き、焦らず楽しく得意な方法に合わせて勉強を進めていきました。
 
 
元々塾講師もしていて、勉強に関する知識やノウハウがたくさんあったこと
 
単純な課題の勉強を嫌がるK君を肯定し、理論的に受験に必要なことを説明したこと
 
 
この2つが、Kくんが学びを進めていくための重要なポイントだったようです。
 
 
中学生以上の勉強となると、子どもの勉強を見てあげるのもしんどくなってきてしまうお母さんもいると思います。
 
 
けれど、子どもの脳がどんな認知スタイルが得意なのかを観察し、理解することはお母さんでもできますよ!
 
 
学校以外の時間に、遊んだり活動したりしている様子を観察してみてください。どんな話は興味を持てるのか、どんな内容を理解しているのか、耳で覚えるのが得意なのか、目で覚えるのが得意なのか。
 
 
お母さんが思う子どもの能力が学校での成績や評価と大きな違いがあれば、何か子どもが学校での教わり方にフィットしていない部分が大きいのかもしれません。
 
 
自分の脳に合わない勉強に合わせなければならないとしたら、やはり楽しく、自分の気持ちを認めて理解できるように熱心に探ってくれる先生に出会わせてあげたいですよね。
 
 
 
 
後編のインタビューでは、学校へ行けない子どもにはどのような気持ちで接したら良いのか、子どもの興味の広げ方についても聞いていきます!
 
 
 
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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