小学校生活がスムーズに!発達障害の年長さんから始める幼児の「聞く力」強化レッスン(入門編)

発達障害の幼児にお母さんが何度指示しても聞いていない、分かっていない…そんなことはありませんか?発達障害の子どもで「聞くこと」が苦手な子はたくさんいます。「聞く力」を伸ばすには、まずコレから始めましょう!
 

【目次】

 

1.発達障害の幼児は「聞くこと」が苦手!?

 
 
発達障害の子どもを育てていると、毎日がトラブルの連続!ということ、ありますよね。
 
 
片付けしない
朝の支度をしない
テレビをやめられない…
 
 
お母さんは「片づけしてね」「準備しようね」「テレビおしまいだよ」と声をかけるものの、全然聞いていない!ということはありませんか?
 
 
また、お母さんが大切な話をしようと落ち着ける環境を作って話しても、何か聞いていない…ちゃんと聞いてる?分かってる?とイライラしたことはありませんか?
 
 
 
 
今日は、発達障害の子どもの「聞く力」をどう育てるか?についてお伝えしたいと思います。
 
 
発達障害の子どもたちで「聞くこと」が苦手な子はたくさんいます。学校生活では「授業」中心。聞くことが中心になります。学校生活をスムーズに送るためにも、聞く力をしっかり育てていきましょう!
 
 
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2.聞く力を育てる前に○○するチカラを育てる

 
 
もともと発達障害の子どもたちは「視覚優位」の子が多いと言われています。耳で聞くよりも目で見た方が情報をキャッチしやすいタイプの子どもたちです。
 
 
絵カードを用いて指示しましょう、と指示を受けたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
 
 
絵カードを使ってばかりいたら、ますます聞く力が育たないのでは…?と不安に感じていませんか?
 
 
まず、一番大切なのは「理解する」ということ。これを知っておいてください!
 
 
子どもが理解できるのであれば、情報が目から入っても耳から入ってもどちらでもいいんです!
 
 
特に幼児期は1つでも多くの情報をキャッチして脳の処理のネットワークを作っていきたい時期。言って分からないのであれば見せて説明する。とにかく「理解できているならOK!」とします。
 
 
 
 
私の息子は今小学校1年生。発達障害・自閉症スペクトラムの診断があります。私の息子は聞く力が弱い上に、ひとまず「分かった!」と返事をする癖があります。
 
 
そこで、口頭で説明した後、絵カードを見せたり、私がやって見せたりして、目で見て理解できるように心がけました。
 
 
みなさん、絵カードと聞くと「準備が大変そう…」と思われるのですが、私たちには「スマホ」という強い味方がいます!
 
 
スマホで検索して画像や動画を見せる。わざわざ絵カードを印刷しなくてもOKなんです。
 
 
まず、幼児期は徹底して「理解する」ルートを作ることが大切です!
 
 
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3.子どもの聞く力の育て方:入門編「聞く準備態勢を整える」

 
 
心配なのは小学校に上がってから。学校の授業の大半は先生の口頭での説明。つまり聞く力がとても重要になってきます。
 
 
もちろん教室内での視覚支援はどんどん進んでいます。
 
 
息子が通う小学校では、電子黒板が導入されて、先生方がパワーポイントで授業を行っている授業もあります。生活の時間にタブレットを使ったこともあるそうです。
 
 
掲示物をスッキリさせて、黒板に集中できる環境も作ってくださっています。
 
 
ですので、授業は問題ないんです。心配なのは授業以外の時間です。
 
 
お友だちとのおしゃべり、朝の会や帰りの会の連絡事項。ここでの情報をしっかりキャッチしていないとどうなるでしょうか。
 
 
お友だちとの話についていけずに約束を聞き漏らしてしまったり、忘れ物をしてしまったり。実際に息子も忘れ物をしてしまったことがありました。
 
 
聞く力がしっかり育っていると、学校生活はよりスムーズになるはず!特に年長さんはしっかり準備するのがおすすめです。
 
 
聞く力を育てるための最初のステップ。それは…
 
 
聞く準備態勢を整えることです。
 
 
少し思い出してみてください。テレビを見ている子どもに「もうおしまいだよ」と言っても、完全にスルーされてしまうことありませんか?どうしてスルーしてしまうのでしょうか?
 
 
視覚優位の子どもがテレビを見ているとき、脳は目から入った情報処理でフル回転しています。耳は完全にお休み状態。そんなときにお母さんが声をかけても、そもそも気づいていないのです。
 
 
ですから、まず目から入る情報を制限して、耳からの情報が入る余裕を作り出します。肩をたたいてお母さんに視線を向けさせるだけでもかまいません。テレビからの情報が一時的に少なくなり、視界に入ったお母さんに注目できるようになります。
 
 
お母さんに視線が向いたら、こう尋ねてみてください。
 
 
「ねえ、ちょっといい?」
「お母さん、お話があるんだけど…」
「お話、聞いてくれる?」
 
 
 
 
子どもの注目が得られた直後に「テレビおしまいだよ」と言ったとしても、指示に従えるお子さんもいらっしゃると思います。ただ、このワンステップを作ることで、
 
 
「お母さん、今から何か話すんだな」
「何を話すのかな」
 
 
子どもが心の準備をして聞く姿勢、理解できる準備状態を作ることができます。ですから、「早くお母さんの話を聞きたい!」というワクワクした気持ちを引き出して、しっかり注目させることが大切です。
 
 
注目した結果、「テレビやめなさい」だと子どももがっくりですよね。せっかくワクワクしたのに…となってしまうので、一工夫しましょう!
 
 
例えば、「テレビおしまいにしておやつにしよう!」「お散歩行くけど一緒に行く?」「お買い物手伝ってくれたらうれしいなぁ~」など、子どもが楽しいと思えるようなことを用意しておくといいですね。
 
 
こうして、子どもが意識して話を聞けると理解しやすくなり、脳のネットワークも強化されていきます。
 
 
視覚優位の子どもは、注目し始めるとどんなものにも注目します。
 
 
息子の場合、テレビから視線がそれて「よし!」と思っていたら、窓ガラスに映る自分の顔に気づいて変顔していたりしたことも…(笑)テレビを切ってしまうと液晶画面が鏡のようになり、これまた変顔のオンパレード!
 
 
ですから、お母さんは子どもの意識がしっかりこちらに向いているか確認することが大切です。よく「目を合わせて…」と言われますが、アイコンタクトが苦手なお子さんもいらっしゃると思います。
 
 
だからこそ、「お話、聞いてくれる?」というワンステップを踏むことで、注目してもらえているかチェックすることもできるんです。
 
 
まずは聞いて理解しているかどうかチェックするよりも、聞く姿勢、聞いて理解しようとする姿勢を作ってあげることがポイント!ぜひお試しくださいね。
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
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