発達障害の子どもの将来について考えると何かと心配ですね。勉強ができるように、友達と仲良くできるようになど、色々なことをできるようにさせておきたいですね。中でも今日は今身につけておきたい自己〇〇感について注目し、その対応についてお話します。 |
【目次】
1.発達障害の子どもの子育てで目指すこと
日本で言われる「いい子」とはどんな子でしょうか?
・挨拶ができる
・先生や友達の話が聞ける
・周囲の人と同じように行動する
・忘れ物をしない
・物を大事にする
などですね。
そんな文化の中で育つ発達障害の子どもは、毎日毎日怒られることが多いと思います。
授業中は集中できず、「ちゃんと聞きなさい」と怒られる。
気になることがあって、つい席を立ってしまい「座りなさい」と怒られる。
忘れ物ばかりして「どうして忘れるの?」と怒られる。
やたらと物を壊してしまい「ダメでしょ」と怒られる。
学校や家で
「そんなことしちゃダメでしょ!」
「やめなさい」
「どうしてできないの?」
「ちゃんとしなさい」
と言われることばかり。
このように育てられた、発達障害の子ども達は自信がなく、
「自分はダメなんだ」
「どうせ何をやってもうまくいかない」
と悩み、自己肯定感は低くなるばかりです。
自己肯定感が低いと、言い訳ばかりして行動を起こしにくくなります。
自己肯定感はとても大事ですが、発達障害の子どもには自己肯定感より自己〇〇感を高める子育てをしてほしいと思います。
今回は、「自己〇〇感」をアップさせる方法をご紹介します。
2.「自己肯定感」だけじゃない!今、注目すべきは「自己〇〇感」
今回ご紹介するのは、「自己肯定感」ではなく「自己効力感」を高めようということです。
「自己効力感」ということばを聞いたことがありますか?
自己効力感というのは、「自分の行動にはこの程度の効果がある」という見込み、期待感や自信のことです。
自己効力感について、発達障害の我が家の息子の例で説明しますね。
息子は、
テスト勉強をする
↓
テストができない(自分の行動に効果がないと知っている)
↓
もう勉強しない
という悪循環に陥っていました。
しかし、息子の自己効力感を高めると、
テスト勉強をする
↓
テストの点があがる(自分の行動に効果があると知っている)
↓
テスト勉強をがんばる
に変化しました。
学校や家庭生活で行動する前から「どうせできないんだ、うまくいかないんだ」と思っていることが多い、発達障害の子どもたち。
彼らには自己効力感を授けることが行動するための大切な力になってきます。
自己効力感が高いと「やってみよう」「挑戦してみよう」と積極的に行動するようになってきます。
新しい事柄や、苦手な事柄に挑戦していくために、自分の行動に効果があるという期待や自信をつける、「自己効力感」を高めましょう。
3.自己〇〇感アップさせる対応をご紹介!
それでは、自己効力感を身につける対応についてお伝えします。
◆①褒める
子どもの行動をしっかりと肯定し褒めます。
子どもは自分の行動をしっかり肯定されると、自分の行動に自信が持てます。
「朝、起きれたね」
「ごはん食べているね」
「お着替え、できているね」
「宿題やってるね」
とやっている行動をそのまま言葉にして肯定します。
実況中継で大丈夫です。
いつも怒られている発達障害グレーゾーンの子ども達ですので、褒められると
「あれ、自分ってできてるんだ」
と自分の行動に自信が持てます。
ポイントはどんなに小さなことでも褒めることです。
積み重ねていくと、自分の行動には効果があるんだ!と思うようになり、どんどん行動するようになります。
褒められ、自分の行動に効果があるとわかると学習にもつながってきます。
◆②お手伝いをお願いする
自己効力感を育てるために効果的なのがお手伝いをしてもらうことです。
・ごみを拾う
・洗濯物を片付ける
・食器を運ぶ など
簡単なことをお願いしてみましょう。
お手伝いをしてくれたら、「ありがとう」と笑顔で伝えます。
すると、子どもは「自分は行動は役に立っている」と感じることができます。
自己効力感を高めるためのお手伝いのポイントは、スモールステップで少しずつしてもらうことです。
小さな「できた」の積み重ねには、行動が積極的になったり、失敗に対する不安が軽減する効果があります。
そして、自分は行動すればできるんだと感じるようになります。
いかがでしたか?
自己効力感を上げる対応策は
①褒める
②お手伝いをお願いする
です。
自己効力感を高めることは、子どもが大人になったときに、「あれをやってみよう」「これに挑戦してみよう」と行動を起こすことにつながります。
行動を起こせば、必ず誰かが助けてくれたり、成功することができます。
子どもが社会で自立でき、これからの生活に前向きになるために、自己効力感を高めておきましょう。
発達障害の子どもと笑顔で過ごせる方法をたくさんご紹介しています!
執筆者:石井花保里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)