発達障害なのかはわかりませんが、食べられるものが少なくて悩んでいます。まだ2歳なので何が嫌なのかコミュニケーションを取ることもできず、偏食の原因がわかりません。どう対応したらいいのでしょうか。
2歳・女の子のママ
発達障害の診断は2歳頃だとはっきりされませんし、どんな子でも言葉でのコミュニケーションは難しい時期ですよね。偏食の原因がわからず、大人としても対応に困ることが多いことでしょう。私が子どもの苦手を見抜いたきっかけをお伝えします。
発達科学コミュニケーショントレーナー 青島明日香
【目次】
1.なぜ食べないのかわからない!
2歳前後は離乳食も終えて、少しだけ大人のメニューにも近づく頃ですね。
もちろんすぐにメニューを変えるわけではなく、薄味にしたり食べやすいように調理法を変えたりと、まだまだ食事の準備が大変、と感じているママは多いことと思います。
「一生懸命作っても、なかなか食べてくれない。」と落ち込んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。
かつての私はというと、子どもは食べたことのないものが多いので「まだ嫌いなものも多くて当然よね!」とのんびり構えている新米ママでした。
また、離乳食はわりと何でも食べていたので、そんなに心配していなかったのです。
ところが、いざわが子の食べ物のこだわりを目にすると、それは想像を超える偏食だったのです!
例えば
・飲み物は牛乳しか飲まない。
・うどんはつゆの中に入っていると食べない。ゆでただけの麺を味付けなしで食べる。
・チャーハンが嫌いでお皿ごと投げる(頭からチャーハンをかぶったこともあります)
こんな具合です。
牛乳しか飲まなかったとき、脱水になってもいけないと思い、仕方なく牛乳を与え続けました。1日1リットル飲んだことも。
それを保健師さんに言うと、「飲ませすぎ!」と怒られる私。
チャーハンが食べられなくても、牛乳しか飲まなくても生きてはいける。
でも食べられるものが本当に限られている。さすがに好き嫌いの多い年ごろと言っても、私も悩むようになりました。
「嫌いなものの何が嫌なんだろう。それがわかったら工夫して、苦手を克服できるかもしれないのに。」
でも結局は苦手の原因も対応法もわからず、しばらく途方に暮れていたのです。
2.ナゾだらけ!発達障害でなくても言葉でコミュニケーションが成り立たない2歳児
2歳前後と言えば、発達障害があってもなくても言葉でのコミュニケーションもまだまだ難しいですよね。
わが子が言葉を話し始めたのは1歳8か月。1歳半検診で言葉が出ていなかったので、少し発達が遅いのかな、と思っていました。
ところが単語が出始めたと思ったら、1か月もしないうちに延々と単語の羅列。
2歳になる直前、チャーハンを投げながら放った言葉はこんな具合。
「これ いや きたない 娘ちゃん たべない ママ きらい あっち バイバイ」
「うん、わかったよ、いやなことは言葉でも態度でも十分わかったよ。でも何がいやなわけ?」と私は思いました。
あたりまえですが、2歳児が納得できる理由を述べるわけがありません。
そして2歳になり、1歳半検診でOKが出なかったので、再受診しました。
これだけ言葉も話せて、好きなおもちゃにこだわりがあったりするけれど、外ではお友達に貸してあげることもできるので、「何も問題ないですね」とのこと。
偏食に関しても「まあこれくらいの子は偏食もありますからね。様子を見ましょう」で終わりでした。
その当時私はわが子に「発達に遅れがある」とか「ちょっと個性的?」とか思うこともない、のんびりママでした。「発達障害」という言葉も知らないという無知っぷり。
そんなのんびりな私が、わが子の苦手に数か月たってから気づくことになったのです。
後々になって発達障害のことを知ったとき、初めてわが子のような偏食の子がいることを知りました。悔やんでも仕方ありませんが「あのとき知っていたらな~」と思ったのです。
3.毎日の○○でナゾが解けた!偏食の理由とその後の大人の対応
その頃の私は、とにかく毎日をやり過ごすのに必死。
外出が大好きな娘に付き合い、1日中外へ行ったり、帰ったかと思えばきょうだいもいないので、またまた遊びに付き合ったり。付き合わないとかんしゃく。そんな時間のない中、ご飯を作っても食べない。
きっと2歳ごろのお子さんを持つママは、かつての私だけでなく、このように子育てに日々奮闘していることと思います。
そんな中でも、私は日々の娘の様子を記録に残していました。もちろん丁寧に書いてはいません。
・チャーハン投げた
・友達とお弁当
と本当に走り書き程度。それでも時々見直してみると、娘の偏食の傾向が見えてきたのです。
それは、白米・じゃがいもと玉ねぎのみ入ったクリームシチュー・味がついていないうどん・牛乳など「白いものしか食べない」ということ。
リンゴやバナナも、皮がついたまま見せてもいやがる。皮をむくと喜んで食べる、といった具合です。
そこまでわかると、私も「白いものだけ出そう!」と覚悟を決めました。
ただし、大人はカラフルな食べ物でも「おいしいな」と言って食べる姿を見せてきました。
また、児童館のような施設で、お友達とお弁当を持って遊びに行くこともあり、友達のカラフルなお弁当を見る機会もありました。
そんな体験を通して、少しずつですが、つゆに入ったうどんが食べられるようになったり、牛乳からお茶に変更しても飲めるようになっていったのです。
毎日目の前の子どもに必死になっていると、気づきそうなことを見逃してしまったり、成長できていることを認識できず、他の子と比べて落ち込んでしまったり。
大変かと思いますが、少しでいいので日々の気づいたことを記録しておき、時々振り返ると、子どもの個性や成長に気付いて対応しやすくなることもありますよ。
ぜひやってみてくださいね。
執筆者:青島明日香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)