女の子は男の子に比べて発達障害の特性が分かりにくいと言われています。 普段関わっているお母さんなら、あれ、ちょっと他の子と違う?と感じることがあるかもしれません。もしそうなら、女の子へは早めの対応がおすすめです。 |
【目次】
1.なんだか違う?女の子の発達障害を疑うとき
子どもと関わる中で、なんだかちょっと他の子と違う?と感じられることはありませんか?
健診では指摘されなかったけれど、何か違和感があるというちょっとした違いは普段関わっているお母さんが一番よく気が付きます。
特に多動や衝動性のある注意欠陥多動性障害(ADHD)の男の子の場合だと、不必要に立ち歩いたり、衝動的に手が出たりなど他の人への影響が強く、分かりやすいので周りも早めに対応します。
しかし女の子の発達障害、特に自閉症スペクトラム(ASD)が疑われる子の場合だと、
・園や学校への行き渋りがある
・行動がゆっくりで切り替えが苦手
・一人遊びが好きでお友達とあまり遊ばない
・言葉数が少なく、うまく伝わっていない感じがする
など、お母さんであれば、あれ?と気が付くことがあっても、周りの人にとっては影響が少なく気が付かないことも多いのです。
わが家の娘も、話しかけた言葉がうまく伝わっていない感じがあり、家族や園の先生にも相談しましたが、誰もが「大丈夫」「気にし過ぎ」と言われるばかり。
それでも…と思って専門機関への相談を考えていると、最近の親は考え過ぎだとか、自分の子どもを発達障害にしたいのか?などと言われる始末でした。
発達障害についてはネットでも調べていましたが、出てくる情報は癇癪が強いとか、衝動的に行動するなど娘にはない特性も多く、成長したら気にならないかなと思ってしまいました。
しかし、年齢を重ねていくうちに周りの子とできることの差は広がるばかり。
もっと何かできることはなかったのでしょうか。
2.なぜ女の子の発達障害は分かりにくいの?
女の子の発達障害の特性は分かりにくいと言われます。
特にASDの女の子の場合は、単に素直でおとなしい子と扱われやすく、特性が目立たないせいか男の子と比べると発見率は低いとされています。
さらに女の子は周りになんとなく合わせられる子も多く、余計に気付かれず見過ごされていることもあるのかもしれません。
しかし、子ども自身は表現することが苦手な場合、思っていることを口に出して説明することができず、仕方なく周りに合わせていることも多いのです。
そうするとせっかくの成長のチャンスがあっても気付かれないため、対応が後手になってしまいます。
また、自信がなくなったり、不安でふさいだりすればお母さんとしては心配になってきますよね。
そんな、ちょっと気になる発達障害の女の子に対して、お母さんはどのような対応をしたらよいのでしょう。
発達障害があるならなんとかしないと…とすぐに習い事を考えてしまいますが、それは少し待ってくださいね。
もしもお子さんに苦手があるのなら、お子さん自身もその苦手を自覚して辛いと感じているかもしれません。
そんなときに習い事をじゃんじゃんさせてしまうと、苦手な気持ちを増幅させてしまい、余計に不安になってしまい逆効果です。
3.お母さんにやってもらいたい子どもが喜ぶ関わり方
習い事よりも先に私がまずやってもらいたいこと。
それは、親子のかかわりを増やし子どもへの肯定的な言葉かけをたくさんすることです。
なんだ、そんなこと…と思った方もあるかもしれませんが、仕事や家事で忙しいお母さんは、つい子どもに指示や注意の言葉を向けがちです。
あ~、あれもこれもできない…とお母さんが思っていると、言葉だけではなくお母さんの表情までもマイナスのメッセージを送ってしまいます。
お母さんは分かってくれないんだ…と子どもが思ってしまうと、せっかくの関わりも台無しです。
また、つらいな、困ったなと思ったときに、お母さんに言っても仕方がないと思われては、必要な対応も遅れてしまいます。
では、どうお母さんが関わるといいかというと、まずやってもらいたいのは子どもの興味のある遊びや得意な活動を一緒にやることです。
工作やお料理、テレビゲームなんかもいいですね。子どもが好きで興味があることならなんでもかまいません。
子どもが得意なことや、興味のある活動を一緒にやることで、お母さんがたくさんの肯定的な言葉かけをするチャンスができます。
「〇〇ちゃんって想像力豊かだよね~」
「そんなやり方があるの~、ママ気が付かなかったわ」
「さすが!やっぱりママの子だわ」
など、子どもがウキウキする言葉をたくさんかけてあげてください。
すると、子どもに対するポジティブな気持ちもよく伝わりますし、子ども自身も気分がよくなって普段よりもしっかりと話をしたり、気持ちを表現するようになってきます。
また、得意なことで自信をもって気持ちを伝えられる機会となりますし、お母さんから認められる経験を積むことがさらに自分を表現するベースとなってくるのです。
女の子は周りに合わせ過ぎて自分を表現することが苦手な子も多いですが、それが当たり前になってしまうのはもったいないことです。
いつでも子どもが話したいと思ってもらえるよう、普段から関わり方を工夫してよい関係性を育んでいってくださいね。
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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)