空気が読めない発達障害の子どもに、困っていませんか。場にそぐわない発言をしたり、悪目立ちしてしまう行動をしたり…今日は、空気が読めないお子さんが空気を読めるようにする◯◯◯を鍛える方法をお伝えします。 |
【目次】
1.空気が読めない発達障害のお子さんに困っていませんか?
2.子どもや親の育て方が悪いわけではなかった!
3.お家の方と一緒に◯◯◯を育てよう
①人間観察クイズ!
②親子で楽しくトランプ!
1.空気が読めない発達障害のお子さんに困っていませんか?
「KY」という造語ができ、流行したことがあるほど「空気を読む」ことは、日本社会で大事にされていますね。
空気が読めない発達障害のお子さんは、こんなことはありませんか?
・場に合わない話をする・行動をする
・相手の表情から感情をくみとれない
・自分が好きなことを一方的に話し続ける
・相手が話している最中に割り込む
・相手の様子に気がつかないことで一方的に関わる
実は、これらはすべて我が家の発達障害の息子の以前の様子です。
今はだいぶ改善されましたが、低学年くらいまでは空気が読めないので私も困っていました。
長男が年長のときには、こんなことがありました。
息子が、体操教室に通っていたときのことです。先生がその日に行う運動のメニューの説明をしました。話が終わると、「何か質問がある人は?」と子どもたちに聞きました。
すると、息子が「はい!」と手を挙げ、「昨日、お母さんの誕生日でした!」と言ったんです…
みんなが唖然として、ひくのがわかりました。私は冷や汗が出て、穴があったら入りたいくらい恥ずかしい思いをしました。
以前の私は、
「どうして、今そのことを話すの?」
「どうして、今それをやるの?」
と、空気が読めない息子の言動がいつも理解できませんでした。
そのため、イライラして息子を叱っていました。
また、息子を見ていると将来が心配でしょうがありませんでした。焦る思いから、叱り方にも徐々に力が入っていきました。
私の育て方が悪いのではないかと、いつも落ち込む日々でした。
2.子どもや親の育て方が悪いわけではなかった!
発達障害の子どもの中には、どうして空気が読めない子がいるのでしょうか?
発達障害の子どもは、脳の発達が未熟な部分があり、脳の中のアンバランスな発達が原因だったのです。
これは、脳の特性なので、本人もコントロールできません。子ども自身が1番困っているのです。
まして、親の育て方やしつけが悪いわけではないので、安心してくださいね。
息子の場合、耳から聞いた情報を理解することが苦手で、自分が言いたいことを我慢できない衝動性があります。
そして、見る力の中の「観察する力」が弱いことが、大きな原因でした。
空気が読めない、相手の気持ちが分からない子どもは、この「観察する力」が弱いため、周囲の状況や情報、相手の様子を上手くキャッチできないので、そぐわない行動や言動をとってしまうのです。
さらに、相手の表情や態度から相手の気持ちを想像することも苦手でもあります。
ですので、子ども自身もお母さんも悪いわけではないので安心してくださいね。
空気が読めないことを叱ったところでメリットは何もありません。アンバランスな脳をお母さんが一緒に発達させていきましょう。
3.お家の方と一緒に◯◯◯を育てよう
空気が読めない発達障害の子どもは、脳のアンバランスが原因というお話をしました。
衝動性なども関係することもありますが、今回は「空気を読む」ために大切な「観察力」を伸ばすトレーニングのお話をします。
トレーニングといっても、面倒なものではありません。お母さんの声かけによって、普段の生活や遊びの中でできるものです。今日は、2つご紹介します。
◆①人間観察クイズ!
人と周囲を観察し想像するクセをつけていくための練習です。
例えば、外出のときに「あのおじさん、ちょっと困っている顔をしているね。どうして困っていると思う?」というような質問をします。
人の表情と周囲を観察して状況を分析する。そして、分析結果をもとに想像するトレーニングです。
もちろん、お家で家族を観察してもいいですよ。
また、お子さんが好きなアニメを見ていて、登場人物の感情がわかりやすくでているシーンがあるときには、
「この主人公は、今どんな気持ちかな?」
「お顔をよーく見てごらん!」
というように、表情を意識して見て想像する習慣をつけていきます。
ドラマを見る年齢なら、ドラマを観ながら「この人は、今どんな気持ちだと思う?自分だったらどうする?」と言った感じに、人の表情を観察して、状況の分析をしていく力をつけていきます。
観察して想像することが目的なので、「それは違うと思う!」など正しい答えを求めないで聞いてあげてください。
「そう思ったんだね!」「なんで、そう思ったの?」など会話が膨らむといいですね。
◆②親子で楽しくトランプ!
トランプのババ抜きのようなかけひきがあるゲームもオススメです。ババ抜きをしながら、お母さんの声かけが大切になります。
例えば、
「お母さんは、ババを持っているかな?持っていないかな?」
カードを1枚ずつ指差しながら「ババはどのカードかな?」
「顔をよーく見てごらん!ヒントがあるかもよ!」
などと声かけをしましょう。
相手の表情をよーく観察して想像することが身についていきますよ。
時間がないときや低年齢のお子さんとやるときは、トランプの数を減らす事がおすすめです。例えば、1〜10の数字のトランプだけを使用して遊びます。短時間で気軽にできますよ。状況によって枚数を増減させてくださいね。
家族でババ抜きをすると楽しく盛り上がりますし、「観察力」も磨けます。ぜひ、楽しみながらやってみてくださいね。
さて、息子はというと相手の表情を観察し、想像することがだいぶできるようになってきました。
先日、息子が「今日、学校で〇〇ちゃんが、泣きそうな悲しそうな顔をしていたから、僕は△△してあげたいんだ。」と話ししてくれました。
空気が読めなかった発達障害の息子が、お友達の表情を見て、自分でできることを考えてきたんです。
生活や遊びの中で楽しみながら「空気が読めない」問題が改善されるといいですよね。ぜひ、親子のコミュニケーションを通して、観察力を身につけてください。
ADHDタイプの衝動性からくる「空気が読めない」問題の改善策はこちらをお読みください。
発達凸凹の子どもの「困った!」が改善するお母さんの対応をお伝えしています!
執筆者:高嶋ともこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)