子どもがあまり話さなくて、言葉の発達が遅いかも?と心配のママはいませんか。もしかして、しっかり者で気配り上手なママに原因があるのかも。子どもへの先回りを手放しつつ、しっかりママのいい面を生かして子どもの発達をサポートするコツをお伝えします。 |
【目次】
1.言葉の発達が遅いと心配な子に「先回り」していませんか?
2.発達障害・グレーソーンに限らず子どもの脳を発達させるコツとは?
3.子どもの言葉を発達させるために大事なポイント
◆「良い加減」の適当ママになる
◆とにかく子どもが話し出すのを待つ
◆課題を1つ設定する
◆短期間で集中して取り組む
1.言葉の発達が遅いと心配な子に「先回り」していませんか?
お子さんの言葉の発達について心配されているママはいらっしゃいませんか?
家族やお友達の言っていることは理解しているようだけど、あんまり話さない…。
もしかしてうちの子、言葉が遅れてるの?なんて感じていませんか?
ちょっと待って!それ、もしかしたらしっかり者で気配り上手なママに原因があるかもしれませんよ。
誰でも母親になると、「子どもが困っていたらすぐに助けてあげたい…」と思いますよね?
私もそんなふうに先回りしていたママの一人です。
こんな場面はありませんか?ちょっとイメージしてみてください。
今は食事の時間。テーブルに並んだ料理を子どもがじっと見ています。
「食べたいのね?」とママが尋ねると、うなずく子ども。
ママがお皿にとってあげるとニッコリして食べる…。
一見、すごく気のきくステキなママですが、この行動には隠れた問題があります。
なぜでしょうか?
それは、子どもが言葉で要求する前にママがしてあげているということ。
これ、ちょっとNGな対応なのです。
この行動は子どもの脳の発達のチャンスを奪っていることになるのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
2.発達障害・グレーゾーンに限らず子どもの言葉を発達させるコツとは?
脳はどんなときに発達するかご存じですか?
実は脳は行動すると発達するのです!
このことはママにはぜひ覚えておいてほしいことです。
では、言葉の発達が遅い子どもの発達を促すコツはなんでしょうか?
簡単に言うと、わからないふりをして、とぼけちゃう!子どもから話かけられるのを待つことが大切なんです。
なぜかというと、発達障害・グレーゾーンの子どもの中には、自分の思いを言葉にのせて話すのが苦手な子がいます。
そこでママが待てずに先回りしてしまうと、子どもは自分で考える機会を失い、話す必要がなくなってしまいます。
するとどうなるか。
「あれが食べたいな」と子どもが思う
↓
「なんて言おうかな」と子どもが考えだす
(脳が発達し始める)
↓
考えているうちに食べ物が目の前に出される
↓
話す必要がなくなる(行動しない)
↓
言葉を話す脳のネットワークが発達しない
子どもが自分がしてほしいことを話して伝えようとしていた前に、ママが子どもの気持ちを先取りして料理を取ってあげてしまう。
お子さんの「自分の思いを言葉で伝える」と言う行動をママが先取りしてしまうことにより、せっかく言葉を発するネットワークを発達するチャンスが失われてしまうのです。
こんな残念なことにならないように、子どもの言葉を発達させるママになる!と決めたあなたには、してもらいたいことがあります。
3.子どもの言葉を発達させるために大事なポイント
気が付いても先回りしないでなんていわれても、気が付いてしまうのだからやってあげたくなっちゃうなんていうママもいますよね。
ましてや、子どものことは私がちゃんとしてあげないと!というしっかり者のママ達。
私もそうでした。
そして何より、不器用で自分に自信がない発達障害・グレーゾーンの子どもたち。
言葉の力を伸ばしてあげたい、その他にも色々な経験をさせて、力をつけさせてあげたい…そう思うのが親心です。
日々、育児書やネットで情報収集をしていると「これをやった方が良い」という情報であふれています。
ただ、いくら良いことでも、一度にやるとママも子どもも苦しくなってしまいます!
お子さんの脳を発達させる行動と記憶を定着させるポイントを4つお伝えしますね。
◆「良い加減」の適当ママになる
あなたが子どもの言葉を発達させたいと思うのなら、挑戦していただきたいことがあります。
お子さんが何かをしたいことをママが察してあげられたとしても、あえて「してあげない」と言うことです。
ちょっと気がきかなくて「適当」な、ゆる~いママを目指してください!
ここで誤解して欲しくないのですが、「適当」というのは「手を抜いている」という意味ではありません。
「ちょうどいい」とか「良い加減」とかそんなポジティブな意味です。
さて、先ほどの場面を振り返ってみましょう。
料理をじっと見ている子どもにはズバリ!
「どうしたの?何かほしいの?」
「そういうときはなんて言えばいいかな?」
と優しく質問するのがベストです。
なんて話したらいいか、わからない子にはちょっとしたヒントを出してあげることで、お子さんが自分で言葉を発するようにサポートするのです。
そうすると、お子さんもこういうときにはこういったらいいんだな、と理解して、だんだんママに自分がしてほしいことを言葉で伝えられるようになります。
これができるようになると、幼稚園や小学校など他の場面でお友達や先生に自分の気持ちを言葉で伝えられる力につながっていくのです。
◆とにかく子どもが話し出すのを待つ
子どもの言葉を発達させたいならば、子どもが自分で言葉を発する必要があるのです。
実は、お子さんが「ママになんて話そうかな?」と、言葉を発する直前にだまって考えているときが、一番脳が発達するときなのです。
大人に比べまだ脳の発達が未熟な子どもは、頭で理解して処理するまでの時間が大人の何倍もかかります。
ですから、ママはお子さんが話し出すまで時間がかかってまどろっこしいと思い、ついつい気を利かせて先回りしていませんか?
また、お子さんが言い出そうとする言葉を「〇〇が欲しいんだよね?」とお子さんより先に言ってしまっていませんか?
とにかくママにはジーッとお子さんの言葉を待っていてほしいのです。
脳の最大の発達チャンスの「言葉を発しようと考えているとき」に、ママが先回りしてしまうと、子どものせっかくの脳の発達を邪魔していることになってしまうんです!
大切なのは、子どもが自分で考えて言葉を発して、意思を示せるようになること。
そのためには子どもに自分で言葉を発してもらい、伝える脳のネットワークを発達させていきましょう!
◆課題を1つ設定する
まずは「絶対毎日実践するぞ!」というものを1つだけノートに書き出してください。
先ほどの「子どもからの言葉を待つ」というふうに決めたなら、少なくともひと月は、他のことはやらない覚悟を決めてください。
あれもこれも一度にやろうとしないことが成功への近道です。
取り組んだら記録に残すこともお忘れなく!
記録に残すことで、子どもとの関わりを意識することができます。
また、うまくいったこと、いかなかったことを把握できるので、今後のサポートに役立ちます。
◆短期間で集中して取り組む
一度課題を設定したら、短期間で集中して取り組むことが大切です。
なぜなら短期間で徹底的にやることで、子どもに記憶や行動を定着させることができるからです。
ママ自身も徹底して取り組んだ方が子どもの行動が定着し、効果が目にみえて、継続するモチベーションにもなります。
やったり、やらなかったりでは、なかなか改善していかないので、ママも子どももバテてしまいます。
いかがでしたか?
ついつい、気が利きすぎて先回りしがちだと心当たりのあるママは、ちょっと力を抜いて気が付かないふりをするくらいの「良い加減」になってお子さんに接してみてくださいね。
力の抜きどころと入れどころのメリハリをつけて、言葉の力をグングン伸ばしていきましょう!
お子さんとのコミュニケーションが楽しくなりますように♪
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執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)