発達障害の子どもの転校に、頭を悩ませていませんか。発達障害・グレーゾーンの不安が強い子どもは見通しが立てにくく、新しい環境が苦手です。子どもが新しい学校に「行きたい!」と思えるようになる、家でできる3つの対応ポイントをお伝えします。 |
【目次】
1.不安が強い子どもの転校が心配
進級・進学の時期が近付き、おうちの方の転勤などで、お子さんの転校問題に頭を悩ませているお母さんも多いのではないでしょうか。
・スムーズに新しい学校に行けるのか
・新しいお友達はできるのか
・いじめられないか
こんなことが頭に浮かんできて、子どものことが心配でたまりませんよね。
大人でさえ心配になるのですから、先の見通しが立てにくい子どもにとっては不安でいっぱいなんです!
発達障害の不安が強い子どもの転校がスムーズにいくには、どのような対応をすればいいのかをお伝えします。
2.発達障害・グレーゾーンの子どもが不安が強い理由
一般的に子どもの転校には「不安」な気持ちと新しい環境への「期待」とが入り混じると言われます。
「友達できるかな」
「勉強についていけるかな」
「学校に馴染めるかな」
「嫌な奴がいないかな」
新しい環境に飛び込むときは、このような不安な気持ちは必ず出てきます。
一方で、
「新しい友達ができるかも」
「面白い先生だといいな」
このような期待をする気持ちもあります。
この「期待」と「不安」、どちらが強いかというと「不安」の方が圧倒的に強いと言われています。
どんなに社交的な子どもでも、どんなに友達を作るのが上手な子どもであっても、絶対的に「不安」の方が強いのです。
加えて、発達障害・グレーゾーンの子どもは環境の変化に弱く、ネガティブな記憶が残りやすいと言う特性があります。
不安要素がたくさんあればあるほど、不安は大きくなっていきますよね。
では、引っ越しや転校をネガティブなものと捉えず、ポジティブなものにするためにはどのような対応をしたらいいのでしょうか?
我が家の不安が強い子どもの転校経験からわかったことをお伝えしていきます!
3.不安が強い子どもの転校経験からわかったこと
小学校低学年の息子は、不安が強く環境の変化に弱いタイプです。
ですから、転勤で小学校が変わることが、息子にとっていい選択なのかずいぶん悩みました。
転勤先に一緒に行くのか残るのか、私はその選択を息子に聞いてみました。
「友達と離れるのが嫌だ〜〜!」 と、息子はまず最初に叫びました。
ですが、その後…
「僕ね、決めた!パパと一緒のところに行く!だって、友達は新しくできるけどパパの代わりはいないから!」 と言う答えが返ってきました。
私は心の中で号泣です。 息子は不安が強く新しい環境が苦手なのに自分で飛び込む決断をしたのです!
この決断は、実はとっても大事なことなのです。
大袈裟に言えば、発達障害・グレーゾーンの子どもの新しい小学校での生活が、ポジティブなものとなるのかネガティブなものとなるのかを左右すると言っても過言ではありません。
だから、私も前向きに家族で引っ越しをすることを受け入れました。
我が家の息子の場合、「やっぱり転校したくないな」「引っ越しやめよ〜」と言い出すこともありました。
不安要素が拭えなかったからだとすぐに想像できました。
親の私でさえ、引っ越しを受け入れたものの不安なことはたくさんありましたから、子どもならあって当然ですよね。
この転校を決めていく過程で、いくつかわかったことがあります。
まず最初に「不安」な気持ちが出てくること。
次に「ポジティブに捉えること」「自分で決めること」がカギになるということです。
それから、不安な気持ちはずっとどこかにあるということでした。
我が家の経験から、不安が強い子どもの転校がスムーズにいくための3つのポイントを具体的にご説明していきますね。
4.転校がうまくいく3つの対応ポイント
では、転校の不安な気持ちを前向きにして、新しい小学校へ「行きたい!」と思えるようになる、家でできる3つの対応ポイントをお伝えします。
◆①新しい環境の情報をポジティブに伝える
1つ目は、親である私たちが意識をして、新しい環境に関して、不安を払拭するほどのポジティブなイメージを子どもに持たせてあげることです!
例えば、
・学校が近くなる
・苦手な制服がなくなり私服になる
・家が広くなる
・大好きなお菓子が売っている店が近くにある
・広い公園がある
このように引っ越し先には子どもが好きなことがたくさんあることをインプットしておきましょう。
脳はポジティブな情報が大好きなので、 ポジティブな考え方が子どもたちのスタートをスムーズにしてくれます。
また、転校前に新居や学校や周辺の街の様子を散歩したり、写真を見たり、グーグルアースを使ったりして、子どもにとってのメリットを一緒に事前チェックしておくのもいいですね。
初めて見たり行ったりする場所はとても緊張が高くなりますが、2度目以降はだんだんストレスは下がっていきます。
◆②子どもが主体的に転校を決めたと思わせる
子どもにポジティブなイメージをたくさん入れてあげることで「転校したらいいことがありそう!」と思えるようなると
「お友達できるかな」
「新しい学校はどんなところだろうな〜」
「いつから新しい学校に行くの?」
という前向きな思考に変わっていきます。
そしてそれを声に出すようになれば
「新しい小学校どんなところか楽しみだね」
「自分で転校を決めたのね」
と自分で決めたことをしっかり認めてあげましょう。
自分で決めたという経験は、自信につながります。
◆③子どもの気持ちに共感する
ポジティブイメージをたくさんインプットしていても、いざ学校生活が始まると、発達障害・グレーゾーンの子どもは環境の変化に弱いです。
最初は学校に行くだけで心も体も疲れてしまうと思います。
転校してしばらくは、癇癪や暴言などの好ましくない行動が出てきたり、泣いたりぐずったり精神的に不安定になったり、気になる行動が出てくるかもしれません。
それは子どもからのSOSのサインです。
ご家庭でしっかり受け止めてあげれば、ストレスを減らしてあげることができます!
子どもが不安がっている様子があれば、 「初めはドキドキするよね。実はお母さんもドキドキしているのよ」 と、共感してあげましょう。子どもの気持ちが和らぎます。
「学校で頑張ってるんだな!」と思って、ぜひ家庭ではリラックスできる雰囲気を作り、家庭が子どもたちの安全基地であるよう心がけてあげましょう。
このようにしていくと子どもの気持ちが安定し、新しい学校へもスムーズに馴染むことができると思います。
転校を前向きに捉え、新しい小学校での生活がスムーズに送れたら、子どもにとっては大きな成功体験となり、きっと大きく成長していることでしょう。
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執筆者:今村裕香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)