3学期は新年度に向けてわが子にはますます張り切ってもらいたい!とお母さんは思ってないでしょうか。しかし、慣れているはずの3学期に不安が強くなる子どももいるんです。今回はそんな気持ちが不安定になる子どもへの対応法をお伝えします。 |
【目次】
1.3学期のぐずりにイラ立ってしまいませんか?
3学期も半ばになりましたが、お子さんは順調に登校できていますか?
・朝なかなか起きない
・起きてきても支度に時間がかかってしまう
・宿題ができていない
・学校に行き渋る
なんてことはないでしょうか?
2学期は運動会や学芸会などのイベントも多くて大変だったけど、頑張って乗り切ったのに…。
クラスのみんなとはもう打ち解けて学校もちゃんと通っていたはずなのに…。
なぜか、この時期になると表情が暗くなる。学校に行き渋る。少しのことでグズグズ言ってばかり。
3学期にこんな風に不安定になる子どもがいます。
実は、わが子もこの時期が1番苦手です。
行き渋りの理由を聞いても「なんとなく行きたくない気がする」といった、学校へ行きたくない理由がはっきりしないことも多いのです。
学校の先生に相談しても、「特に目立ったトラブルはないですよ」とやはり理由が見当たりませんでした。
理由がはっきり分からなければ、対応方法が見つかりません。
このタイミングで不安定になるなんて、一体どうしてしまったのでしょうか?
2.3学期に子どもが不安定になりやすい理由
慣れているはずの3学期に子どもが不安定になってしまうのは、いくつかの理由があります。
◆①気分がふさぎがちな天候条件
まず、理由1つ目。3学期は夏に比べると日照時間がまだまだ短く、気温も低い日が多いです。
日照時間が短いと気分に関係する脳内の神経物質セロトニンが少なくなり、気持ちが内側に向きがちです。
そのため活動量も落ちてきますし、気分も落ち込みやすいということが起きてくるのです。
◆②周囲の言動に影響を受けている
理由2つ目。
特に発達障害の子どもはまわりの影響を受けやすい傾向があり、ちょっとしたことがきっかけでも気持ちがふさいだり、考えもマイナスに片寄ってしまいます。
そしてこの時期には、「春から〇年生ね」とか「〇年生になるんだから頑張らないと…」と毎日のように、学校の先生や家族のだれか、もしかするとママが言ってしまいます。
その言葉は、新しい年度に向けて子どもに頑張ってもらいたい!という励ましの気持ちを込めてかけるのだと思いますが、残念ながらその励まし、うまく伝わっていません。
発達障害の子は言葉の裏にある相手の気持ちを読むのが苦手なため、励ましの気持ちは伝わらず、むしろその先にある心配な気持ちを捉えてしまうのです。
子どもの頭の中では、もうすぐ進級して今とは違う環境になる、勉強も難しくなる、クラスが新しくなったら知らない子ばっかりだったらどうしよう…など心配なことばかりが気になって不安定になってしまうのです。
◆③お母さん自身が不安になっている
そして、理由3つ目。もしかして、お母さん自身が不安定になっていませんか?
もうすぐ進級するのに勉強についていけてないかも?
塾に行かせた方がいいのかな?
最近お友達との関係はどうだろう?
など、大切な子どものことだからこそ心配する気持ちになりますが、起こってもいないことが心配でお母さんの表情が険しい、なんてことがあるかもしれません。
発達障害・グレーゾーンの子はまわりの環境に影響を受けやすい傾向があります。
そのため、一番近くにいるお母さんが不安な表情をしていたら、その影響で子どもも不安な気持ちになりやすいのです。
3.子どもの笑顔を取り戻す!お母さんができるサポート法
では、どうしたら子どもの笑顔を取り戻すことができるでしょうか?
私が1番におすすめしたいことは、まずお母さんがどっしり構えること!
先ほどからお伝えしているように、発達障害の子どもは環境に影響されやすい傾向があります。
だから、一番近い存在のお母さんがどっしりと構えてぶれない存在でいることが大切なのです。
ですが、小学生のお母さんの年代だと子どものことだけでなく、家事や仕事に忙しいですよね。ホルモンバランスが崩れやすく、体調にも影響しがち。
お母さん自身が、無理してるとかイライラしてるなと思うときには、自分の時間をとってゆっくりと気持ちを整えることが大切です。
子育てはお母さん1人でするものではありませんよね。
1人で頑張り過ぎずに周りに上手に甘えることができると、お母さんにも余裕ができ、まわりまわって子どもにもプラスの効果になりますよ。
お母さんの気持ちが整ったら、次は子どもをサポートする番です。
子どもは、もしも気持ちが荒れてお母さんに暴言を繰り返していたとしても、こころの根っこの部分ではお母さんのことが大好きです。
そんな大好きなお母さんから、認められている、大事にされていると感じられると、子どもにとっては自信と勇気になります。
コミュニケーションは言葉の内容よりも雰囲気、印象の方がよく伝わると言われています。
発達障害の子どもは言葉の裏の気持ちを理解することは難しいかもしれませんが、声や雰囲気でお母さんのやさしさや愛情は伝わります。
・優しいまなざしを向ける
・帰ってきた時のお帰りのひとことに「今日もよく頑張ったね」という気持ちをのせる
そんな簡単なことでも違ってくるのです。
これはお母さんの発する声や雰囲気から、承認されていると子どもが感じることで気持ちをほっとさせる効果があるのです。
なので、子どもにはゆっくりと、柔らかい口調で、優しいまなざしをプラスして声をかけてあげてくださいね。
子どもの気持ちがほぐれたところで、今度は子どもと一緒に過ごす時間を増やす、スキンシップを多めにとるということをオススメします。
これも、子どもにとってお母さんから認められている、大事にされていると感じることができるものです。
子どもの好きなゲームを一緒にやってもいいですし、おうちカラオケで盛り上がってもいいですね。
天気のいい日には、散歩やちょっとした運動をすると、脳内の幸せホルモンのセロトニンの効果も期待できますよ。
こうして少しずつですが、子どもの気持ちに寄り添うことができたら、子どもにとってお母さんが安心できる心強い味方となり、自信をもって毎日を送れるようになってきます。
発達の凸凹がある子どもは、大人が思うよりも繊細です。
周りの影響を受けて心が疲れた時、お母さんが子どもの一番の味方になってしっかりサポートしてあげてくださいね。
不安が強い子どもが笑顔になる発コミュの技、お伝えしています。
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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)