2021年3月11日は東日本大震災10年目の節目の年です。この日が近づき発達障害アスペルガータイプの子どもが不安がっていてお困りのお母さん。不安になる理由と、想像力が豊かすぎて辛くなってしまいやすい子どもへの効果的な対応をお伝えします! |
【目次】
1.3・11が近づくと不安が高まる発達障害の子どもたち
2.発達障害・アスペルガータイプのお子さんが不安になりやすい理由
◆ニュース映像がトラウマに?想像力の豊かな子どもたち
◆研究熱心で没頭しやすい
◆遠い場所で起こったことを自分ごとにしてしまう
3.上手な震災情報との付き合い方
◆情報を親が管理する
◆怖いと行ったらテレビを消してぎゅーと安心させる
1.3・11が近づくと不安が高まる発達障害の子どもたち
もうすぐ2021年3月11日。東日本大震災から10年目の節目の年になりますね。
3・11が近づくにつれて発達障害のお子さんが不安がってしまい困っていませんか。
東日本大震災は、大人でも大きなショックを受ける出来事でした。
実は、被災の有無にかかわらず発達障害のお子さんの不安が高まる可能性があることをご存知でしょうか?
実際に、
「日本は地震が危険なのになんで海外に移住しないのか。」
「自分の家の地盤をもう一度調べないと気が済まない。」
「被災地の支援をするために震災の映像をたくさん見せて欲しい。」
などの発言で毎日お母さんたちを圧倒させる子どももいます。
発達障害のお子さんが一つのことに集中したり、頭がいっぱいになるのは才能である反面、本人や周りを苦しめてしまうこともあります。
そこで、発達障害とりわけアスペルガータイプのお子さんが不安になりやすい理由と、上手な震災情報との付き合い方をお話していきますね。
2.発達障害・アスペルガータイプのお子さんが不安になりやすい理由
なぜ発達障害・アスペルガータイプのお子さんの不安が高まりやすいのでしょう。
それにはいくつか理由があります。
◆ニュース映像がトラウマに?想像力の豊かな子どもたち
お子さんが実際に震災にあっていなくても、不安が高まる理由にニュース映像がトラウマになってしまうということがあります。
アスペルガータイプのお子さんは視覚的記憶が残りやすく、消えにくい特徴があるためです。
また想像力も豊かで、大人が思いつかないことを想像しては不安が高まり辛くなってしまうこともあります。
気をつけなくてはならないトラウマの症状は、不眠、夜に起きて泣き叫ぶ、落ち込み、何度も怖い映像を思い出すといった不安症状です。
そこまでいかなくとも幼稚園や学校でソワソワしたり、イライラしたりという症状がでるお子さんもいます。
◆研究熱心で没頭しやすい
発達障害・アスペルガータイプのお子さんは非日常の大災害の情報を敏感に受け取って不安になりやすくなります。
加えて、もともと研究熱心なタイプのお子さんが多いのです。
震災の不安を埋めようと震災の番組に没頭しすぎて、自分が処理できる情報量よりもたくさん得てしまうことがあります。
その結果、不安が高まり辛くなってしまうことがあるのです。
◆遠い場所や過去に起こったことを自分ごとにしてしまう
また年齢によっては、1km向こうのことと100kmも1000kmも区別がつかないことも多いです。
何百kmも離れている場所のことでも、「ここに津波が押し寄せてくるのではないか。」と不安になってしまいます。
その時に、今ここに押し寄せてくると言わんばかりに泣いたり、パニックになってしまうことがあります。
またテレビで震災の様子を見た際に、過去の出来事が区別できずに「これから来る!逃げなくては!」と不安になってしまうことがあるのです。
3.上手な震災情報との付き合い方
では、発達障害・アスペルガータイプのお子さんがどのように震災の情報と付き合えば良いのでしょうか。
そのポイントをお伝えしていきますね。
◆情報を親が管理する
特番が多くなる時期に不安が高まりそうなお子さまに場合によっては震災の情報が過多にならないように情報を管理してください。
前に不安を示していたお子さんの場合は、管理した方が良いと思います。
どこまで情報を得ても大丈夫かを保護者が見極めるのです。
少しも見せないというご家庭もあれば、録画すれば親が判断して一部を見せるということもできます。
◆怖いと言ったらテレビを消してぎゅーと安心させる
震災のテレビを見ている時にお子さんが怖がるようならば、テレビを消してぎゅーと抱きしめて安心させてあげてください。
もし不安を口にするお子さまでしたらしっかりと受け止めて、
「今ここには来ないよ。」
「大丈夫だよ。お母さんがいるよ。」
などと優しい声で安心できるようにしましょう。
発達障害・アスペルガータイプのお子さまは情報に敏感で傷つきやすいうえに想像力が豊かです。
子どもたちを過度に不安にさせないよう工夫し子どもの安心を守っていきたいですね。
アスペルガータイプのお子さんの春休みの計画を立てる時に、気をつけたいポイントも紹介しています。
お家時間で発達障害児ときょうだいをぐんぐん成長させる情報をお届けしています。
執筆者:今川ホルン
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)